営業部社員のPL-900: Microsoft Power Platform 基礎 合格体験記
こんにちは。営業本部の西です。
この度、Microsoftの認定試験であるPL-900:Microsoft Power Platform 基礎に挑戦し、無事合格できました。
私は、PL-900で扱うPower Platformの経験値はおろか、エンジニア経験も持ち合わせておりません。
そんな私が、どうやってPL-900を学習して合格したのか、を書いてみます。
「そもそもPL-900って何?」「Power Platformの勉強、興味あるかも?」「忙しくてとても勉強どころじゃないよ……。」とお考えの営業職のみなさまの、ご参考になれば幸いです。
※情報は2022年8月時点のものです。
目次[非表示]
- 1. PL-900とは?
- 2. PL-900挑戦のきっかけ
- 3. 学習開始~受験・合格までの期間
- 4. 実際に行ったPL-900対策
- 5. 合格に向けたアドバイス
- 6. 合格して良かったこと
- 7. Power Platform関連のおすすめ研修
- 8. おすすめコンテンツ
PL-900とは?
PL-900: Microsoft Power Platform 基礎とは、Microsoft社が提供する「Power Platform」の基礎的な理解を認定する、エントリーレベルの試験です。試験の合格により、認定資格であるMicrosoft Certified: Power Platform Fundamentalsを取得できます。
Power Platformを構成する4つのサービスについて、幅広く問われます。Power Platformそのものの詳しい説明は割愛しますが、ざっくり言いますと「プログラミングの知識がなくても業務自動化・簡単なアプリ作成・データ分析・チャットボット作成ができるサービス」です。PL-900は、そんなPower Platformの知識を問う、入門編の試験であります。
PL-900挑戦のきっかけ
大きく2つあります。
1つ目の理由は、商談をスムーズに進めるためです。ここ最近、DX推進の一環で、「エンジニアではない社員にも、Power Platformを使えるようになってほしい!」とのお客様からのご要望が増えてきました。
PL-900挑戦前の私は、Power Platformそのものの理解が乏しい状態でした。「トレノケートで取り扱うPower Platform関連研修の詳しい説明ができない」「そもそもお客様のご要望を正確に把握できていない」と危機感を抱いたため、試験合格を決意しました。
2つ目の理由は、自身の業務改善のためです。
日常的に発生する定型業務に対して、「どうにか自動化できないものか」と考えていました。とはいえエンジニア経験がない営業の私は、「プログラミングは荷が重いなぁ」とモヤモヤしていました。
そんな中、Power Platformを利用して業務改善を実現させた方のブログ記事を読了。「Power Platformなら、自分でもできるかも?」との希望を抱き、「PL-900合格をまず目指して、そのプロセスで得た知識で業務改善を初めてみよう!」となりました。
学習開始~受験・合格までの期間
「商談をスムーズに進めるため」「自身の業務改善のため」という目的のもと、始めたPL-900の学習。ただ、結果として学習開始から受験・合格まで、約3か月かかってしまいました。
ブログ記事など見るに、「2週間で受かった!」など1か月以内で合格した方が多いため、PL-900の合格体験記史上、最長記録かもしれません。(不名誉極まりないですが……。)
以下、学習開始から受験・合格までの、やる気と進捗の曲線です。
まず①の時期ですが、仕事が忙しく、勉強する時間が取れない週が続きました。仕事の忙しさ自体は2週間ほどで落ち着いたのですが、勉強の習慣が完全にストップ。やる気は地に落ちました。正直、半分くらい諦めモードに入り、「ま、まぁ頑張ったし試験を受けなくてもいいよね!」と自己正当化に走ってスマホゲームに逃げてしまいました。
そして②の時期に入り、(さすがにマズい…)と思った私は、上司に「7月までに合格します!」と宣言しました。「宣言したからにはやらないと」と思考が切り替わり、やる気が復活、合格に向けて突き進みました。
