DX推進アドバイザーとは?DXアドバイザーとの違いもあわせて解説
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進とあわせ、関連資格や職種への注目が高まっています。DXはデジタル技術と経営への理解が求められるため、スキルアップの一環として資格を取得することもおすすめです。
本記事ではDXに関連する資格や職種の中でもDX推進アドバイザーとDXアドバイザーについて解説します。混同されがちな両者ですが主催団体が異なり、また目的が若干異なるため特徴をおさえましょう。
※参考・引用:
DX推進アドバイザー認定試験
DXアドバイザー検定
DX推進 アドバイザーとは?
はじめにDX推進アドバイザーについて解説します。
「一般財団法人全日本情報学習振興協会」主催のDX推進アドバイザー認定試験に合格するとDX推進アドバイザーとして活躍できたり、DXに関するアドバイスを行えるようになったりします。
ここからはDX推進アドバイザーが目指す人材のあり方や試験の概要を解説します。
DX推進 アドバイザーの概要
DX推進アドバイザーの検定における目的は下記の4つです。
1.DXの現状を知る
2.企業やビジネスを変えるためのデジタル技術を多面的に学ぶ
3.トランスフォーメーションを推進するにはどのような人材や方法論が必要かを学ぶ
4.DXを推進しようとする企業や担当者などとDX実現に向けて議論し、アドバイスできる人材を目指す
DXの最新情報を把握したりICTやビッグデータなどあらゆる技術や情報の扱い方を取得したりして、企業でDX人材としてアドバイスできる人材の養成を目的としています。
なお、検定試験は90分の試験時間で100問に回答し、正答率70%以上で合格です。試験は全国にある会場で受験する他、オンライン受験もあります。
DX推進アドバイザーが企業にもたらすメリット
DX推進アドバイザー検定に合格した人を採用したり社内で育成したりすると、自社のDX推進に寄与します。試験対策を通じてAIやビッグデータ、IOTやクラウドなど最新のデジタル技術への基礎的な知識を習得できるため、これまで知識不足からツールの導入を見送っていた企業が、業務効率化の一歩を踏み出せる可能性があります。
DX推進アドバイザーの獲得は、これまでDXに取り組んでいなかった企業が改革に取り組むきっかけを与えてくれます。
※参考・引用:
DX推進アドバイザー認定試験
DXアドバイザーとは?
ここではDX推進アドバイザーと混同される機会が多い「DXアドバイザー」について解説します。
DXアドバイザー の概要
DXアドバイザー検定は、実用的な学びが特徴的です。DXの基礎的な知識だけではなく、ITリテラシーや個人情報・情報セキュリティなど、企業がDX実務推進を行う際に知りたいクリアすべき事項も網羅した内容が問われるため、より実務に近い形式で理解を深められます。
人物像としてはデジタル技術を活用(デジタイゼーション)できた上で、業務や組織のあり方に変革をもたらすデジタライゼーションに繋げられる知識を一部保有できる状態を目指します。
検定試験は90分の試験時間で80問に回答し、正答率70%以上が合格です。試験は全国各地にあるテストセンター で受験し、試験終了後にその場でスコアを確認できる点が特徴的です。
DXアドバイザーが企業にもたらすメリット
DXアドバイザーを自社で獲得すると、DX推進アドバイザー同様にDX推進に踏み出せるメリットがあります。DXアドバイザーの資格を保有した人材が主導となり業務プロセスの刷新を行ったり組織のあり方に切り込んでいったりすると、資格を持たない人と比較して説得力が高まります。
とくに、社内の人材のみでDXを推進する場合「あの人はDX人材に抜擢されたけれど、デジタルに強い印象はない。任せても大丈夫なのか。」とネガティブな声があがる可能性もあるでしょう。しかし、有資格者がDX推進をリードするなら、スキルを可視化しているため言動の説得力が増します。
※参考・引用:DXアドバイザー検定
【参考】DXコンサルも存在する
DX推進アドバイザーとDXアドバイザーだけでなく、DXコンサルという仕事もあります。DXコンサルは資格の有無は問わないものの、企業のDXを外から支援する役割を担います。DXコンサルは資格ではなく、職種のひとつのため、フリーランスとして活動しているパターンとコンサル会社として機能しているパターンが挙げられます。いずれにせよ、DXコンサルは自社のDX推進を外側からサポートする役割を担います。
DX推進アドバイザーやDXアドバイザーは外部からの採用だけでなく、社内で育成できる点がDXコンサルと異なる点です。
なぜDX推進アドバイザーやDXアドバイザーが
求められるのか?
