oViceで社内懇親会を開催したところ95%の参加者が「良い」と回答
こんにちは。
ラーニングサービステクニカルトレーニング1部 プロトタイプビルダーの山下です。
プロトタイプというと仮説検証です。
ということでoViceというサービスを使用して懇親会を開催しました。
オンライン懇親会でリモートワーク環境でのコミュニケーション課題が解決できるかどうかの仮説検証です。
ただ飲みたいだけではありません。
まじめに仮説検証です。
うそです。
わいわいがやがやしたかっただけです。
リモートワークの課題
「話し声が聞こえず、社内の雰囲気が分からない」
「姿が見えず、様子が分かりにくい」
リモートワークが開始されてからこのような意見が社内外から少なからず聞こえてきました。
先日社内でリモートワークについてのアンケートがありまして、その結果を見る限りでは、当社も例外ではなかったようです。
しかし、これはもしかしたらリモートワークによって表面化した潜在的な課題だったのかもしれません。
私は今の仕事を始めてから主な職場は教室やお客様先でした。
コミュニケーションは主に社内SNS、メール、チャット、ビデオミーティングでした。
ですので、オフィスで何が行われているのかはわかりませんでしたが、幸いなことに気軽に社内SNSなどでやり取りできる人がまわりにおられたり、たまにオフィスに行くタイミングで効率よく声がけいただいたりしたので、非常に助かっていました。
オフィスと私の橋渡しのようにふるまっていただいた方々のおかげです。
業務面での橋渡しをしていただける方もいれば、アフターファイブ(古い表現)での橋渡しをしていただける方や、私が面識のない従業員に私のことを友人代表のようにお話していただける方もいました。
ですが、多くの従業員がリモートワークになったときに、このような橋渡しをしてくれる人が必ずいるとは限りません。
そこで起こることは、「意図した情報しか得られない」ということです。
私の場合は先述のとおり何もしなくてもインプット、アウトプットを流していただける方がまわりにおられましたし、元々リモートワークのようなものなのであまり困ることもありませんでした。
ですが、そうではない方もおられます。
「意図した情報」は「認識している必要性」によって取得したり発信したりします。
「必要性の認識」がない情報は、その人からの取得もなければ、その人に向けての発信もされません。
その理由としては、「お忙しいところ仕事に関係ないことを聞くのは申し訳ない」や「要らないかもしれない人に余計な情報を連絡するべきではない」という「思いやり」や「優しさ」から発生しているように思います。
「必要性の認識」を正しく持つことは可能でしょうか。
私が、明日、1時間後、5分後、1秒後の未来に考えている思考は、そこまでに収集した情報がベースになりますが、その思考を予測して情報を集めることなど私には到底できません。
そこまでの情報による「気づき」が思考を180度変えることもあります。
何をしても同じ思考でしかないことは、同じところをぐるぐるまわるだけになり、個人も組織も成長を止めることになるかもしれません。
シンプルに考えて素になる情報は多いほうが、私の思考に選択肢を与えますし、私の思考に刺激を与えます。
「必要性を認識していない」「意図しない情報」こそが私の成長につながると考えます。
この「意図しない情報」はどこから得られるかというと、「意図しない対談」=「雑談」です。
リモートワークになり、「声が聞こえない」「姿が見えない」ことで「雑談」に高い壁ができました。
友達の従業員とは息抜きに、タイミングをはかって話せるかもしれません。
友達ではない従業員同士ではどうでしょうか?
業務上の理由もなくいきなり声をかけることなど、なかなかできません。
そして友達ではない従業員と友達になるきっかけは減っています。
ルーティン業務でお世話になってる人に「いつもありがとうございます。」と言いたいとしてもそれだけのために、会議招集するでしょうか?チャットで「今いいですか?」と声をかけるのでしょうか?