ただ③の時期で、再び仕事が忙しくなってしまいました。しばらく思うように勉強できず、泣く泣く試験を延期。何とか延期後の7月31日に合格し、ギリギリ自分の宣言を守りました。
実際に行ったPL-900対策
大きく2つで、「Microsoftのコンテンツ」と「プラスアルファ」です。
まず「Microsoftのコンテンツ」ですが、ここに9割近くの時間を費やしました。
「Microsoftのコンテンツ」は、以下の3ステップで学習を進めました。ちなみに全て無料です。
①Microsoft Learn
②Virtual Training Days
③Virtual Training Daysの後の試験対策動画
①のMicrosoft Learnとは、Microsoft社が提供している無料の学習ツールです。いきなり細部を暗記しようとせず、「ほう…Power Appsにも種類があるんだね……。」など雰囲気を掴むことを意識しました。2回ほど流し読みしました。
②のVirtual Training Daysですが、これはMicrosoft社が月に2度ほど実施しているオンラインの無料セミナーです。このセミナーの何が良いかといいますと、視聴後に試験が無料になることです。参加後、PL-900の試験代(¥12,500)が無料になるバウチャーが発行されます。
③の試験対策動画ですが、②のVirtual Training Daysの参加後、メールで送られてきました。この動画が私の学習のコアでした。動画時間は3時間ほどと長かったのですが、1.5倍速で何度も繰り返して見ることで、霧が晴れるようにPower Platformの理解が進み、試験に対する自信がつきました。
次に「プラスアルファ」は、主に以下の2つを行いました。
①実際にPower Platformを触ってみる
②動画を視聴する(Virtual Agent)
まず①の「実際に触ってみる」ですが、理解の進まなかったPower Appsを使用して、簡単なアプリ作成に挑戦しました。自分の知識だけではできないので、上記のMicrosoft LearnやMicrosoft社の動画を見つつ、遊び感覚で30分~1時間ほど試してみました。
そして②の動画視聴ですが、先ほど書いた「Microsoftのコンテンツ」での言及が少ないVirtual Agent(Power Platformを構成する4つのサービスのうち1つ)を実装する様子の動画を、試験前日に見ました。本当は何かしら作りたかったのですが、時間がなく、動画視聴を代わりに行いました。
以上、「Microsoftのコンテンツ」と「プラスアルファ」を行い、無事に合格できました。
個人的に良かったと思う試験対策は、後者の「プラスアルファ」です。かけた時間は全体の1割ほどですが、このプロセスを全くふまずに試験を受けていれば、落ちていた可能性があります。
試験は1000点満点・700点が合格ラインです。未経験・かつモチベーションが上下しながら900点と高得点で合格できたのは、実際にサービスに触れ、動画でイメージを持つことができたからだと考えます。半分ほどは基礎的な問題でしたが、(実際に触れていないと答えられなかったな…)という問題も一定数出題されました。
合格に向けたアドバイス
自分の経験や反省を踏まえ、私のような非エンジニアの方がPL-900に合格するためのアドバイスを書きます。「試験前」の準備段階と、「試験当日」の本番に分けて書きます。
試験前
①他人と比較しすぎないこと
他の人の学習ペースと自分を比べすぎないことが大切だと思います。理由は、資格取得において、取得スピードより大切なことがあるためです。
何のために資格を取得するのか―多くの場合、仕事での活用ではないでしょうか。ネット上には、1週間や2週間で試験を突破する猛者たちによる体験記が多く存在します。そのような体験記を見て「負けないものか!!」と奮起できればいいですが、自信をなくす→気が付けば勉強がメンドウになる……となれば本末転倒です。あくまで自分の仕事に活かす、ウサギと亀ではないですが、少しずつでも進むことを意識すれば良いと思います。
(かく言う私は、他の方の合格体験記を読んで、1か月ほど勝手に自信を失っていました……。)
②分かりにくいものは実際に触れてみること
