【月間AWS】2024年11月号~AWS認定講師が厳選。先月の気になるニュース~
みなさんこんにちは。トレノケートの AWS 認定インストラクター 金井です。
だいぶ涼しくなり過ごしやすさを感じるようになりましたね。しかし明るい時間が日を追うごとに減ってきて、毎年のこととは言え少しさみしい思いもしています。
さて、今月の「月刊AWS」では、AWSの10月のアップデート情報から金井の気になったものをお届けして参ります。皆様のお気に入りのアップデートは含まれていますでしょうか。
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AWS 10月の注目アップデート!
今年2024年は、11/1の時点で1500を超えるアップデートがあったようです(この数にはサービスのアップデートだけでなく利用事例のニュースなども含みます)。10月も多くのアップデートやニュースがありました。
それらの中から、金井のお気に入りサービスやよく使うサービスのアップデートを集めてみました。まだ使ったことのないサービスのある方は、これを機会に興味を持って頂けると幸いです。
RDS での M7g および R7g データベースインスタンスが新たなリージョンで利用可能に
Amazon RDS (Relational Database Service) は、リレーショナルデータベースの構築や運用をAWS側に任せて、データの取り扱いに専念できるサービスです。MySQL や Oracle などの著名なデータベースを利用することができます。
RDSでのデータベースサーバーのスペックやハードウェアの特徴は、インスタンスクラスで表されます。インスタンスクラスの名称に「g」が含まれるものは、AWS が独自に開発した ARM アーキテクチャのプロセッサ(CPU)である「Graviton」シリーズを搭載しています。この度、パリ、ミラノ、香港リージョンに同インスタンスタイプが追加され、東京リージョンを含む21のリージョンで利用可能になりました(パリは M7g が追加、ミラノと香港は R7g が追加)。
初代 Graviton プロセッサは、従来に比べ45%以上のコスト削減を可能とするプロセッサとして2018年秋に登場しました。Graviton はコストパフォーマンスに優れるプロセッサで、同じパフォーマンス下での消費電力が従来よりも少なくなるとされているため、発電に伴う二酸化炭素の排出量の削減にも貢献できるとして利用が勧められています。ほぼ毎年バージョンアップを繰り返し、現在は Graviton4 まで進化しました。なお、今回のアップデートに該当する M7g および R7g は、一世代前の Graviton3 を搭載しています。
Graviton プロセッサは従来の Intel アーキテクチャとは実行ファイルの互換性がないため、EC2 インスタンスの置き換えの場合はアプリケーションの再ビルドなどが必要になります。しかし RDS で提供されるデータベースは SQL での利用となるため、アーキテクチャの違いは大きな影響を及ぼさないことが多いと思います。この機会に、旧世代の RDS インスタンスを、環境に優しく低コストな Graviton 搭載のものに変えてみてはいかがでしょうか?
Lambda のコンソールが Code-OSS (VS Code-OpenSource) ベースのエディタに刷新
AWS Lambda (ラムダ。ランバダじゃないですよ)は、サーバーの準備をすることなく Python や Java などのコードを実行できる「サーバーレスコンピューティング」のサービスです。面倒なサーバーのサイジングやネットワーク設計などをすることなく、書いたコードを実行することだけを考えればよいので、アプリケーション開発者に非常に人気があります。
そのLambdaのコードを編集するエディタが、VS Codeユーザーにおなじみのデザインに変わりました!
虫つきの再生ボタンや虫眼鏡など、見慣れたアイコンが並んでおり VS Code 好きのユーザーはワクワクすること請け合いです。ただ、拡張機能のインストールは自由にできなかったり、再生ボタンを押してもコードの実行はできないなど、未実装の機能もまだ多そうです。
通常の VS Code のように画面分割も可能です。試しに縦に2分割表示をしてみると、おなじみの OUTPUT や TERMINAL といったタブと一緒に下側にペインが表示されました(掲載のキャプチャ画像は分割済みの写真です)
もしやシェルが使えるのか!?と思い TERMINAL タブをクリックしてみましたが、残念ながらそれはできませんでした(ノД`)。今後に期待です。
嬉しいことに、Vim のキー設定は標準で対応していました。世界の Vimmer(※) の皆様も安心して使うことができます。
※ う゛ぃまー。Linux などでおなじみのエディタ、vim (う゛ぃむ) を愛してやまないユーザーのこと。金井はよく訓練された Vimmer です。ご受講の際、金井に vim の話をして頂くと軽く1時間は喋ります。講義終了後、次の予定までの空き時間のつぶし方に困った方はお気軽に話しかけてみてください。
CloudShell の最新機能が全ての商用リージョンで利用可能に
皆様、CloudShell はお使いでしょうか? CloudShell は、マネジメントコンソール上にてボタン一つで起動することが出来る Linux シェルです。ベースは Amazon Linux 2023 (AL2023) なので、普段から AL2023 をお使いの方は難なく扱うことができます。
こちらのキャプチャ画像の右側にある、「 >. 」て感じのアイコンから起動できます。
CloudShell は、マネジメントコンソールにログインしている IAM ユーザーや引き受けた IAM ロールの権限を引き継いでいるため、認証情報を別途用意することなく使える手軽さがあります。もちろんAWSCLIもインストール済みなため、ちょっとしたコマンドラインでのAWSの操作をすぐ行うことができます。作業を行うために自分の PC に取り扱い注意な認証情報を入れる必要が無くなるので、セキュリティ的なメリットが非常に大きいのがポイントです。
さて、そのCloudShell は登場以来、VPCとの接続、起動時間の短縮、Docker コンテナのサポートなど日々進化してきたのですが、その進化のメリットは一部のリージョンでしか享受できないものもありました。ついにこの度、全ての商用リージョンでそれらの最新機能が利用可能となりました。Docker (※)については、このアップデートで大阪リージョンでも利用可能となっています。
※どっかー。アプリケーションとその実行環境を閉じ込めたパッケージングの技術。Windows や macOS などの PC や本番環境の Linux といった環境を問わずアプリケーションを実行可能で、素早いアプリケーションのリリースを可能にする技術。金井はよく訓練された Docker ユーザーです。 ご受講の際、金井に Docker の話をして頂くと軽く2時間は喋ります。講義終了後、次の予定までの空き時間のつぶし方に困った方はお気軽に話しかけてみてください。
CloudShell が Amazon Q CLI をサポート
CloudShell の話題が続きますが、こちらもナイスなアップデートです。生成AI によるアシスタントである Amazon Q が、CloudShell 上のアシスタントとして登場しました。その名も「Amazon Q CLI」です。
Amazon Q は、自然言語で利用できる AI アシスタントです。AWS サービスの使い方を知りたい時、コードを書いていて文法がわからなくなった時などに、自然言語によるチャットで設定内容を教えてくれたりコードを生成してくれたりと、頼もしい助手のようなサービスです。
このアップデートにより「CloudShell 上で、自然言語による Linux のコマンド実行」が可能になります。CLIのコマンドを覚えることなく、「こんなことやって欲しいな、、、」と人間の言葉で記載するだけで、それを実行してくれるということです。
今回サポートされたのは24リージョンと、全リージョンではないのですが、東京リージョンではすでに利用可能となっています。
ほんとにできるの?と思ったので、やってみました。以下に続きます。
Amazon Q CLI に未来を感じた!
人間の言葉で Linux コマンドを実行してくれる、、、まるでSF映画の世界です。そんな Amazon Q CLI (以下、Q)を、実際に試してみました。
まずは CloudShell を起動します。「 >. 」て感じのアイコンをクリックして数秒待つと起動します。右下に、青色のボックスが表示されました。