「女性活躍推進」の第一歩は、それを議論するメンバーの多様性から
本記事では、トレノケート株式会社で配信しているVoicy番組 田中淳子の「人材育成」応援ラジオ から、好評をいただいた放送をピックアップして文字としてお届けします。
田中淳子の「人材育成」応援ラジオ とは
自社の人材育成を考える上でヒントとなるようなちょっとした知識やスキル、具体例など、人材育成にご興味・関心がある方向けに役立つヒントを毎日約15分でお話しする音声配信番組です。パーソナリティは、人材育成に携わって39年、人材教育シニアコンサルタントの田中淳子が務めます。
今回は、多様性と女性活躍の推進についてのお話です。
#034 「女性が管理職になりたがらないんですが」という質問にビシーっと切り返した経営者の話から、多様性のあるチーム作りを考える
※読みやすさを意図して、内容をある程度抄訳・編集しています。より具体的なエピソードなども合わせて知りたい場合は、Voicyの放送をお聴きください。
今回のテーマは、理想のチームです。理想のチームを築くためには、ダイバーシティ、多様性が大切です。特にマネジメントチームに、年齢、性別、バックグラウンド、いろんな価値観の人たちがいることが特に重要です。多様性を広げる1つの要素として、「女性活躍推進」について考えてみましょう。
以前参加したあるセミナーで、何社かの著名企業の女性トップマネジメント層の方がプレゼンをなさっていました。質疑応答の時間となって、会場から、「女性活躍推進をしたいが、女性がマネージャーになりたがらない問題は、どうすればよいでしょうか?」という質問が出ました。
登壇者の女性経営者の回答は、「女性はマネージャーになりたくないのではなく、今のマネージャーのようなマネージャーにはなりたくないのだ」と答えました。そして、それは女性に限ったことではなく、今後マネージャーになるかもしれない若者にとっても、「今、目の前で見ているマネージャーがなりたいマネージャー像かどうか」が重要であるとも続けました。
女性活躍推進という文脈において、女性だけにフォーカスして何らかの施策を検討するのは考えものです。弊社でも「女性向けのキャリア研修を実施してほしい」とご相談をいただくことがありますが、子育てや家庭と仕事との両立は働き方や働く環境の問題でもあり、それは男性と共通の課題のはずです。
女性向けの研修を行ってしまうことで、「両立などは、女性の問題だ」というメッセージを企業が暗に発信してしまうという懸念もあるということをよくお伝えします。
以前、女性活躍推進タスクチームを立ち上げたという相談を受けたことがあります。
そのチームのメンバー構成を伺ったところ、メンバーは全員男性で、なぜかと言うと、部長が議論する場であり、部長は全員男性だからということだったのです。女性活躍について議論する際、その場に当事者がいないこと自体も問題ですが、本来、多様性のある組織にすることを目指しているのであれば、「女性活躍推進」を考えるチームも多様なメンバーで構成されていることが大事です。
理想のチームとして多様性を大事にしようとするならば、話し合うチームのメンバーをまず多様にすることがよいのではないでしょうか。
より詳細な解説は、以下の放送をお聴きください。
#034 「女性が管理職になりたがらないんですが」という質問にビシーっと切り返した経営者の話から、多様性のあるチーム作りを考える