研修会社の講師向け勉強会~時代に合わせた新入社員研修の実施のために~
勉強会での一コマ
「発達障害には、障害という単語が使われていますが、原語は disorder で、不調というようなニュアンスです。また、健常か疾患かといった観点でとらえるのではなく、私たちはみな、スペクトラムのなかのどこかにいるだけなのです」
これは、トレノケートの社内勉強会で、講師としてお招きした法政大学キャリアデザイン学部の廣川進教授(臨床心理士、公認心理師)からご教授いただいた内容の一部です。
講師向け勉強会のねらい
当社では、毎年、新入社員研修を担当する講師を対象として「講師向け勉強会」を行っています。これは、通常の社会人向け研修と新入社員研修では、性質が異なる部分があることから始めた取り組みの1つです。
トレノケートでは、新入社員研修における講師の役割は、社会人としてのマインドチェンジを促すことや、基礎的な社会人スキルを向上させることにあると考えています。
新入社員の状況は、お客様の企業ごとや年度ごとに変化します。講師にはこれらにうまく対応できる力が求められることから、講師向けの勉強会を開催するようにしています。
外部の専門家から学ぶ内容とは
講師向け勉強会を開催するにあたり、新入社員世代が育ってきた背景、世代の特性・傾向を把握しておくことは重要だと考えています。
そのひとつの取り組みとして、メンタル面での対応力を向上させるテーマを設定し、専門家である廣川教授から「20代のメンタル傾向」「メンタル不調の傾向がみられる新入社員にどう対応するか」を学ぶことにしました。
新入社員は、学生から社会人への転換で、多くの不安を抱いたり、生活リズムが変化したりで、心身に影響が出たりすることもあります。
- 朝早く起きるようになって生活のリズムが崩れがち
- 誰も知り合いのいないところに出てきて、0から人間関係を作るのが不安
- プログラミングの学習についていけるかな……
新入社員は色々な不安を抱えて研修に参加しています。このようなときに、講師がどう接するか、研修会社がどう対応するかを考えておくことは、大切なことだと考えています。
さらに、鬱、適応障害、発達障害、グレーゾーンに関する基礎知識も講師が得ておくことで、新入社員研修期間中、講師が落ち着いて対応し、少しでも適切な指導をすることができるだろうと考えるようになりました。
その勉強会のなかで特に印象的だったのが、冒頭でお伝えした「健常か疾患かということではなく、私たちはすべてスペクトラムのなかのどこかにいると捉える」ということです。
勉強会のなかで、たとえば下記のような具体的な対応方法も数多く学びました。
- 本人が混乱を起こしにくいように、話す順序、伝え方、場所を整理してから伝える
- 小さめの部屋で情報をいったん遮断するなど、一人になれるスペースを確保しておく
- 没頭しすぎる人に対しては、過集中は仕事効率がよくないことを伝え、タイマーなどを使ってオン/オフの習慣づけを行う
勉強会の内容を全社員が学ぶ
勉強会での学びを通じて、人には様々な傾向・特性があり、お互いに理解しあって対応していくことが大切だと、改めて気づかされました。
新入社員研修に関連する勉強会ではありましたが、ダイバーシティについてもたくさんの気づきが得られる勉強会で、全社員が知っておいたほうがよいということになりました。
そのため、同じ内容の勉強会を複数回開催し、講師以外の社員も受講しました。
これまでに、全社員のうち8割以上が受講しています。
勉強会の内容にご興味がある方へ
廣川教授から学ぶ勉強会の内容は、トレノケートが新入社員研修を担当するお客様向けのセミナーとして開催を検討中です。ご興味がある方がいらっしゃいましたら、弊社担当営業へお問合せください。
法政大学キャリアデザイン学部 廣川進教授
公認心理師 臨床心理士 シニア産業カウンセラー 国家資格キャリアコンサルタント
日本産業カウンセリング学会会長 1959年生まれ
ベネッセコーポレーションで編集や人事の担当として18年勤務の後、現在は大学教員の他、企業のメンタルヘルス、キャリア開発のコンサルタントとして研修会講師なども実施。
トレノケートの新入社員研修
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