
PM育成を現場任せで終わらせない。プロジェクト・マネジャーを段階的に育てる考え方
プロジェクト標準を整備している。先輩社員も現場で教えている。それでも、PM育成がうまく進まないと感じることがあります。
その背景には、プロジェクト・マネジャーの育成が、標準や知識の習得だけでは完結せず、現場でどう活用し、どの段階から任せていくかに大きく左右されるという難しさがあります。
本記事では、プロジェクトマネジメント研修で寄せられる受講者の声をもとに、PM育成を現場任せで終わらせず、プロジェクト・マネジャーを段階的に育てるための考え方を紹介します。
その背景には、プロジェクト・マネジャーの育成が、標準や知識の習得だけでは完結せず、現場でどう活用し、どの段階から任せていくかに大きく左右されるという難しさがあります。
本記事では、プロジェクトマネジメント研修で寄せられる受講者の声をもとに、PM育成を現場任せで終わらせず、プロジェクト・マネジャーを段階的に育てるための考え方を紹介します。
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目次
PM育成では、現場でどう活用するかが問われる
プロジェクト・マネジャーの育成は、標準やOJT、研修だけで完結するものではなく、実際の現場でどう活用するかに大きく左右されます。
今回は、
前回のコラム
でお伝えした現場寄りの内容を踏まえつつ、初回からの路線に回帰して、プロジェクト・マネジャーの育成に関してお話したいと考えています。
プロジェクト・マネジャーの育成の仕方やプロジェクトの進め方は、組織によってまちまちでしょう。私がプロジェクトマネジメント系のコースを実施していても、受講されている皆様から色々なお話を伺います。
例えば、研修初日に受講される皆様に自己紹介をお願いすると、以下のようなお話をよく伺います。
- 全社で決まっているプロジェクト標準があり、それに従ってプロジェクトを取りまわしているが、一度しっかりと標準(注:ここで言及している標準とは、PMBOK®ガイドをベースとしたものを意味しています)を学習して、現場で役立てたいので、受講しに来た。
- 全社でプロジェクト標準が定められてはいるが、実際の現場では今一つ上手くいかないので、何かヒントが欲しくて受講しに来た。
- 先輩社員の見よう見まねで現場のプロジェクトを取りまわしているが、一度標準的なプロジェクトの進め方を知りたかったので、受講しに来た。
プロジェクト標準があっても、PM育成が現場で行き詰まることがある
研修で寄せられる声に共通しているのは、「現場」という言葉です。受講される皆様は「現場でプロジェクトをどう取りまわすか」について、課題やお悩みをお持ちですので、当たり前と言えば当たり前ではあるのですが。
言葉を変えて説明しますと、優れた社内の標準や先輩社員の指導があったとして、それを現場で活用しても、「助かる部分もあるのだが、そうでない部分もある」「自分の現場ではそのままは使えない」「どう使えばいいのかわからない」ということで、研修を受講しに来られた、ということです。
これらの内容からもおわかり頂けますでしょうし、皆様にもご賛同頂けると思うのですが、プロジェクトの成否も、プロジェクト・マネジャーの育成の成否も、その多くは現場に依存しています。では、現場ではどういったことを考慮すればよいのでしょうか。
言葉を変えて説明しますと、優れた社内の標準や先輩社員の指導があったとして、それを現場で活用しても、「助かる部分もあるのだが、そうでない部分もある」「自分の現場ではそのままは使えない」「どう使えばいいのかわからない」ということで、研修を受講しに来られた、ということです。
これらの内容からもおわかり頂けますでしょうし、皆様にもご賛同頂けると思うのですが、プロジェクトの成否も、プロジェクト・マネジャーの育成の成否も、その多くは現場に依存しています。では、現場ではどういったことを考慮すればよいのでしょうか。
プロジェクト・マネジャーは一足飛びには育たない
これはプロジェクト・マネジャーの育成に限った話ではありませんが、「一足飛びに何もかもをできるようにはならない」ということです。その点を今一度思い起こして頂きたいのです。
このコラムを執筆しているのは、2026年のサッカーワールドカップの真っ只中なのですが、日本サッカー冬の時代や、その後の「ドーハの悲劇」「ジョホールバルの歓喜」を知っている身からすると、今のサッカー日本代表は考えられないような進歩を遂げています。