恐らくそうはせずに、何かで話すことがあればそのついでに感謝を伝えるのではないでしょうか。
オフィスでは出勤のついでやコーヒーを淹れに行くついでに、感謝だけ伝えられるでしょう。
感謝の言葉を伝えたことで雑談が始まることもあるでしょう。
そこから実は関係のあるお話が聞こえてくることもあるかもしれません。
「雑談」によって「意図しない情報」を得ることが私にとってはものすごく価値のあることです。
「声が聞こえない」「姿が見えない」ことを解決し、「雑談」を促進するサービスが昨年から今年にかけて様々リリースされました。
そのうちの1つがoViceでした。
oViceとは
oViceとはoVice株式会社が提供するバーチャルスペースサービスです。
アバターを操作して、近づくだけで声をかけることのできるバーチャルスペースです。
Chromeブラウザなどインターネット環境があれば使用できます。
向きを変えることで聞こえ方が変わるので、リアルに近い立ち話ができます。
会話には参加しなくても、近づいて聞き耳を立てることもできます。
オープンな場での会話によって、建設的な意見を元にした雑談が発生します。
スペースは多種多様な背景から選択することができます。
背景画像のようにオリジナル画像も使用することができますので、独自なレイアウトを施すこともできます。
固定オブエジェクト機能によって掲示板のようなものも表示できます。
ミーティング、動画共有、画面共有、メガフォンなどニーズに応じた様々な機能もあります。
そして、今回懇親会に採用した大きな理由の一つは「コスト」です。
仮説検証のために高額なコストではなかなか話が前に進みません。
oViceには2021年4月1日時点で定期利用、単発利用の2種類の料金プランがあり、今回トレノケートでは単発利用プランを申し込みました。
10,000円/週で同時接続ユーザー数は200人まで利用できます。
懇親会プログラム
開催した懇親会プログラムと概要です。
概要
開催日: 2020年3月25日
開催時間: 19:00~20:30
参加人数: 約50名
事前説明: メールと会議招集、独自作成の操作方法配布
飲食経費: 2,000円/人 各自購入
イベント: 開会閉会の挨拶、テーマトーク
懇親会の目的
案内メールに書いた目的をそのまま掲載します。
「2020年以降、オンライン化、リモートワーク化が進む中で、従業員同士のコミュニケーションの機会が減った、コミュニケーションが難しいと感じている方もいらっしゃるかと思います。
今回使うoViceは、「リモートでも雑談しやすいツール」です。
このツールで会話し、少しでも社内の知り合いを増やす機会となれば幸いです。」
工夫した点
操作方法
必要最小限の操作方法だけを抜き出して使用開始をやりやすくしました。
操作方法の最初に懇親会そのものの目的を明記しました。
会場の開放
当日ではなく、3日前より会場を開放していつでも試せるようにしました。
司会
メガフォン機能ではなく、顔を出すためにミーティング機能の範囲を拡げてスペース内どこにいても顔と声が聞こえるようにして司会しました。
司会をするタイミング以外はミーティング機能をオフにして雑談のじゃまにならないようにしました。
上のイメージでは、ミーティング機能でカメラをONにしています。
ミーティングの範囲倍率を変えることができまして、上のイメージでは4倍です。
これを16倍などにすれば、スペース全体に顔と声を届けることができます。
開会閉会の挨拶とテーマトークを発表する司会はこの機能を使いました。
(この写真は説明のために撮影した写真です。)
テーマトーク
雑談が進むように3つのテーマを用意し、時間を切ってそれぞれ提示して会話してもらいました。
1と2のテーマでは集まる場所をわかりやすくするために固定オブエジェクトを使ってアイコンや案内板を置きました。
1. 飲食物を購入したお店
お店のアイコンを配置して、アイコンの近くに集まるようにアナウンスしました。
2. 今飲んでるのはアルコール?orノンアルコール?
道を挟んで上と下で、最大5人まででトークしてもらうようにアナウンスしました。
(こちらも会場準備のときの写真です。)
3. 自由に好きなものについてフリートーク
ここまでくると、みなさん操作にも慣れられたのかいい感じで雑談されていました。
(こちらは当日の写真です。)
みなさんがチャット機能で何かを書くと吹き出しのように表示されるのも面白かったです。
(この写真は閉会のときの写真です。方方から感謝のチャットをいただいて嬉しかったです。)
アンケート結果
回答数: 44
アンケートは2つの問いにしました。
1. このようなバーチャルオフィスを使用したコミュニケーション手段についての感想を教えて下さい。
44中42ですので95%の回答が「良い」でした。
2. 1の選択をした理由のフィードバックをお願いします。
フリーテキストですので、私が勝手に2つのカテゴリに分けました。
【oViceで懇親会を行った感想】
