【PMBOK®ガイド第6版の変更点】第9回:ツールと技法のグループ分け
【PMBOK®ガイド第6版の変更点】では、2017年9月にリリースされたPMBOK®ガイド第6版と第5版との主な変更点を数回にわたり紹介していきます。
ITO図の変更点
PMBOK®ガイド第6版対応の研修コースのテキストの作成を行っていると、「ずいぶん変わったなあ」と感じるところがITO図です。
記載量が倍以上になった
ITO図という名称は俗称でしょうが、各プロセスの、インプット(I)、ツールと技法(T)、アウトプット(O)を一覧にしたものです。すなわち、それぞれの記述内容が変わったということです。実際、第5版のITO図と第6版のITO図を並べてみると記載量が倍以上に増えています。
より具体的な記載になった
ところが、実質的な内容が大幅に追加されたというわけではありません。
第5版では、アウトプットに「プロジェクト文書更新版」とあるだけだったところが、第6版では、「プロジェクト文書の更新、(具体的には、)コスト予測、課題ログ、教訓登録簿、リスク登録簿、スケジュール予測」と書いてあるわけです。
ツールと技法にグループ化が導入された
もうひとつ、ツールと技法には、グループ化が導入されました。
- データ収集
- データ分析
- データ表現
- 意思決定
- コミュニケーション・スキル
- 人間関係とチームに関するスキル
とグループに分けられたのです。
PMBOK®ガイド第6版の変更の特徴
たとえば、「ステークホルダー関与度評価マトリックス」や「根本原因分析」はデータ分析に、「観察と会話」や「交渉」は人間関係とチームに関するスキルに分類されています。確かに、「データを収集して分析して表現して、意思決定する」という流れに沿っていると思います。
もっとも、この6種類に分類できない「それ以外」も、「行動規範」「専門家の判断」「脅威への戦略」といったようにかなり多くあります。このように、小さな変更もいろいろと工夫されているのが第6版である、といえそうです。
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