DX推進アドバイザーやDXアドバイザーは企業のDX推進をサポートする人材ですが、「なぜ検定を実施するほどに需要が見込まれるのか」と疑問に思う方もいるでしょう。ここからはDXへの知見を持つアドバイザーを企業が求める理由を2つ紹介します。
DXがまだ広く知られていないため
第一に、DXが広く知られていない点が挙げられます。DXは2018年 に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」を発表したことをきっかけとして、補助金や税金の優遇措置など具体的な取り組みが進んでいます。
大企業や情報感度の高い企業の場合はDXの推進を積極的に進められますが、中小規模の企業ではDX推進の人材育成が難しかったりDXまで手が回らなかったりという現状があります。
しかし、デジタル技術を活用しなければ「企業競争で不利になる」という危機感から「育成はできなくても、外部からDXに詳しい人材を採用しよう」という取り組みが見られます。そこで求められるのがDX推進アドバイザーやDXアドバイザーなどの資格を持った人材です。
DX人材が不足しているため
企業によっては「DX人材を採用したり育成したりして、デジタル化が進んでいない現状を打破したい」と考えます。DXは企業のあり方を抜本的に変える取り組みのため、費用や労力など痛みを伴いますが、成果を出す企業も多く見られます。実際に経済産業省がとりまとめた資料では、多くの業界においてDXに成功した事例を確認できます。
しかしDXの推進ができる人材の育成や選定がなかなか難しいというケースも多いことでしょう。DX推進を任せられる人材を選ぶ基準としてDX推進アドバイザーやDXアドバイザーなど、資格の有無が役立ちます。
DX関連のアドバイザーはどうやって獲得する?
DX推進を考える企業にとってDX人材の獲得は急務です。どれだけ予算を準備していてもふさわしい人材がいなければ推進が難しくなります。
しかし、実際に人材獲得に向けて動き出すとどのように探せばいいか迷います。ここではDX関連の知見を持つ人材を獲得する方法を2つ紹介します。
外部に依頼する
1つ目は外部のアドバイザーに依頼する方法です。これまで紹介したDX推進アドバイザーやDXアドバイザーが所属するコンサル会社にサポートを依頼したり、フリーランスで活躍する人材に依頼したりする方法が挙げられます。
ただし、外部に依頼する場合はコンサル料として費用が発生するため事前に見積もりを取ったり社内で予算を検討したりなどの対応が必要です。また、外部に依頼する場合、導入するノウハウやシステムが社内文化や風土に合わない可能性があります。ミスマッチを防ぐためにはコンサル会社と密にコミュニケーションを取ることが大切です。
社内で育成する
2つ目はDX人材を社内で育成する方法です。DX推進アドバイザーやDXアドバイザーなどの資格を社員が取得し、DX人材として育てていく方法があります。
社内でDX人材を育成する場合、戦力になるまで時間がかかり、かつ教育に費用がかかりますが、文化・風土を理解した上でDXに取り組めるため、ビジョンやパーパスなどに連動した取り組みが可能です。社内で育成する場合は人材育成ソリューションを活用する方法があります。
DX人材を社内で育成するならトレノケート
社内でDX人材を育成する場合、トレノケートの「DX人材育成ソリューション」がおすすめです。人材育成専門企業として培ったノウハウをふんだんに盛り込んだパッケージのため、社内で活躍できるDX人材の育成を目指せます。
ここではトレノケートの「DX人材育成ソリューション」について4つの特徴を紹介します。
