部下のモチベーションを上げる「報酬」
メンバーのパフォーマンスが思うように上がらない
「メンバーのパフォーマンスが思うように上がらない・・・・」
マネージャやリーダーの立場になったら、一度はぶつかる悩みではないでしょうか。
近い将来AI導入などで管理タスクが減り、従来のヒエラルキー構造を主体とする「縦」の管理は減ると予想されています。代わりに共通の目的を持った「横」のつながりやコラボレーションが重視されるプロジェクト型の仕事が増えるとされています。
上下関係や会社の枠を超えて協働し、多様な背景をもつビジネスパーソンが1つの目標を目指して相乗効果を生み出すには、各メンバーの「モチベーション」をあげることが欠かせません。
あなたならどうしますか?
ここでひとつ例題です。想像してみてください。
あなたは社内にノウハウのない新規事業の立ち上げを任されて、複数の部署からメンバーを何名かアサインしてもらいました。メンバーのパフォーマンスを高めるために、あなたなら、AとB、どちらの方針をとりますか?
A) 目標を達成した人に、高額な報酬をあげよう!
各メンバーに、数値目標とそれを達成した際の高額報酬を用意しよう!
B) 人間は好きなこと、成長できる仕事を自主的にしている時に最もパフォーマンスを出す。
メンバーの特性や指向を見て、彼らが成長できるタスクを振るようにしよう!
やる気を引き出すのは「お金」?「やりがい」?
さてここで、報酬とパフォーマンスに関する、ある実験をご紹介します。
イスラエル系アメリカ人で心理学・行動経済学の教授、ダン・アリエリー氏が学生を対象に実験を行った結果、次のようになりました。
「機械的にできるタスク」である場合は、Aのような「これを達成したら、これをあげる」という"飴と鞭"方式の金銭的報酬(外的動機付け)が最も機能しました。
対して、「クリエイティビティが要求されるようなタスク」の場合は、高い報酬は逆に低いパフォーマンスしか生まなかったのだそうです。
この実験の結果を受けて、「モチベーション3.0」という著作を持つダニエル・ピンク氏は
TEDの講演にてこのように述べています。(要約)
- タスクの性質により、パフォーマンスを上げるための「報酬」は異なる。
- 機械的なタスクの生産性を上げるには、外的動機付けである金銭的な報酬が有効
- クリエイティビティが要求されるタスクの生産性を上げるには、内的動機付けである「自主性」「成長」「目的」が重視される環境を提供することが有効
例題の「新規事業の立ち上げ」は「クリエイティビティが要求されるタスク」が多いと考えられますので、おそらくBの内的動機付けがより大きく影響する、と予測されます。
近い将来、企業や管理職のするべき「モチベーション」の管理方法は、 大きく変わってくるのかもしれません。
ダニエル・ピンク氏の講演について、より詳しく知りたい方は下記のリンクをご覧ください。
「やる気に関する驚きの科学」TED Global 2009
https://www.ted.com/talks/dan_pink_on_motivation/transcript?language=ja
あなたのリーダーシップにも「協働」の視点を取り入れよう
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