思い起こせば、2006年のドイツ大会で、日本はグループリーグの最終戦でブラジルと対戦しましたが、「完敗」でした。
しかし今大会では(もちろん様々なご意見があることは重々承知しておりますが)、ブラジル相手でも十分に渡り合うことができており、「惜敗」と言っていいレベルであったと、私は考えます。
ただ、ここまで来るのに実に20年の歳月を要しているのです。
このコラムを執筆しているのは、2026年のサッカーワールドカップの真っ只中なのですが、日本サッカー冬の時代や、その後の「ドーハの悲劇」「ジョホールバルの歓喜」を知っている身からすると、今のサッカー日本代表は考えられないような進歩を遂げています。
思い起こせば、2006年のドイツ大会で、日本はグループリーグの最終戦でブラジルと対戦しましたが、「完敗」でした。
しかし今大会では(もちろん様々なご意見があることは重々承知しておりますが)、ブラジル相手でも十分に渡り合うことができており、「惜敗」と言っていいレベルであったと、私は考えます。
ただ、ここまで来るのに実に20年の歳月を要しているのです。
PM育成では、OJTだけでなく段階的な任せ方が重要になる
プロジェクト・マネジャーの育成にあたっては、暗黙知の部分も多く、OJT形式での対応が必要になる局面も数多くなり、「一足飛びに何でもできるようになる」ということは基本的には起こり得ないと考えます。
第1回のコラム
で私の実体験を掲載し、その中で「段階的に育成することの重要性」に言及しております。今一度、その内容を以下に抜粋して掲載します。
私の上司は「次回案件で要件定義を一人で取り廻せるようにする」という目標を明確に設定していたわけです。そして「横山は顧客の前に出ると話しすぎるし、ほかにも修正すべき点がある」ということを見抜いており、「それを段階的に修正していく」という明確な戦略を持っていたからこそ、効果的に育成してもらえたのだと考えており(以降略)
出典: PM育成で最初に整理すべきこととは?テーラリング思考の重要性
プロジェクト・マネジャーを育てるには、任せる範囲を明確にする
「明日から全てを任せることができる」のであれば、これほど素晴らしいことはありませんが、余程のことがなければ、現実的には難しいと考えます。
であれば、「まずはここまでできるようになってほしい、そうすれば、多少なりとも仕事を任せられるし、自分も楽になる」といった感覚で、現場での育成に取り組んで頂ければ、長期的な視点で見た場合、実りの多い結果を得られるのではないでしょうか。
自社のPM育成課題に応じた一社向けカスタマイズ研修
ステークホルダーとの認識合わせや合意形成は、知識として理解するだけでは、実際のプロジェクトで活用することが難しいテーマです。相手の立場や前提を踏まえて説明し、認識のずれを確認しながら共通理解を形成するには、実際の業務を想定した演習や対話を通じて学ぶことが重要です。
トレノケートでは、企業ごとの課題や人材育成の目的に応じて、一社向けのカスタマイズ研修をご提供しています。ご相談内容によっては、本記事で取り上げたようなテーマに関連する内容を研修に取り入れられる場合もあります。
まずは現状の課題や育成したい人材像をお伺いし、どのようなご支援が可能かをご提案します。プロジェクト・マネジャーやプロジェクトメンバーの育成をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
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横山 昇(よこやま のぼる)
トレノケート株式会社 講師。PMI®認定PMP® (Project Management Professional)。大手物流企業の社内SEを皮切りに、大手SIer、ITベンチャー企業数社を経て、現職に至る。 現在は、若手向けのプロジェクト入門コースから、プロジェクトマネジメントの基礎コース、応用コースまで対応。 「楽しくなければ、身につくはずのものも身につかない」をモットーに、日々明るく楽しい研修になるよう心掛けている。 趣味は旅行。「きれいな景色と温泉とトレッキングとローカル線」を求める渋い旅が好き。

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