新入社員研修でのほろ苦い経験と、そこから学んだこと
新入社員研修と言えば、ほろ苦い経験が今も記憶に残っている。
交通トラブル
研修開始数日後の朝、私はトラブルに見舞われた。
早朝に大きな事故があり、自宅から会場に行くまでの公共交通機関が全てストップしてしまったのである。復旧まで数時間かかるため、研修開始時間に到着するのは不可能。その為、私は会社に電話した。つながった電話の先は人事の方だったので話は早い。事情を説明し、遅刻を了承して頂いた。復旧後、満員電車の中、2時間程、遅れて会場に入った。
そんなつもりはないのに
会場に入り、講師に挨拶をして席に着こうとしたら、以下のような言葉をかけられた。
「このように遅れてくると他の人にも迷惑をかける。あなたの時間はあなただけの時間ではないのだ。わかっているのか?」
言葉を失った。遅刻した理由は不可抗力だし、遅れることは予め人事に了承してもらっている。また遅れた原因は交通機関のトラブルだから責められるのは私ではなく交通機関ではないだろうか。
理不尽から学ぶ
このエピソード以降、私は暫く研修に身が入らなかった。自分を否定され、憤った日々が続いた。
しかし今、冷静に考えると、社会生活においてこのエピソード以上の理不尽を経験することは少なくない。
結局、トラブルが起こった時は、例え自分に非がなくても、当事者になっている以上、怒りを相手に向けるのではなく、しなやかにダメージを回避する方向に意識を持って行ったほうが良いということを理解した。事実、このエピソードはその後の私の行動規範につながっている。例えば初めての訪問先は出来るだけ下準備し、遅刻しないように行動するというのはこの時の経験がなければ定着しなかっただろう。
また、当時の私の対応も改善可能だったかも知れない。会社に電話をした時も人事につながったというだけで安心せずに、研修の講師にも事情を伝えてくださいと確認、依頼を入れるとか、タクシーなどの利用の可否を確認するなどすれば軽減出来た可能性があったかも知れない。
大切なのは自分を大切にする方法と自分の時間
トラブルをゼロにすることは難しい。しかし、減らすこと、軽減することは本人次第でコントロール出来るということは(遠回りではあるが)当時の研修で学べた。
新入社員研修は社会人になる入り口でもあり、多面的に考える場であってもよいと思う。
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