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テレワークとイノベーションの関係~よりイノベーティブになるために必要な2つの行動~

新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークは言葉だけでなく、一般化しつつあるようです。LINEリサーチの調査結果によると、一都三県でのテレワークの許可/推奨企業は、緊急事態宣言の影響もあり4月調査時は53%と半数以上でした。8月調査では、39%とやや減少しましたが4割近くの企業がテレワークの許可/推奨を行っている状況です。12月に入り第三波が拡大しつつある中、今後もテレワークはさらに広がる様相を呈しています。
(参考・引用:LINEリサーチ、新型コロナウイルスに伴う職場・テレワークの現状を調査 )


テレワークとイノベーションは一体、
どのような関係があるのか

日本テレワーク協会によると、テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
(参考・引用:テレワークとは-日本テレワーク協会 )


一方、イノベーションはコトバンクによると「J.A.シュンペーターの経済発展論の中心的な概念で、生産を拡大するために労働、土地などの生産要素の組合せを変化させたり、新たな生産要素を導入したりする企業家の行為をいい、革新または新機軸と訳されている。技術革新の意味に用いられることもあるが、イノベーションは生産技術の変化だけでなく、新市場や新製品の開発,新資源の獲得、生産組織の改革あるいは新制度の導入なども含む。」とされています。
(参考・引用:イノベーションとは-コトバンク) 

簡単にまとめると、イノベーションとは、新しい知やアイディアを生み出すことを指します。


シュンペーターによると「新しい知とは常に、『既存の知』と別の『既存の知』の『新しい組み合わせ』で生まれる」だそうです。


一見すると、両者には関連がないように見受けられますが、早稲田大学大学院・ビジネススクール教授 入山章栄氏 著書の「世界標準の経営理論(ダイヤモンド社)」に基づき、私なりの解釈でこの2つの関連性を紐解いていきたいと思います。


新しい知識を獲得するための3つの方法とは

イノベーションを実現するには、新たな知識を得ることが必要不可欠です。まずは前述の「世界標準の経営理論」にある新しい知識を得るための3つの方法を紹介します。

【知の獲得の3つの方法】

  1. 知の創造:
    組織は、経験を通じて新しく知を生み出す。例えば、自らが実際に経験をすることで、新しい知を生み出す。(行ったことない場所へ行く、やったことないことをするなど)

  2. 知の移転:
    人・組織はみずから知を生み出さなくとも、外部から知を手に入れることができる。例えば、技術提携という「経験」を通じて、他企業の技術が自社に移転される。

  3. 代理経験:
    新しい知の獲得は、組織自身の経験だけから得られるとは限らない。例えば、同業他社など「他者の経験」を観察することから学ぶことができる。


テレワークとイノベーションの関係

入山氏はあるセミナーでイノベーションを進める上で手っ取り早い方法について話していました。その方法は、「現地に直接行く」ことです。例えば身近なところだと、「セミナーに参加する」、「少し足を延ばして旅行に行く」などです。


しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により外出することや人に会うこと難しくなりました。では、知の獲得は難しくなったのかというとそうではありません。


テレワークの普及により、より知を獲得しやすくなりました。現地に行かなくても、現地の人と気軽に話すことができたり、これまで出会うことができなかった多くの人とも気軽につながることができたりするようになりました。つまり、前述にあった「知の移転」・「代理経験」がお手軽にできるようになったのです。


よりイノベーティブになるために必要な2つの行動

上記の知の獲得の3つの方法を踏まえた上で、よりイノベーティブになるために必要な2つのポイントをご紹介します。


(1)知の深化

知の深化とは、自分や組織が専門としている領域の知識を広げ、深めていくことです。例えば当社で言うと、教育に関しての新しい学習方法を知ったり、他の教育事例を参考にしたりなど、教育という領域においての専門性を高めていきます。このために、知の獲得における「知の移転」「代理経験」が活用できます。

テレワークにより社内のやりとりが実務的なことに終始してしまうと、知の深化を止めることにつながるため、折を見て雑談をしたり、些細なことでもチャットをしてみるなど、身近なところから始めてみてはいかがでしょうか。

余裕がある方は、外部の専門家の話を聴いたりするのもいいかもしれません。


(2)知の探索

人は認知に限界があるため、目の前の狭い部分しか見えない傾向にあります。そこで、役立つ考え方が知の探索です。知の探索とは、自分の現在の認知の範囲外にある知を探索し、それをいま自分の持っている知と新しく組み合わせることです。例えば当社で言うと、教育以外の領域に情報を求めることを指します。もしかしたら、外食産業かもしれないですし、製造業かもしれません。自分達が専門としている領域以外に目を向けることで、いまの認知の限界を超えて、新しい知を得ることにつながります。

ここで前述にあった「知の移転」・「代理経験」がテレワークによりお手軽にできるようになったことが活きてきます。

百聞は一見に如かず、という諺はありますが、一見にあたる、オンライン交流、オンライン・ミーティング、VR・ARなどのバーチャル体験などにより、知の探究はいくらでも可能になっています。


いつもと違う何かを探しに、まずは一歩踏み出してみましょう。

私自身は身近な取り組みとして、少しでも興味を持ったセミナーにはまず参加してみたり、セール的な売り込みだったとしても、まずは(オンラインで)一度会ってみることをしています。


イノベーションの落とし穴
「コンピテンシー・トラップ」

知の深化ばかりをしたり、知の探索ばかりしても、イノベーションは生まれません。
それは、情報に偏りが生まれるからです。ここで改めて、シュンペーターの言葉を引用します。


新しい知とは常に、『既存の知』と別の『既存の知』の『新しい組み合わせ』で生まれる


仮に、知の深化ばかりをすることで、自身の専門性が高まったとします。しかし、自身の専門の領域を出ることがないので、知っている範囲の知と知の組み合わせに終わってしまい、イノベーションが生まれにくくなります。


一方、知の探索も同様です。知の探索ばかりして、新しい知をたくさん得ようとしても、それを結びつけるべき、本来の自身の専門領域の知が浅いと、結びつけることができず、せっかく得た新しい知も宝の持ち腐れとなってしまします。


このため、知の深化と知の探索のバランスが重要になります。

サイロ化した組織※でイノベーションを起こそうと思ってもなかなか起きないのは、まさにこのためです。
※組織のサイロ化: 企業組織が縦割り構造で、かつ業務部門同士の連携が取れてない状況。

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テレワークにより気軽に手軽に繋がることができるようになったことを前向きに捉え、身近な人と些細なことでも積極的に情報交換し、身近でない人や事に触れる機会を増やしていくこと。

これが私なりのイノベーションへの取り組み方です。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
少しでも皆さんのお役に立ちましたら何よりです。



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山内 翼(やまうち たすく)

山内 翼(やまうち たすく)

トレノケート株式会社 講師。人材教育コンサルタント / PMI®認定PMP® / CPCC(CertifiedProffesionalCoactiveCoach:CTI認定コーアクティブ・コーチ)。 2002年よりIT系企業にて15年間、Webデザイナー、プログラマ、システムエンジニア、プロジェクトマネージャ(PM)、 プロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)にて業務系システム開発を中心に活動。 その他、社内人材育成を推進。社内教育の企画立案/運営/講師を担当。 2017年より現職。プロジェクトマネジメントおよびヒューマン・スキル講師としてIT業界に限らず幅広く人材育成支援に当たっている。

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