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AWSの機械学習サービス一覧を紹介|機械学習で実現できることや学習方法も解説

「AWSの機械学習ってどう始めれば良いの?」
「機械学習について勉強したいけれど、何を学べば良いのかわからない。」

AIや機械学習(ML)プロジェクトに初めて参加する際、上記のような悩みを抱えることは少なくありません。

特に、AWSを利用した機械学習は多機能な反面、どのサービスを使えば良いのか迷う方もいるでしょう。

プロジェクトを成功させるためには、機械学習の基本知識を理解し、AWSが提供するサービスや活用方法を知っておくと便利です。

そこで本記事では、AWSを利用した機械学習の基礎や活用方法、おすすめの勉強方法について詳しく解説します。

本記事を読めば、AWSの機械学習についての悩みが解消し、プロジェクトに貢献できるスキルを身につけられるでしょう。

目次[非表示]

  1. 機械学習とは?
  2. AWSの機械学習について
  3. AWSの機械学習で実現できること
    1. パーソナライズされた商品推薦
    2. パーソナライズされたコンテンツ配信
    3. パーソナライズされた商品推薦
  4. 機械学習(ML)をAWS上で使用するメリット
    1. 簡単に始められる
    2. 運用費用を抑えられる
    3. あらかじめ必要な機能が揃っている
    4. 学習済みモデルが利用できるサービスがある
  5. AWSで提供されている機械学習サービス一覧
  6. AWSで機械学習を使用している事例
    1. Booking.com
    2. Perplexity
    3. Itaú Unibanco
  7. AWS機械学習の勉強方法
    1. プロによる研修
    2. 公式eラーニング
    3. 書籍
  8. AWS機械学習の資格について
  9. AWSの機械学習を学べば大きなスキルアップに!  

機械学習とは?

機械学習とは、大量のデータを基にして、機会(コンピューター)が自動的に学習し、パターンや規則を発見する技術のことです。
 
従来のように人間がプログラムで具体的な手順を指示するのではなく、データをもとにコンピュータが自ら規則や関係性を学びます。

例えば、ネットショッピングで過去の検索履歴をもとにおすすめ商品を自動で提示したり、スマートフォンの画像認識システムなどが機械学習の活用例です。

英語ではMachine Learningと呼ばれ、頭文字を取って「ML」と略される場合もあります。

AWSの機械学習について

AWSの機械学習サービスは、開発者やデータサイエンティストだけでなく、機械学習の専門知識がない人でも簡単に利用できるよう、様々なサービスが用意されています。

例えば、Amazon SageMakerは、機械学習モデルの構築、トレーニング、デプロイを一貫して行えるサービスです。

また、AWSでは、自然言語処理、画像認識、言語翻訳システムなど、特定の領域に特化した機械学習サービスも提供されています。

そのため、AWSの機械学習を活用すれば、自社のビジネスに特化したAIアプリケーションを迅速に開発できるでしょう。

さらに、AWSは無料利用枠も用意しているため、誰でも気軽に機械学習を体験できる点も魅力です。

AWSの機械学習で実現できること

AWSの機械学習で実現できることは、下記の通りです。
  • パーソナライズされた商品推薦
  • パーソナライズされたコンテンツ配信
  • ターゲット広告

それぞれAWSの機械学習で実現できることについて詳しく解説します。

パーソナライズされた商品推薦

機械学習を活用すれば、オンラインショッピングサイトはユーザーの過去の購入履歴や閲覧行動を基に、最適な商品をパーソナライズして推薦できます。

顧客がどのような商品に興味を持っているのかを、過去の購入履歴や閲覧履歴から学習し、分析した結果を基に関連性の高い商品を推薦します。

購入確率の高い商品を上位(あなたにおすすめなど)に表示することで、顧客の購買意欲を高められるためサイトの売上も向上します。

また、以下のようなシステムの構築も可能です。

  • 製造業での不良品検知や機器故障前の異常検知
  • 動画分析により来店者の特徴を自動記録
  • 問い合わせメッセージを分析して自動返信文章生成
  • 音声を文字に変換して翻訳し音声に変換
  • ボイスアシスタント(Alexa) 

