【PMBOK®ガイド第6版の変更点】第10回:チーム憲章
【PMBOK®ガイド第6版の変更点】では、2017年9月にリリースされたPMBOK®ガイド第6版と第5版との主な変更点を数回にわたり紹介していきます。
チーム憲章
第6版で追加になったプロジェクト文書の構成文書のひとつに「チーム憲章」があります。資源マネジメントの計画・プロセスでアウトプットし、チームの育成・プロセスとチームのマネジメント・プロセスのインプットとなります。チームの育成の過程で見直されるので、チームの育成・プロセスのアウトプットにもなっています。
チーム憲章の目的
チーム憲章の目的は、「チームの価値観、合意、および業務上のガイドラインを確立すること」です。その内容は次のようなものです。
- チームの価値観
- コミュニケーションのガイドライン
- 意思決定の基準とプロセス
- コンフリクトの解決プロセス
- 会議のガイドライン
- チーム合意
プロジェクト・マネジャーの任務はプロジェクトを成功させることです。成功のためには、チームの力を最大限に発揮させることが必須です。したがって、自分たちのチームはどのようなチーム憲章の下で働くのかを考えてみることはたいへん大切なことになります。
ところが、現場のプロジェクト・マネジャーの方々はそこに十分に取り組んでいらっしゃらないのではないかと思います。私たちは「最強プロジェクト・チーム・マネジメント(PMC0112G)」という研修を実施しており、そこで受講者の方々にキックオフ・ミーティングの場でチーム憲章にあたる内容をスピーチしていただく演習を実施しています。受講者の方々のほとんどが、「こんなスピーチをやるのは初めてだ」とおっしゃいます。
そんな方々は、ぜひPMBOK®Guide第6版を学んで、チーム力の最大化に取り組んでください。
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中村 正明(なかむら まさあき)
トレノケート株式会社 / ラーニングサービス本部