- 声だけでも割と成立するんだと思いました。
- 人の雑談が聞こえてくるのが良いと思いました。
- ぱっと話せるのが素敵でした。
- わざわざMtgをセットする必要がなく、ちょっとだけ話したい、がやりやすいです。
- ちょっとしたコミュニケーションの場に丁度いい。
- いちいちTeamsを開かなくても話しかけにいきやすいです。
- オフィスでは会議室に限りがありますし、Teamsなどは会議を設定するのが手間なのでとても便利かと思います。
- かたぐるしさがない。
- お名前は知っているけれどお話ししたことがない方とお話しできて、とても楽しかったです。趣味の話など新たな一面を知ることができ、今後お会いした時にも話が広がりそうだと思いました。
- ふらっとおしゃべりできて良いです。ただ、会話から抜けるタイミングがちょっと難しい(自分の様子も、相手の様子もお互い分からなくて察することができないからかも)
- 面白い体験でした。ありがとうございました。ただ、このスペースに入ってと言われなければ入らないなと思いました。
- いつでも話しかけることができるのは便利。仕事の会議とは違って気軽に雑談できるのは良いと思います。リモートワークでなかなか直接会えないということもあり、オンラインでこういったコミュニケーションが取れることで、リアルで会った時にも話が弾みそうです。
- 大人数でも集まれるのは良いですね。ただ、これまでの興味がある人だけが数人入っている時と比べるとチャットの反応が遅かったり、声が聞こえる方向の調整がうまくできない等が出てきたような印象があります。
- ZoomやTeamsのミーティングは会話しなければいけない、ミーティングが強制される雰囲気がありますが、oViceはゆるいコミュニケーションができそうで良さそうだと感じました。
- これまでのZoom飲み会とは違って、パーティー会場にいる気分でコミュニケーションできるのはとても有意義に感じました。
- リモートワークになって普段話しにくい人達とも話せたので良かったです。
- 多数の人が同時に参加して、それぞれに話が出来るのがとても良いですね。オンラインなのに現実の立食パーティーのような雰囲気で話せるのはなかなか良いシステムだと思いました。これからも時々開催されると、社員同士の繋がりの強化に役立ちそうです。
- いろんな方と交流ができてよかったです。個人的なチャットはteamsと、複数使い分けるのが少しなれが必要だと思いますが、小さいことでも聞きやすくなるのではないかと感じました。
- 任意の方と集まって話がしやすい。かつ、その人たちとだけで、顔を見せながら会話ができる。
- 今回のようにフラットに話しかけることが出来るタイミングでの使用であれば良いと感じました。ただ表情が分からないので、相変わらず本部長以上の方には話しかけにくいし、ネタを選ぶ状況だと個人的に思いました。
- 懇親会ですが、日頃話さないような方や代表と話をする機会があったのは良かったです。物理場所が無関係なところはいいですね。声だけだとコミュニケーションは難しい(顔の表情やしぐさというnon-verbal なコミュニケーションは楽だし大事)、近くにいる人(声が届く範囲の人)の顔がでるのがデフォルトになるとうれしいです。なお、グループで顔を出しながら話をしている(ミーティング中)は、当たり前ですが他のミーティングがカットされてしまい、終了時の挨拶が聞けませんでした。
- 入社したばかりなので、皆さんとはまだかかわる機会がなく、初めてお話しする方も多かったです。社長が話しかけにきてくださったのも嬉しかったです。
- リモートワーク中心になった結果、業務以外の雑談をする機会が減っており、よい機会になったと思います。
- 立食パーティーのような形式で移動もしやすく、コミュニケーションもスムーズにとれたので大満足です。ぜひ今後も定期的に開催していただきたいです。
- 実際に同じ場所にいる感覚だったので、話したい人とすぐに話せた。
- 今回は短時間での話題変更、自由に移動できる、的確な仕切り、のおかげで気軽に雑談できました。ですが、やはり普段対面で話していない方と新たなコミュニケーションが生まれる、というのは難しかったです。(ここで会話できる人とはTeamsでもメールでもコミュニケーションが取れている)ただ回を重ねることで話したことのない方との会話の機会も増えることが期待できますので、今回のような形で月に一度とか定期的に懇親会を行うのは効果的と思います。
- 新しいツールを体験でき楽しかったです。
- 最近話できていなかった方々とお話しできたのは良かったし、業務でも使えるのではないかと思いました。
- 気軽に話しかけられるので良かった。昨年度以降に入社された方とコミュニケーションを十分に取れていないため、こういった機会を増やしていただけると嬉しいです。
【使用するタイミングや頻度、仕事利用など】
- 朝会・昼会・夕会など時間を決めて使えるとよいかもと思いました!
