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球種(スキル)を増やしてマルチスキルな人材に

大谷翔平選手の活躍を見るのが楽しみ、という方も多いのではないでしょうか。私もその一人で、毎日ニュースや動画でハイライト映像を見ては、「うぉー」「すごい」といった驚きの声をあげています。この記事を書いている日の前日は投打のリアル二刀流で出場し、投げては勝利投手、打っては2本のホームランという大活躍でした。
私は子供のころから40年以上野球を見ていますが、プロ野球の世界でピッチャーとバッターの両方を常にする選手は見たことがありません。昨今では、ピッチャーでは先発、中継ぎ、抑え、バッターではホームランバッター、アベレージヒッター、足の速い選手などと役割を明確にして分業することが主流です。今後、大谷選手の出現により、この流れがどう変わるのかも私の注目する点のひとつです。

IT人材はマルチスキル化

では、IT関連の業務はどうでしょうか。
20年以上前は、ホスト担当、サーバー担当、ネットワーク担当、開発担当、運用担当など、役割で分業することが主流で、スキルもその担当で必要なスキルを有していればよいという風潮があったと感じます。
しかし、少し前からは“マルチスキル人材”の必要性が注目されるようになり、例えばネットワーク担当にもプログラミングスキルが必要、開発担当にもインフラスキルが必要、という声が聞かれるようになりました。さらに、クラウド・コンピューティングが広まってきた現代では、複数の分野のスキルを有していることが必要不可欠になってきています。

DXでマルチスキル化が加速

昨今では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進に力を入れる企業が増えてきました。IT・デジタル技術を使ってビジネスや価値を創造することが重要となる中では、これまでITに関わる仕事をしていなかった人がITスキルを持ち、活用することが求められます。
また、ITに関わる仕事に携わるIT人材には、これまで以上に幅広いITのテクニカルスキルに加え、ビジネススキルを高めることも求められます。IT人材のマルチスキル化はますます進んでいくのです。

マルチスキル化を進めるために

人は自分の居場所に安住したいと思う傾向があります。自分の得意分野やこれまで身に付けてきたスキルを使って仕事を続けたいと考える傾向もあります。それ自体は悪いことではありませんが、マルチスキルが必要不可欠な現代ではそれだけで仕事を進めるのは難しくなってきます。他のスキルも並行して高めておき、状況に応じて使い分け、それらを組み合わせて仕事に活かすことがますます求められます。
野球に話を戻すと、大谷選手ほどのマルチスキルは難しくても、ピッチャーであればストレートとフォークボールに加え、スライダーやカットボールなどの球種を増やしておくと、いざという時に打者を抑える選択肢が増えてくるのではないでしょうか。



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DX時代に欠かせないIT人材のリスキリングとは?
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IT人材のためのビジネストレーニング
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都川 信和(みやこがわ のぶかず)

都川 信和(みやこがわ のぶかず)

トレノケート株式会社 講師。国家資格キャリアコンサルタント/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ。SIerにて、システムの開発・運用、データセンター・クラウドサービスの企画・設計、運用コンサルティング、サービス部門・運用部門のマネジメント等、20年間で数多くの現場に幅広い立場で携わってきた経験を持つ。現在は、ビジネススキル研修、ITスキル研修、新入社員研修を担当。 研修では、「受講者の方々が前向きに学ぶことができ、学ぶ意欲を高められるような場づくり」を第一に考え、対話の中で受講者の方が自ら気づき、考えるようなアプローチ、ファシリテーションを得意とする。著書に、トレノケート・田中淳子との共著『ITエンジニアとして生き残るための「対人力」の高め方』(日経BP社)がある。

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