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コーチングの基本「ラポール」で、相手の本音を引き出そう

コーチングとは、質問によって、相手の潜在能力を引き出し、支援するコミュニケーションスキルです。自ら考え行動できる、自律型の部下を育てるためのスキルとして、注目されています。
コーチングについて、知識として知っている人の数は確実に増えています。一方で、コーチングのスキルを実務で使いこなせている人の数はまだまだ少ないのではないでしょうか。職場で部下にコーチングを試してみようとすると、そこには大きなハードルがあるようです。多くの場合、コーチングをする上司と、コーチングを受ける部下との間で、コーチングが機能する前提となる「ラポール」が構築できていないケースが多いのです。

 

ラポールとは

「ラポール」(Rapport:心と心のつながりという意味の心理学用語)は、相手との信頼関係を築くということで、もともとの言葉の意味は、心の架け橋ということです。

 「この人なら、信頼して、自分の本音レベルの話ができる」
 「ぜひ、この人にコーチングしてもらいたい」

コーチングを成功させるには、受ける部下の側からそのように感じてもらえるような、安全で安心できる状態、つまり、ラポールが構築できていることが必要です。
 

ラポールを築くことの効果

先日、ある企業で、私が担当したコーチング研修終了後の懇親会に参加させていただいた際のことです。研修担当者と受講者との間で、以下のような会話が聞こえてきました。


 受講者 : 「今日の研修の中で、一番印象に残った言葉は、ラポールですね」
 研修担当 : 「そうそう、やっぱりラポールが築けていないと、何を言っても相手の心に響かないんだよね」
 受講者 : 「コーチングに限らず、お客様との商談でも、ラポールが築けていれば、多少トラブルが発生しても、お互いに前向きに話し合えると思います」

ほんの数時間前に研修で学んだキーワードが、リラックスした懇親会の場で、自然な感じで会話に登場していました。
研修においてでも、受講された皆さんは、コーチングのロールプレイに積極的に参加され、お互いに率直なフィードバックを交換していました。普段から社内でのコミュニケーションの量と質が確保され、信頼関係の構築に意識が高いために、ラポールという考え方も、すんなり取り入れることができたのだろうと思いました。

 

ラポールを築くために

 

ラポールを深めるポイントは相手の存在を認めることです。
笑顔で心からの挨拶をすることや、相手に感謝の気持ちを伝えること、相手の話を熱心に傾聴することなどもラポールを深めることにつながります。

信頼関係を築くための働きかけの例として、コーチング研修のグループでディスカッションで出てきたアイデアをご紹介します。

  •  相手の目を見て、笑顔で元気よく挨拶をする
  •  ありがとう、と感謝の気持ちを伝える
  •  相手に依頼した仕事の経過を見守り、こまめに声をかける
  •  相手の良い点に注目して褒める
  •  相手の話を熱心に傾聴する

以上のような、部下との良好なコミュニケーションを日々積み重ねることが、信頼関係の構築につながります。


皆さんの職場では、お互いの信頼関係を構築するために、どのような働きかけをしていますか。
本来、相手との信頼関係は長い時間をかけて築いていくものです。目の前の相手とラポールを構築するために、どんな言葉をかけることが効果的か、意識を高めることからはじめましょう。

 

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「ビジネス・コーチング ~能力とやる気を高める5ステップモデル~」は、はじめてコーチングを学ぶ方を対象に、基本スキルを段階的に学んでいくコースです。最初のステップとして、ラポールの構築を修得します。

飯嶋秀行 (いいじま ひでゆき)

飯嶋秀行 (いいじま ひでゆき)

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。 商社で情報システムの企画・開発などを担当、現在は、コンサルティング、PMなど、マネジメント系コースと、ビジネス・コーチングなどのヒューマンスキル系コースを担当、PHP認定ビジネスコーチ上級、中小企業診断士、著書に「コーチングがやさしく身につく物語」日本実業出版社などがある。

   
 

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