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青森の株式会社 KAWACHO RICEさんへ訪問しました

東北地方中心に活躍の幅を広げる APN アドバンストコンサルティングパートナーの株式会社ヘプタゴン 立花さんをゲストにお迎えし、AWS Discovery Day Online を開催しました。
ヘプタゴンさんがパートナーとしてサポートされた株式会社 KAWACHO RICE さんに AWS Discovery Day の前日に訪問しました。
KAWACHO RICE 代表取締役の川村さん、企画営業の川村さん、ヘプタゴンの立花さんに Rice Tag というアプリの取り組みの背景について、わくわくするお話を盛りだくさんお聞きしました。
その一端でもお伝えできれば幸いです。


▼AWS Summit 2022 基調講演で紹介された KAWACHO RICE さんの動画

Rice Tag - 機械学習で米の銘柄と品質を AI 判定するアプリケーション

KAWACHO RICE さんでは、青森を中心としたブランド米を小売店、メーカー、商社、飲食店などに卸販売されています。

検査米を取り扱う豊富な実績とノウハウを持たれ、検査、保管、流通をワンストップで、正確に行われています。
この検査を支えられておられるのが6名の有資格検査員さんです。
この検査は一定の検体(米粒)に対して目視で行うことが法律で決められています。
検査の結果、銘柄と品質が検査米として確定されます。
この検査をシーズンの短期間で特定の人員ですべて人力で行うには、検査員の労力負担とプレッシャーになります。

それをサポートするアプリが Rice Tag です。
スマートフォンアプリで米粒を撮影し、機械学習させたモデルを使用して銘柄判定できるAIアプリです。


Rice Tag アプリ開発のはじまり

積極的な IT 活用に取り組まれていた KAWACHO RICE さん。
米の検査はそもそも法律で目視と決まっているし、経験豊富な有資格者が行うもので、コンピューターには無理だろうと、他の企業さんたちは取り組もうとしていなかった。

しかし、同じく青森県三沢市に本拠地を置くヘプタゴンの立花さんに相談したところ、「(軽い雰囲気で)『できますよ』との回答だった」。
東京の企業と協力するのかと思ったこともあったそうですが、青森だけで完結するとの力強い言葉に、地元企業同士での挑戦が始まりました。


地元の開発会社だからこそ

同じ銘柄だからといって、全米粒が同じ形状ではないし、1つの角度から見て終わるものでもなありません。
例えば1粒を固定して撮影比較したところで判定できるものではありません。
平たいトレーに入れてときには揺らしたりしながら比較しておられます。

このように聞けば「なるほど」となることでも、オンラインでドキュメントや打ち合わせベースでのやり取りでは、知りえにくいものもあります。
このような齟齬を潰していくことができたのが、地元企業の力だと感じました。
その土地の文化もわかっているし、土地独自の課題にも気がつくことが多い。
そして、シンプルに距離が近いから、現場で目で見ながら体験しながら設計ができます。

アプリの台の下には黒いトレーを入れる隙間もあります。
揺らして米粒の角度を変えて撮影することもできます。

このお話を聞いていて、デモの準備のために米粒をトレーに入れていただいているとき、川村さんが「立花さんは見分けられますよ」って笑って仰っしゃりました。
冗談だと思っていたら、立花さんはちゃんと銘柄を言い当てていました。
設計、開発のために通っているうちにわかるようになったそうです。

使う人の立場で自分ごととして開発するから、ここまでできるようになるんでしょうし、ちゃんと使えるアプリができるんですよね。

これは解析後の画像です。
複数の米粒がどの銘柄の特徴に最も近いかが即時に分析されています。


IT 技術を信じ、IT 技術だけに期待しないからこそ

私たちが川村さんのお話を聞いていた感想です。
川村さんは、ではなく KAWACHO RICE さんが IT 技術によってできることを信じているからチャレンジされています。
そして IT 技術は完全ではないことを知っているから、やってみて試して修正してブラッシュアップしていくものということをご存知な方でした。
そしてその IT 技術で何をするかを決めるのはあくまでもご自身であることを当たり前のように仰ってました。
だからこそ、「AIだ」「DXだ」と口だけではない、動く形ある実証結果をビジネスに活かされていました。