何度説明を読んでも分からない内容は、実際に触れてみるのが、かえって近道だと思いました。学校での水泳の授業を例にすると、教室で体育の教科書を読み込むことと、プールで実際に泳いでみることには大きな違いがあると思います。全てのサービスでなくても良いので、ニガテだと思われるサービスは実際に触れてみると良いと考えます。
例えばYouTubeで「Power Platform ハンズオン」と検索いただくと、Microsoft社による動画など、複数のコンテンツがヒットします。このような動画を見つつ、少しでも手を動かされると学習が加速します。
試験当日
①試験会場の場所を事前に確認すること
PL-900は、自宅またはテストセンターで受けることができます。テストセンターは、複数のパソコンが設置された試験会場で、漢検やSPIにも使用されます。
このテストセンターの場所が、一見すると分かりにくいことがあります。事前に場所を確認し、余裕をもって試験会場に行くことがおすすめです。
②本人確認書類を持参すること
受験には、写真付き身分証明書が必要です。当日忘れて悔しい思いをしないよう、前日には準備しておきましょう。
参考:Microsoft認定試験 試験当日について
③時間管理を行うこと
PL-900は時間との戦いです。45分で40問、選択式またはドラッグ&ドロップ形式で出題されます。1問に1分程度しか時間をかけられないので、「これは分からないなぁ」という問題で立ち止まりすぎず、スピーディーに回答するのが良いと思います。回答は後で修正できるので、いったん飛ばして後で見てみるのも良さそうです。
以上、「試験前」と「試験当日」のアドバイスでした。勉強すればエンジニアでなくても十分合格できる内容ですので、もしお仕事でPower Platformの知識が必要であれば、受験を検討されてはいかがでしょうか。私は、早くも学習によるメリットを感じています。最後に、そのメリットについて書きます。
合格して良かったこと
まず、逃げずにちゃんと向き合って何とか合格したことが、大きな自信に繋がりました。そして、学習の過程で得た知識は、営業活動にも活きています。Power Platformについて、お客様のお困りごとやご要望を理解するに足る知識を得ることができました。「そもそもPower Platformとは何?」と質問をいただき、1分ほどで説明した後「よく分かりました」と言われた際は、(勉強して良かった…!)と思ったものです。
ただ、学習のきっかけの2つ目として記載した「自身の業務改善」にはまだ繋げられていません。「この仕事は手動でやらなくてもいいのでは?」と思う業務を、少しずつ自動化・効率化していきたいです。
以上、PL-900の所感について、反省も含めて以下にまとめます。
・Microsoft Virtual Training Daysがおすすめである
・分かりにくいサービスは動画を見たり触ったりするのが良い
・他人と比べすぎず自分のペースでOK!
営業職の方はお忙しい方が多く、学習が思い通りに進まない日が続くこともあるかと思います。ただ、学習した分がすべて記憶から消えることはなく、努力が無駄になることはありません。他人と比べすぎず、「今週は厳しいから来週頑張ろう」くらいに考えておくと、程よく試験と向き合え、合格に繋がるかと思います。
この記事が少しでもご参考になると嬉しいです。
Power Platform関連のおすすめ研修
Power Platformに触れてこなかった営業職の私は、Power Platformの全容を掴むまで、多くの時間を費やしてしまいました。
トレノケートでは、多くのPower Platformトレーニングを取り扱っております。
もし「学習が思うように進まない」「独学だと挫折しそう、限界がある」とお考えでしたら、トレノケートのトレーニングをご検討いただけますと幸いです。
私のように時間をかけすぎることなく、スムーズに学習いただけるかと思います。
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Microsoft認定トレーニング
トレノケートは、2002年にMicrosoftのラーニングソリューション分野において、日本で初めてラーニング部門のゴールドパートナーに認定されました。以降、 Microsoft認定資格対応研修、Windows Server 研修、Microsoft Azure 研修など幅広い分野で多数の最新コースラインナップを提供し続けています。