- 今回のように時間帯や司会進行があると話しやすい。オフィスの代替として常時滞在が基本となると、チャットやオンライン会議に加えてさらに使い分けが複雑になりそうな気もします。
- 懇親会のようなイベントで使うのは大賛成です。コロナ関係なく子供の年齢の関係で早く帰らないといけないことが多いので自宅から飲み会に参加できるのはいいですね。普段の業務で参加が義務化されるようなことは無いほうがうれしいです。場所がオープンされていて、雑談とか誰かに質問に来る場所としてあるととてもいいなと思いました。
- いつでも話しかけられる点はいいですが、他にもTeams、メールがある中でのツール起動に負担を感じますので、昼休みに可能な人は参加する形態がいいかもしれません。会場は広すぎました。50-60名位であれば、今回の 1/3 ~ 1/4 位の大きさのほうが、否が応でも話をする機会が増えると思います。
- 他の人との雑談が仕事に役に立つのであり。
- ちょっと聞けば解決しそうなことを聞ける場所が欲しかったのでよさそう。
- ちょっとした個別の感謝を伝えるときとかによさそう。
- 雑に相談できる場がほしかった。
- いつでも話しかけることができるのは便利。
- 朝/終業時の挨拶ぐらいできたほうがいいと思っていたのであり。
- 物理的な距離(東京、大阪、名古屋、アジア、米国、他)を超えて気軽にコミュニケーションできるのはうれしい。
- 普段リモート勤務の相手が物理的に見えないので、話しかけてよいのかわかりづらいと声がありましたが、こういった会の中では全員オープンなので話しかけやすいと思いました。新入社員からのフィードバックで、声で誰が話しているか判断できなかったようですので、毎回発言の前に必ず名前を言うのを徹底するか、アイコンが光るなどあったらわかりやすいかな。と思いました。
- 日常的には不要、今回のように年次のイベントの選択肢が増えるぐらいでOK。
- 出入り自由にして使いたい時だけ使えば良いと思う。
- オフィスのようにちょっと話しかけて、解決するのはよい。
- 本当に息抜き的に雑談ができるのがよい(できたらよい)。
- Zoomは、BOするしか小グループでの会話ができないが、oViceであれば、あそこにいる!と近づいていくなど、個人の動きに自由度がある。
- ブラウザをすぐ閉じてしまうので、何度も入り直さないといけないのが面倒。
- 終日Zoomでつないでいるよりは、うんとよい。
- アクセスすることを必須とされると抵抗を感じる。
- よければ使ってね!くらいがちょうどよい。
- ZoomやTeamsで時間を決めてオンライン会議をするのと比べると身構えのハードルは下がって良いのかなと思います。「他の人の雑談が仕事に役に立つのであり」←まさにこれだと思うので、会話が聞き取れる範囲はあらかじめもっと広い方が個人的には良いと感じました。
- 今回の懇親会のようなパターンだけでなく、通常の業務時間でも、ちょっと雑談するような場所として使えると面白いのではないかと思いました。
- 通常のオンライン(ZOOMやTeams)は会議感が出ますが、より自然な会話が出来るという点ではとてもよかったと思います。カメラ無しでも充分に楽しめました。使い方としては、他の社員とのコミュニケーションの場に使いたいと思いました。もっとこうだったらよかったな。という点では、今回のように大勢が集まる場では、アイコンが重なっていると、名前が見えにくいので、誰がいるのか分からないこと位です。
- 今回のような任意参加のイベントで使うのは賛成、業務での利用を想定しているのであれば要検討かと思います。
- 業務で使うにはカジュアルで適さないと思います。話したい時にその人が参加しているとも限りませんし、業務利用にはTeamsのように非同期でも利用が可能で、記録に残るものが必要と考えます。あまりツールを増やすよりTeamsをより活用できるように工夫するほうが効果的と思います(チームやチャネルの構成を見直す、運用ルールを徹底するなど。新機能もあるようなのでもっと使いこなしたいです)
- 息抜きになる。誰かと会話したい!と思ったときに気楽に利用できる
まとめ
私は当初、オフィスの代わりとして「常にいる」状態が作られれば、全員が全員に気軽に声をかけることができ、もしかしたら今発生している課題の解決に近づくのではと考えていました。
ですが、そもそも私のようにほとんどオフィスにいない人もいますし、仕事内容や性格やライフスタイルによっても働き方は様々です。
使いたいときに使うことのできる選択肢として各チームが活用できる場所があればいいのではないかと考えました。
今後
以下の利用方法での継続利用を今後の提案とします。
同時接続50名までのプラン(5,000/月)で定期利用。
スペースは従業員が自由に使ったり他社の人を招いてのミーティングも可能なオープンスペースとしての位置付けにする。
1on1や朝会、夕会、イベント打ち上げ、反省会などで自由に利用可能。
他の人の打ち合わせやミーティングを覗いたり聞くのは自由。
趣味の交流の場として使うのも自由。
セミナーイベント後のAsk the Speakerの場や参加者さんとの懇親会にも利用可能。