AWSの機械学習サービスを使用すれば、上記のようなシステムを短期間で構築・導入できます。  

パーソナライズされたコンテンツ配信

動画配信サービスやニュースサイトにおいても、AWSの機械学習サービスを活用すれば、ユーザーに合わせたコンテンツが配信可能です。

たとえば、視聴履歴や検索履歴から、ユーザーがどのようなコンテンツに興味を持っているのかを特定し、ユーザーの興味関心に基づいて、おすすめの動画や記事を提示できます。

ユーザーの興味関心に合ったコンテンツを提供すれば、視聴時間を伸ばせる可能性もあります。

ターゲット広告

広告配信においては、ユーザーの興味関心に合わせた広告を表示する必要があります。

AWSの機械学習を活用すれば、ユーザーの属性や行動履歴を分析できるため、各ユーザーに対して効果的な広告を配信できます。

また、ユーザーの興味関心に合わせた広告配信を行えば、クリック率やコンバージョン率の向上にも期待できるでしょう。

機械学習(ML)をAWS上で使用するメリット

機械学習(ML)をAWS上で使用するメリットは、下記の通りです。
  • 簡単に始められる
  • 運用費用を抑えられる
  • あらかじめ必要な機能が揃っている
  • 学習済みモデルが利用できるサービスがある

