Google Cloud認定資格の資格体系と試験のポイント
Googleが提供するクラウドプラットフォームGoogle Cloud Platform(TM)(以下GCP)。トレノケートでGCPの研修をご受講される方の中にもGCPの認定資格(Google Cloud認定資格)の取得を検討されている方が多くいらっしゃいます。
Google Cloud認定資格は、米Global Knowledgeの調査で、2年連続で稼げる資格としてノミネートされるなど、近年とても注目を集めている資格です。
とはいえ現在のところ、どの認定資格についても日本語では資格対策本などが出版されていないため、資格を検討しているが何から手を付けていけばよいかわからない、と思案している方もいるのではないでしょうか。
そこで、これから3回にわたり、GCP認定資格の資格体系や試験のポイントについて説明していきたいと思います。第一回目の今回はGCP認定資格の資格体系について説明します。
※当記事に書かれている情報は2020年10月時点のものです。
目次[非表示]
Google Cloud Platformとは
GCPとは、Google社が提供するクラウドサービスです。
GCPでは、コンピューティングやネットワーク、ストレージ、データ分析など、Googleの自社サービスを支える高い信頼性とスケーラビリティを誇るインフラやテクノロジーを利用することができます。
GCPは数あるクラウドサービスの中でも処理速度とネットワークスピードに優れており、Microsoft AzureやAWS(Amazon Web Services)と並び三大パブリッククラウドとして注目を集めています。
Google Cloud認定資格 試験の全体像
Google Cloud認定資格は、GCPやG-Suite(Google Workspace)について、取得した分野に関してのGoogle Cloud プロダクトに対する能力を示すことができるGoogleのオフィシャル認定資格です(この記事ではG-Suiteの認定資格については扱いません)。
現在は、基本スキルの習得を証明できる「アソシエイト認定資格」と、各専門分野についての「プロフェッショナル認定資格」が提供されています。
以下に、現在日本語で受験可能なGCP認定試験についてリストアップしました。
問題はいずれも選択式で、合格点などの合否の基準は公開されていません。
資格名
|
試験時間
|
受験料
|
---|---|---|
Associate Cloud Engineer
|
2時間
|
$125
|
Professional Cloud Architect
|
2時間
|
$200
|
Professional Cloud Developer(※)
|
4時間
|
$120
|
Professional Data Engineer
|
2時間
|
$200
|
※Professional Cloud Developerは記事を書いた2020年10月現在、試験の改訂によりβ版試験のみの提供。試験時間、受験料はβ版試験のものを掲載。β版では言語も英語のみ。
特に人気なのは、インフラストラクチャーを中心に各GCPプロフェッショナル資格のベース的な位置づけであるAssociate Cloud Engineerと、インフラストラクチャーについての上位認定資格であるProfessional Cloud Architectです。
インフラストラクチャー関連の資格について、他の3大クラウドプロバイダーの資格と位置づけを比較すると以下のようになります。
※注:一概に比較は出来ないので位置づけの近いものを並べています。難易度が同じということではありません。
▼インフラストラクチャー関連の他社認定試験との位置づけ
|
GCP
|
AWS
|
Azure
|
---|---|---|---|
基礎
|
該当資格なし
|
Cloud Practitioner |
AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals |
アソシエイト(中級)
|
Associate Cloud Engineer
|
Solutions Architect – Associate |
AZ-104: Microsoft Azure Administrator
|
プロフェッショナル
|
Professional Cloud Architect
|
Solutions Architect - Professional |
AZ-303: Microsoft Azure Architect Technologies
|
今回はこの記事の執筆時点でβ版であるProfessional Cloud Developerを除く、現在日本語で受験可能な3つの資格(Associate Cloud Engineer、Professional Cloud Architect、Professional Data Engineer)についてもう少し詳しくご紹介いたします。
Associate Cloud Engineer
Associate Cloud Engineer試験では、以下のような内容が問われます。
- クラウド ソリューション環境の設定
- クラウド ソリューションの計画と構成
- クラウド ソリューションのデプロイと実装
- クラウド ソリューションの安定稼働の実現
- アクセスとセキュリティの構成
Google Cloud 認定資格の中で最もベーシックな内容が出題される試験となっており、主にインフラストラクチャーに関する幅広い内容が出題されます。
IaaS、PaaS、マネージドサービス、アクセスポリシーの設定などGCPのサービスについてその特徴に関するものや、基本的なCloud SDKコマンド(GCPのCLIツール)などが問われます。
参考:Google Cloud公式サイト「Associate Cloud Engineer」
Professional Cloud Architect
Professional Cloud Architect試験では、以下のような内容が問われます。
- クラウド ソリューション アーキテクチャの設計と計画
- クラウド ソリューション インフラストラクチャーの管理とプロビジョニング
- セキュリティとコンプライアンスに対応した設計
- 技術プロセスやビジネス プロセスの分析と最適化
- クラウド アーキテクチャの実装の管理
- ソリューションとオペレーションの信頼性の確保
インフラストラクチャーについての上級資格です。各サービスの特長を理解したうえで適切な設計を行う能力が問われるような内容が出題されます。
参考:Google Cloud公式サイト「Professional Cloud Architect」
Professional Data Engineer
Professional Data Engineer試験では、以下のような内容が問われます。
- データ処理システムの設計
- データ処理システムの構築と運用化
- 機械学習モデルの運用化
- ソリューションの品質の確保
データ分析及び機械学習についての上級資格です。データを収集、変換、公開して、データに基づく意思決定ができる能力が求められます。また、既存の機械学習モデルの活用、デプロイ、継続的なトレーニングについての知識も必要になります。
参考:Google Cloud公式サイト「Professional Data Engineer」
Google Cloud認定資格の受験方法
Google Cloud認定資格の試験の申し込みはGoogle Cloud 公式ページからGoogle Cloud Webassessor アカウントを作成して行います。
・Google Cloud 公式ページはこちら
以前はKRYTERIONのテストセンターでの受験のみでしたが、2020年から遠隔監視でのオンライン受験も可能になりました。オンライン監視を希望する場合にはテストの受験環境についての要件が別途記載されているためよく読んで確認をする必要があります。
まとめ
今回はGoogle Cloud認定資格の資格体系について説明しました。
次回は認定資格の中でもベーシックで人気のあるAssociate Cloud Engineer試験の学習方法についてご紹介します。どうぞお楽しみに。
Google Cloud及びGoogle Cloud PlatformはGoogle LLCの商標です。
掲載された社名、製品名は、各社の商標及び登録商標です。
Google Cloud Platform 認定トレーニング
Google Cloud Platform認定トレーニングは、GCPの技術を最大限に活用するための最新の知識とベストプラクティスを習得するためのプログラムです。 厳しい審査を通過した、Googleの技術とソリューションに精通した講師がトレーニングを提供しています。