近頃の若者は大変礼儀正しい
新入社員研修といえば、礼儀を知らない若者を相手にするものと決まっていたが、今でもそう思っている人は考えを改めて欲しい。
「新入社員は礼儀を知らない」というウソ
新入社員研修といえば、礼儀を知らない若者を相手にするものと昔から決まっていた。しかし、ここ数年の新入社員を見ると、みな大変礼儀正しい。挨拶もするし、お礼も言う。トラブルがあった場合の連絡は忘れないし、解決したら報告を欠かさない。問題が起きそうな時は適切なタイミングで相談をしてくる。従来の「新入社員」らしくなくて、つまらないくらいだ。
研修受講態度も概ね良好で、講師に対する質問も丁寧である。私が新入社員の頃も、講義は熱心に聞いていたが、それは「ちょっと揚げ足を取ってやろう」と意地悪な見方をしていたからであって、講師に対して敬意を払っていたからではない。
私が講師側に回ってからも、2000年代までは挑戦的な受講者が多かったように思う。もちろん、数としてはそれほど多くないが、講師を試すような受講者が毎年何人かはいたものである。
そういう受講者は、もう何年も見ていない。本当に良かった。皆さん、新入社員時代からもう「大人」の自覚を持っているようで、大変結構なことである。
「新入社員は礼儀を知らない」という事実
もちろん、新入社員が知らないことも多い。単に「知らない」だけなので、教えれば済む話である。そもそも会社社会には謎のルールが大量にある。学生時代に覚えておけという方が無理である。社会人になって30年をとうに超えた私でも知らないことがたくさんある(それは社会人としてどうかという気もするが)。
たとえば「お疲れ様」と「ご苦労様」。
一般には「ご苦労様」は目上から目下に使うとされているが、本来はそういう使い分けは存在しない。映画では、ヤクザの親分が刑務所から出所したとき、子分から「お勤め、ご苦労様でした」と言われるシーンがよくある。明らかに目下から目上への挨拶である。(組織内での)上下関係を重視する組織でも使い分けてはいないのだ。
また、「貴社」と「御社」は書き言葉と話し言葉で使い分けるのがマナーらしいが、私は覚えていない(今調べたら、話し言葉が「御社」だそうだ)。辞書的な意味は同じなのに(さっき、広辞苑を引いた)、社会人だけに通じる秘密の使い分けを、どうやって習得するのであろうか。
社名に「様」を付けるのも比較的最近の習慣らしく、昭和1桁生まれの方が「人間じゃないのだから、社名に様を付けるなんておかしいだろ」とぼやいていた。
もちろん、無駄なトラブルを避けるためには、こうした特殊な習慣は知っておくべきだろう。新入社員研修期間中に習得したいものである。
もっとも、近頃の新入社員が持つ高いコミュニケーション能力をもってすれば、少々の誤用があっても円滑にビジネスを進行できるのかもしれない。どこで習ってきたのか、教えてほしいものである。
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