各メリットについて詳しく解説します。

簡単に始められる

機械学習の実行環境を構築しようとすると、高性能なGPUを搭載したサーバやワークステーションが必要となり、初期費用が数百万〜数千万円かかるのが一般的です。

しかし、AWSを利用すれば、初期投資なしで高性能なGPUを搭載したインスタンスをすぐに利用できます。

AWSのインスタンスなら、必要に応じてリソースを拡大・縮小できるため、手軽に機械学習を始められるでしょう。

運用費用を抑えられる

AWSの料金体系は従量課金制で、使用した分だけ費用が発生します。

そのため、プロジェクトの進行状況に応じて運用費用の調整が可能です。

例えば、実験段階では少数のインスタンスで始め、精度が確認できたらインスタンス数を増やすといった、柔軟な運用が可能です。

また、不要になった場合はすぐに利用を停止できるため、無駄なコストも抑えられます。

あらかじめ必要な機能が揃っている

AWSには、機械学習に必要なデータの保存・処理機能などが整っています。

通常、機械学習を実行しようとする場合、トレーニングのために大量のデータを保管・加工しなければなりません。

しかし、AWSには、データを大量に保存できるAmazon S3や、リアルタイムでデータ処理が可能なAmazon Kinesisなどがあります。

上記のようなツールを活用すれば、機械学習モデルの開発やトレーニングに必要なインフラを一から用意する手間が省け、効率よく作業が進められるでしょう。

学習済みモデルが利用できるサービスがある

AWSには、すでに学習済みの機械学習モデルを提供するサービスがあります。

例えば、画像認識を簡単に実現できるAmazon Rekognitionのようなサービスを使えば、時間とリソースをかけずに機械学習の成果をすぐに得られます。

また、AWSのAPIから学習済みの生成AIモデルを選択して、アプリケーションやシステム構築が可能なAmazon Bedrockもあります。

AWSの学習済みモデルを活用することで、独自モデルを開発する必要がなくなる点がメリットです。 

AWSで提供されている機械学習サービス一覧

AWSで提供されている機械学習サービスの中で、無料で使用できる代表的なサービスを一覧でまとめました。

製品名

できること

Amazon Polly

  • テキストを自然な音声に変換でき、複数の言語や音声の選択も可能
  • 音声アシスタントや音声ガイドなどに活用できる

Amazon Transcribe

  • 音声データをリアルタイムでテキストに変換できる
  • 会議の文字起こしやカスタマーサポートの自動化に利用可能

Amazon SageMaker

  • 機械学習モデルの構築、トレーニング、デプロイを統合的に行う
  • コードなしで機械学習プロジェクトを簡単に進められる

Amazon Textract

  • 画像やPDF文書からテキスト、表、日付などを自動的に抽出できる
  • 請求書処理の自動化や書類のデジタル化などに活用できる

Amazon Kendra

  • 企業内の検索エンジンを構築するためのサービス
  • 自然言語処理技術を活用し、質問に対する回答を検索したり、ドキュメント内の情報を抽出したりできる

Amazon Personalize

  • 個々の顧客に対してパーソナライズされたレコメンドを行うサービス
  • ECサイトや動画配信サービスなどに活用できる

Amazon Rekognition

  • 画像や動画内のオブジェクト、シーン、顔を検出したり、テキストを抽出したりできる画像・ビデオ分析サービス
  • 顔認識による本人確認や画像検索エンジンなどに活用できる

Amazon Lex

  • チャットボットや音声インターフェースを構築するためのサービス
  • 自然言語理解技術を活用し、ユーザーとの自然な対話を実現できる

Amazon Comprehend

  • テキスト内の感情、言語、キーフレーズ、品詞などを分析できる自然言語処理サービス
  • 顧客レビューの分析やチャットボットの開発など、様々な自然言語処理タスクに活用できる

Amazon Translate

  • テキストをリアルタイムで別の言語に翻訳できる機械翻訳サービス
  • 多言語対応のウェブサイトやアプリケーションの開発に活用できる

今回紹介したサービスは、一定期間、または一定量のデータまで無料で利用可能です。

Amazon SageMakerのように、本格的な機械学習モデルの開発に利用できるサービスもあれば、Amazon Pollyのように、テキストを音声に変換するシンプルなサービスもあります。

自社のプロジェクトに合ったサービスを選んで、AWSの機械学習機能をぜひ活用してみてください。

AWSで機械学習を使用している事例

AWSで機械学習を使用している事例について、下記の3つの企業を紹介します。

  • Booking.com 
  • Perplexity
  • Itaú Unibanco

各企業が機械学習により、どのような成果が得られたのかを詳しく解説します。

Booking.com

Booking.comは、世界最大級のオンライン旅行予約サイトです。

Booking.comは、AWSの機械学習サービスを活用し、各ユーザーに対してパーソナライズされた旅行プランを提供しています。

具体的には、Amazon Personalizeというサービスを用いて、各ユーザーの過去の検索履歴や予約履歴に基づいた、最適な宿泊施設や旅行プランの推薦が可能です。

結果、ユーザーはよりスムーズに理想の旅行を見つけられるようになり、Booking.comは顧客満足度の向上とリピート率の向上を実現しています。

詳しいBooking.comのAWS機械学習事例については、下記のリンクをご覧ください。
https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/booking-case-study/

Perplexity

Perplexityは、大規模言語モデルを用いたAIチャットボットを提供する企業です。

Perplexityは、AWSの機械学習サービスを活用し、より自然で人間らしい会話を実現しています。

具体的には、Amazon SageMakerというサービスを用いて、大規模言語モデルを効率的に学習・開発しています。

また、Amazon Comprehendを用いて、ユーザーの質問を正確に理解し、的確な回答ができるようにしているため、より満足度の高いサービスを提供できるようになりました。

詳しいPerplexityのAWS機械学習事例については、下記のリンクをご覧ください。
https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/perplexity-case-study/

Itaú Unibanco

Itaú Unibancoは、ブラジル最大の金融機関で、AWSの機械学習を活用して金融データを分析し、リスク管理や詐欺検出の精度を高めています。

同社は、AWSの機械学習モデルを使って膨大なデータをリアルタイムに処理し、顧客の金融行動を予測するシステムを構築しました。

このシステムにより、リスク管理の効率化と顧客満足度の向上が実現しています。

詳しいItaú UnibancoのAWS機械学習事例については、下記のリンクをご覧ください。
https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/itau-ml-case-study/

AWS機械学習の勉強方法

AWS機械学習の勉強方法について、以下3点の勉強方法を解説します。

  • プロによる研修
  • 公式eラーニング
  • 書籍

プロによる研修

AWSの機械学習を体系的に学ぶ方法の1つは、プロによる研修を受けるのがおすすめです。

例えば、トレノケートが実施している「Practical Data Science with Amazon SageMaker」では、Amazon SageMakerを使った実践的なデータサイエンスの知識が学べます。

