「あなたのDX人材育成はどこから?」DX人材育成デザインパターン (セミナー内容まとめ)
DXやデジタルトランスフォーメーションという言葉を多く聞くようになりました。しかし、企業がDX化を行うにも、それが出来る人材がまずいない、という壁が立ち塞がります。
この記事では、DX化を実現するためにどのような課題と、それに対応する人材育成のパターンがあるか、実際に寄せられているご相談を元に「よくある例」をご紹介します。
※6/25に開催された「DX人材育成支援セミナー」(現代ビジネス主催)での弊社講演のサマリー記事となります。
目次[非表示]
- 1. DXシフト の Before/After
- 2. DX人材育成の課題 ご相談の多いパターン
- 2.1. ビジネスプロフェッショナル(DX推進担当、業務部門のリーダー)
- 2.1.1. Phase.1 そもそもビジネスリーダーがDX化に取り組む時間が割けない
- 2.1.1.1. 事例1:データ活用人材の育成
- 2.1.1.2. 事例2:ノーコード/ローコードツールの活用促進
- 2.1.2. Phase.2 時間は確保できるが、クリエイティブにアイディアを創出する土壌がない
- 2.1.2.1. 事例:ITを活用した新規ビジネスの企画力向上
- 2.2. ビジネスオペレーター (現場のITユーザー)
- 2.2.1. 事例:全社員対象 IT基礎スキル向上
- 2.3. ITプロフェッショナル (企業のIT部門、システムインテグレーター)
- 2.3.1. Phase.1 クラウドのメリットを活かしきれない
- 2.3.1.1. 事例:Amazon Web Services 強化研修
- 2.3.2. Phase.2 顧客のDX化要望にプロアクティブな提案ができない
- 2.3.2.1. 事例:提案力強化研修
- 3. セミナー録画 無料視聴
DXシフト の Before/After
本題の前に、DX化が起こるとはどういうことで、どのような変化が起こるのでしょうか?難しい言葉での定義ではなく、ITプロフェッショナルと現場のITユーザーの立場でその変化を見てみましょう。
Before
DX化を行う前は、ITプロフェッショナルへ開発・運用を委託している状態です。このときは、中央集権的にITシステムやインフラの構築や管理を行っています。
そのため、ITプロフェッショナルである企業のIT部門やシステムインテグレーターでは、障害に備えてデータセンターに人が常駐する必要があるなど、運用や開発に大きな負担がかかっています。
ユーザー側では、ITシステムは自分たちでは手出しができない領域であるため、たとえば業務プロセスを変えれば効率が良くなると分かっていても、システムの改善要望を出しても実行まで時間がかかるため結局実現に至らない、ということがあります。
After
クラウドの普及により、柔軟にITインフラが利用できるようになったことが大きな要因としてDX化が起こります。
ITプロフェッショナルでは、物理的な機器の管理から解放されたり、APIの利用で運用の自動化や開発の効率化を行うことができ、他のことに時間を使えるようになります。
ITユーザーとしてもメリットがあり、クラウドシフトすることで業務に必要なデータを柔軟に入手・利用できるようになります。そうすると、手元で小さなプログラムを作ったり、改修が出来たりするようになるため、現場の必要性に応じて、素早く変更が出来ます。
また、そこまで深い活用でなくても、新しいITツールを使うと楽になる、時間の節約になる、などデジタル化することで効率化を図ることができる業務は大なり小なり多くあります。
DX人材育成の課題 ご相談の多いパターン
DX化のイメージがつかめたところで、具体的にどのような人材を育成すればよいのか、ご紹介します。
企業によって課題や必要なスキルが異なるため、「DX研修」という括りでの一般化はまだ難しい状態ではありますが、2020年後半から弊社にいただいているご相談の中からよくあるパターンを、対象となる部門・立場別に抽出しました。
ビジネスプロフェッショナル(DX推進担当、業務部門のリーダー)
Phase.1 そもそもビジネスリーダーがDX化に取り組む時間が割けない
多くの企業様からご相談をいただく課題です。この場合、まずITの活用による業務効率化を促進します。
事例1:データ活用人材の育成
- 対象:業務部門 100名
- 目的:AIの基礎知識を学び、Excelによるデータ分析やクラウドAIサービスを導入・活用する
- 対応コース
- DX推進 AIビジネス活用コース
- Power BI を使用したデータの分析
- Azure MLによるデータ分析 (キカガク社提供)
事例2:ノーコード/ローコードツールの活用促進
- 対象:電子機器メーカー
- 目的:Microsoft Power Platformを活用し業務改善ができる
- 対応コース
Phase.2 時間は確保できるが、クリエイティブにアイディアを創出する土壌がない
こうした悩みをお持ちの場合は、アイディアの発散方法を身に付けます。また、それをITでどう実装すればよいかの勘所も必要です。
事例:ITを活用した新規ビジネスの企画力向上
- 対象:電力会社様
- 目的:デザイン思考に加え、企画・提案力を養うことでアイディアを出すだけでなく形にできるようにする
- 対応コース
ビジネスオペレーター (現場のITユーザー)
昨今急激に進んだテレワークの環境にうまく適応できず、業務効率が低下してしまう現場スタッフのパフォーマンス向上は喫緊の課題です。DX化を成し遂げるためにも、こうした社員一人ひとりがIT的に自立したリモートワーカーとなることが必要です。
事例:全社員対象 IT基礎スキル向上
- 対象:製造業様
- 目的:コンピューターの基本やITのトレンドを知り、ポジティブに受容できるように意識を変革する
- 対応コース (いずれもeラーニング)
- ITスキル基礎 ファーストステップ (間もなく公開予定)
- 最新ITトレンド丸わかり ~ DX時代のビジネス ~
- DXパック ~意識改革編~ (間もなく公開予定)
ITプロフェッショナル (企業のIT部門、システムインテグレーター)
Phase.1 クラウドのメリットを活かしきれない
クラウドコンピューティングはオンプレミスの環境とは特性が異なるため、考え方が大きく変わります。そうした課題がある中では、まずITの専門家の中でDXシフトに向けた基盤の構築を行います。
事例:Amazon Web Services 強化研修
- 対象:銀行様IT部門
- 目的:幅広い行員にAWS認定資格の取得を奨励。社内のIT共通言語化を図る
- 対応コース
Phase.2 顧客のDX化要望にプロアクティブな提案ができない
システムインテグレーター様の悩みとして伺う声です。ヒアリング力や戦略的思考を身に付けることで、提案力を強化することが可能です。
事例:提案力強化研修
- 対象:SIer様
- 目的:顧客の課題を適切に捉え、顧客のDX戦略実現を支援するITコンサルタントを育成する
- 対応コース
セミナー録画 無料視聴
この記事でまとめた内容の詳細は、下記の録画視聴よりすべてご覧いただけます。
記事では紹介しきれなかったDX人材育成の推進フローなども解説しています。
また、その他の育成ケースについては、こちらもご参考ください。