【人材開発用語集】ティーチング(Teaching)
人材開発に関する用語をトレノケートの講師がわかりやすく解説します。
ティーチング(Teaching)
教えること全般を指す。教えることとは、教わる側が「知らないこと」や「知っているが、できないこと」について、教わる側が一人でできるように要点などを教えることである。
このティーチングを効果的に行うためには、教わる側の成熟度を把握しておくことが重要になる。成熟とは、教わる側がその事柄に対して一人でできる度合いを指す。例えば、報告書作成という仕事を最初から最後まで一人で全てできれば、その人は「報告書作成」についての成熟度が高いと言える。もし、何をどのようにすればよいのか自身で判断ができなかったり、部分的にはできるが人に教えてもらわないと完成できなかったりする場合は、成熟度は低いということになる。
一般的にティーチングは成熟度が低い人に向いた手法である。要は「知らないことは、教える」ということだ。このため、既に知っている人やある程度一人でできる人であれば、コーチングという手法が有効である。
コラム
ティーチングとコーチングのバランスを誤ると教わる側の主体性を損なう恐れがあります。
私もかつて、教わる側に丁寧すぎるほど丁寧に教えることがありました。良かれと思ってやっているので、これが逆効果であることをなかなか気づくことができませんでした。
しかし、「丁寧に教える」ことを続けていると徐々に違和感を覚えるようになりました。教わる側がどんな些細なことでも、答えを聞きにくるのです。「〇〇はどうすればいいですか?」「〇〇の時は何からやりますか?」といった具合です。
真に相手の成長を願っているのであれば、ティーチングばかりではなく、相手に考えさせるようなアプローチが必要だと気づきました。そのためには、相手の自立を支援できるコーチングという手法に徐々にシフトしていくことが大切だと思います。教える側から見れば、危なっかしく、心配で仕方ないかもしれませんが、できるようになった相手を見守ることはとても重要だと今ならよく分かります。
文責:山内翼/CPCC(Certified Professional Coactive Coach)
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