専任のプロフェッショナルが育成期間を徹底サポート
トレノケートでは人材育成を各分野のプロフェッショナルが担当します。これまで1,500を超える研修を取り扱ってきましたが、いずれも各分野への知識と豊富な経験を持った人材がサポートします。
学習スタイルの選択肢を複数ご用意
トレノケートでは学習スタイルをオンラインと対面の研修、eラーニングなどから選択可能です。働きながら学習する場合、さまざまな環境や都合に合わせる必要があります。トレノケートの人材育成では最適な日程や場所、学習スタイルを選択し、一人ひとりに効率的な学習方法を提案します。
業務に知識を落とし込むサポート
トレノケートではただ研修を受講するだけでなく、DXにかかわる従業員への動機づけや実践の機会提案など、社内の育成体系までアドバイス可能です。DXは知識を蓄えた上で実践に落とし込む必要があります。しかし、どれだけDX人材が力をつけても社内に受け入れ体制がなければ力を発揮できません。トレノケートではDX推進を人材育成から業務に落とし込み社内に広げる育成体系までサポートします。
DXへの学びを網羅的に行うためDX推進アドバイザーの資格勉強にもおすすめ
トレノケートのDX人材育成ソリューションではすべてのビジネスパーソンが知っておきたいDXリテラシーを始めとし、さまざまな分野を網羅するため、学び終えた後にDX推進アドバイザーの合格を目指す方にもおすすめです。
学習した成果は自分の中で知識として蓄えられていても、目に見える形として実業務であらわれるまでには時間がかかります。しかし、DX推進アドバイザーとして合格した実績を持っていると自分の自信につながる可能性があります。
社内でDX人材を育成する注意点
ここからは社内でDX人材を育成する際に注意したいポイントを2つ紹介します。
人材育成の手段は適切か
社内でDX人材を育成する場合、0からのスタートになることもあります。そのため育成手段やスケジュールに見通しを持ち、段取りよく進めることが大切です。人材育成の手段はさまざまで、対象の従業員にDX人材の育成研修に参加してもらったり、日々eラーニングで学んでもらったりがあります。
従業員は業務の傍らでDX人材として研修や学習に励むため、本人にとって適切な手段を検討しましょう。
学習内容だけでなく実践まで見通しているか
DX人材を育成する場合、デジタルの基礎的な用語や各種ツールの扱い方、業務への導入方法などを学びますが、学習だけにとどまらず実践まで行かせる教材や研修であるかの確認が大切です。
ただ与えられたカリキュラムをクリアすることや資格取得だけを目指すと企業に貢献できる人材にはなりません。本人に「自分がDXを率いていく」という意思を持ってもらうことはもちろん、知識を実業務まで落とし込めるサポートがついたパッケージの利用を検討しましょう。
まとめ
DX推進アドバイザーやDXアドバイザーはいずれもDX人材を可視化するためにおすすめの資格の1つです。外部からDX人材を登用する場合も資格を持っていることで、安心して業務を任せられたりアドバイスを受けたりできます。さらに、資格は学習した成果を証明するためにも有効です。自社にあった人材育成ツールを活用し、従業員が学んだ後に資格に挑戦すると目的意識を強く持てたり、モチベーションを維持がしやすくなったりする効果も期待できます。
DX人材の育成にお悩みの場合はトレノケートにご相談ください。トレノケートでは長年人材育成に携わってきた実績と、IT技術の進歩に教育面から携わってきたノウハウを活かし、DX人材の育成サポートを行います。自社でDX人材を育成したい、DXを推進したいと考えた場合は相談室までお気軽にお問い合わせください。