また、「Developing Generative AI Applications on AWS」では、生成AIを活用したアプリケーションの開発を学べます。

専門の講師から直接指導を受ければ、短期間で効率的に知識とスキルの習得が可能です。

▼トレノケートのAWS研修をもっと知りたい方はこちらから
AWS研修(AWS認定トレーニング)|AWS資格取得や基礎習得ならIT研修のトレノケート

公式eラーニング

AWSは、オンラインで学べる公式eラーニングプログラムも提供しています。

機械学習に関する幅広いコースがあり、自分のペースで学習を進められるのが利点です。

例えば、「AWS Skill Builder」では、無料で機械学習の基礎から応用までを学べる教材が豊富に揃っています。

忙しい中でも手軽に学習を進められるため、自己学習を希望する方におすすめです。

書籍

書籍を使った学習も、機械学習の基礎を深く理解するための有効な方法です。

特に、自分のペースでじっくりと知識を吸収したい人に向いています。

また、書籍では体系的な説明や、実際のコーディング例が豊富に紹介されているため、実践的なスキルも身に付きます。

書籍は、通勤時間や空いた時間を活用して学びたい方にもおすすめです。

AWS機械学習の資格について

AWSで機械学習のスキルを証明したい方におすすめなのが、AWS認定資格です。

AWSは、機械学習に関する様々な資格を提供しており、それぞれの資格によって求められる知識やスキルが異なります。

ここでは、代表的なAWSの機械学習資格のAWS Certified Machine Learning - Specialtyについて紹介します。

AWS Certified Machine Learning - Specialtyは、AWSで機械学習モデルの構築、トレーニング、チューニング、およびデプロイに関する専門知識を認定する資格です。

この資格を取得するためには、Amazon SageMakerAmazon RekognitionAmazon Comprehendなど、AWSの様々な機械学習サービスを深く理解している必要があります。

また、実務経験に基づいた問題解決能力も求められます。

その他の関連資格は、下記の通りです。

資格名

概要

AWS Certified AI Practitioner

  • AI全般に関する知識を評価する資格
  • 機械学習だけでなく、自然言語処理やコンピュータビジョンなど、幅広いAI分野の知識が求められる

AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate

  • 機械学習エンジニアとしての基礎的な知識やスキルを評価する資格
  • AWS Certified Machine Learning - Specialtyよりも幅広い範囲の知識が求められる

AWSの機械学習資格を取得することは、あなたのキャリアアップにつながる第一歩です。

まずは、どの資格を目指すのかを明確にし、計画的に学習を進めていきましょう。

AWSの機械学習を学べば大きなスキルアップに!  

AWSは、機械学習の実現に必要な様々なサービスを備えており、企業の規模や目的に合わせて柔軟に利用できます。

Amazon SageMakerのような統合的な開発環境から、Amazon Rekognitionのような特定のタスクに特化したサービスまで、多様な選択肢があるのが魅力です。

AWSの機械学習を学ぶ方法は、プロによる研修、公式eラーニング、書籍など、様々な方法があります。

ご自身の学習スタイルや目標に合わせて、最適な方法を選択し、スキルアップを目指しましょう。

また、AWS Certified Machine Learning - Specialtyなどの資格を取得すれば、あなたのスキルを客観的に証明し、キャリアアップに繋げられます。

そのため、より実践的なスキルを習得したい方は、トレノケートのような専門の教育機関が提供するAWSの研修プログラムをご検討ください。

トレノケートでは、AWSの認定資格に対応した様々なコースが用意されています。

AWSをより詳しく学びたい方は、ぜひトレノケートにお問い合わせください。

▼トレノケートのAWS研修をもっと知りたい方はこちらから
AWS研修(AWS認定トレーニング)|AWS資格取得や基礎習得ならIT研修のトレノケート
トレノケートのAWS認定トレーニング実績(2024)

トレノケート公式ブログ 編集部

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