「ぶっ壊したいんですよ」と笑顔で仰っていたのが印象的でした。
「無理だ」「意味がないかも」「このままでいい」といった慣例的な考えではなく、新しいやり方、新しいビジネス、新しい生き方につなげていく、そのためにチャレンジし続ける、それを心の底から楽しんでおられる、そんな笑顔が印象的でした。


内製とコミュニティ力

グループ会社の PEBORA ではペットボトルライスを開発、販売されています。

このペットボトルライスでは多種多様なお米の銘柄を用意されています。
そのためには外製で大きなロットというわけにはいきません。

そこで自社敷地内に製造工場を用意して内製で製品開発をしておられます。
こうすることでフットワークの軽い、スピード感のある製品開発をされています。

国内外で展示案内もされていてそこでお知り合いになったデザイナーさんが、オリジナルTシャツをデザインされていたり、社外とのコラボレーションも活発に行われているコミュニティ力にも驚かされました。


青森の魅力

日曜日に青森に到着して、ヘプタゴン立花さんに様々な名所をご案内いただきましたので、最後に記録としてレポートします。

青森魚菜センターで青森のっけ丼をいただきました。
市場のお店で綴のチケットで具と引き換えてオリジナル丼を作ります。
楽しく美味しい体験でした。

ねぶたの家 ワ・ラッセで展示されているねぶたを見ました。
「らっせーらー」も体験しました。
今年は2年ぶりにねぶた祭りが開催されるとのことで熱気も高まっていました。

移動して立佞武多の館で立ちねぶたを見ました。
全長32mで4階建ての会館に設置されていました。
祭りの日にはこの館の壁が開いて外に出ていくそうです。
スケールがすごすぎて感動しました。

蕪島神社はウミネコの繁殖地ということでものすごい数のウミネコがいました。
入り口に自由に使える傘がありまして、訪れた方は傘をさして神社にお詣りします。
傘がないとウミネコからの落下物がついてしまう可能性があるからですね。

種差海岸です。
砂浜ではなく芝生が拡がっている珍しい海岸です。
国立公園がありました。

人もビジネスも自然もご飯も本当に素敵な青森でした!


さいごに

KAWACHO RICE 代表取締役の川村さん、企画営業の川村さん、ヘプタゴンの立花さん、貴重なお時間と体験を本当にありがとうございました。

直接聞いて、触れて、体験することによって、新たな学びと発見を得ることができました。

これからますますのご発展と青森全体のイノベーションを楽しみにし、私たちもチャレンジを続ける全国の企業様に AWS トレーニングを通じて尽力してまいります。


山下 光洋(やました みつひろ)

山下 光洋(やました みつひろ)

トレノケート株式会社 講師。AWS Authorized Instructor Champion / AWS認定インストラクター(AAI) / AWS 認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル /AWS認定DevOpsエンジニア - プロフェッショナル / AWS 認定デベロッパー - アソシエイト / AWS 認定 SysOps アドミニストレーター - アソシエイト / AWS 認定クラウドプラクティショナー / kintone認定 カスタマイズスペシャリスト他。AWS認定インストラクターとしてAWS認定コースを実施。毎年1,500名以上に受講いただいている。AWS 認定インストラクターアワード2018, 2019を日本で唯一受賞。著書『AWSではじめるLinux入門ガイド』(マイナビ出版社)。共著書『AWS認定試験対策 AWS クラウドプラクティショナー』(SBクリエイティブ社)。前職では2016年にAWS Summitにパネラーとして参加。その前はLotus Technical Award 2009 for Best Architectとして表彰されている。また、各コミュニティの運営にも個人的に関わり、勉強会にてスピーカーや参加をしている。

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