Cybozu Circus 2021 Fukuokaに行ってきました
2022/3/15に開催されましたCybozu Circus Fukuokaに参加してきました。
福岡国際会議場に多くの方が訪れておられました。
参加したセッションの中から特に感銘を受けた2件のセッションについて、レポートします。
ほかのセッションについても個人のブログにレポートを書いてますので、ぜひご覧ください。
また、関連イベントとして同じCybozu Circus 2021の幕張レポート、大阪レポートもよろしければご覧ください。
真剣への覚悟ー成長期、停滞期、変革期を試行錯誤した、サイボウズ青野の経営者の道ー
サイボウズ代表取締役社長の青野さんの基調講演です。
1997年に創業されてからの25年を2枚のスライドで語られていました。
1枚目は売上と離職率のグラフでした。
停滞期には離職率が28%。
4人に1人が1年間にやめてしまっていた。
離職率が落ちて売上が上がっていったことが顕著にあらわれてます。
離職率を落としていった方法は、離職したい理由を聞いて1つ1つ潰していかれたそうです。
例えば「残業したくない」、じゃあ残業しなくていい制度を作ろう、これはコストがかからずに結果的に残業代が減ってコスト削減にもなった。
他には「通勤したくない」、じゃあ在宅制度を作ろう、そうしたらオフィスコストが削減された。
また、「副業したい」、じゃあ副業制度を作ろう、そしたら他で得たスキルや人脈がサイボウズのコストをかけずにサイボウズに活かされたそうです。
もう1枚のグラフはグループ売上高と連結営業利益も含めたグラフでした。
1995年にWindows95が発売されてインターネットが普及して、組織の情報共有のあり方が一変すると直感されて、情報共有ソフトを作ろうと、1997年に創業し、サイボウズOfficeを
開発。発売開始2ヶ月で黒字。2000年に東証マザーズに上場されている。
2002年に最初の危機、内部統制の波が来てGaroonが生まれる。
当時は私も内部統制ブームの中、メールアーカイブシステムを企業にあわせて開発構築導入する仕事で大忙しでした。
2005年に社長交代で創業メンバーの青野さんが社長を引き継がれたときには、グループウェア市場も飽和していた。
当時のグループウェアはNotes/Domino、Microsoft Exchange、大小ベンチャーのグループウェア、たくさんありました。メール、カレンダー、ワークフローを中心とするのがグループウェアシステムでした。
サイボウズさんではグループウェア以外の分野に進出するため、子会社を買収して事業を拡張した。
その結果グループ売上は増えたが、子会社の赤字が発生するようになり、会社に現金がなくなるようなこともあった。
青野さんは退職もできない、死ぬこともできない、わらをもすがる思いで様々な本を読まれた。そして松下幸之助さんの本で「真剣に取り組む」ということに向き合われた。
その結果、「良いグループウェアを作って使ってもらうことに真剣になる」ことをされて、グループ会社の売却(9社中8社)が2007年に行われた。
最初はモバイルアプリ
グループウェアはiPhone普及により計画が崩れ、Sharepoint上でのアプリはGoogle Apps展開により影響を受けた。AWSをはじめ世の中のクラウド移行が進むにつれてオンプレミスアプリが停滞し始めた。
クラウドという新しい波にいち早く気づかれて2011年にクラウド事業へシフトしていかれた。
当初、オンプレミスの場合はパートナーさんはハードウェアも売れるし、作業費用も取れるがクラウドだと利益が少なく抵抗もあったが、メリット提供によりお客様が増え、お客様とがり続けることができるクラウドは双方にとってメリットのあるビジネスモデルであることを説得されて理解してもらった。
2013年からkintoneにより売上が加速していく。
kintoneも投資をして赤字を生みながらも成長しているサービス。
これからも「良いグループウェアを作って使ってもらうことに真剣になる」ためにチャレンジを続けられると基調講演を締めくくられました。
すべての仕事をする人が改善ができ、新たなサービスを生み出すことができる、それがkintoneのパワーだと考えています。
「良いグループウェアを作って使ってもらうことに真剣になる」それを徹底的に追求され続けるサイボウズに今後も期待しています。
経営者が語る。 70人の鉄工所が、kintoneで「見える化」第一歩を踏み出してみた。
乗富鉄工所さんの事例セッションです。
平行して20件ぐらいの水門工事をされていて、工程管理が複雑なことが課題だそうです。
大きな課題が2つあって、毎週の工程会議資料作成に2時間以上かかることと、内外作判断が困難で工場長頼みだったことです。
これらをkintoneで改善されています。
毎週の工程会議資料の作成時には、作成するタイミングで担当者に情報を聞いて回っておられました。
バラバラのフォーマットで断片的な情報が収集されるのでまとめる側の時間がかかってしまいます。
それでもまとめる側も毎週やる作業なのでやり方がうまくなってしまい、引き継ぐ時には秘伝のタレのようになったプロセスと表計算ファイルを継承します。
情報の入力先として「工程見える化アプリ」を作成されて、担当者に直接入力してもらうようにし、工程会議ではアプリを共有することにされたそうです。これにより2時間かかっていた工程会議資料作成プロセスをまるまる削減されました。
情報が生まれた時点でインプットされるので、工数削減だけではなくリアルタイム性も上がっています。
もう1つの課題の内外作という、工事を自社でするか他社に依頼するかの判断。
定年まで2年の工場長が培ってきた判断軸で判断をし、その情報元は作成するのに8時間かかる人員調整グラフで、2ヶ月に1回しか判断ができなかった。
これも「工程見える化アプリ」により、人員調整グラフが生成され、1週間に1回の判断ができるようになった。
そして全員で判断できるようになったので納得感も強くなった。
工場長はもともと凄腕の技術者だったが内外作の判断など管理業務に追われていた。
工場長が技術者(メタルクリエイター)に戻ったことで新規事業の製造に腕をふるってもらっている。
新規事業の営業は乘冨さん1人で管理されていたので、kintoneで活動履歴をストックしていたので、入院した際も何もしなくてもチームメンバーに引き継ぎできていた。
担当者が入院しても事業が止まらない強いチームになった。
Cybozu Circus Fukuokaのレポートは以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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