オンライン研修のキホン~仕組み、メリット・デメリットなど~
COVID-19対策と人材育成の両立のため、2020年、急速に注目が高まったオンライン研修。
「オンライン研修は、どういう仕組みで行っているの?」
「オンライン研修のメリット、デメリットとは?」
「一方的な講義を聞くだけで、双方向のやりとりやグループワークはできないのでは?」
などなど、気になっている方もいらっしゃることと思います。
今回は、そのようなオンライン研修に関する疑問にお答えします。
目次[非表示]
- 1. オンライン研修の仕組み
- 2. オンライン研修のメリット
- 3. オンライン研修のデメリット
- 4. オンライン研修のセキュリティ上の注意点
- 5. オンライン研修での演習
- 6. オンライン研修でのグループワーク
- 7. まとめ
オンライン研修の仕組み
オンライン研修とはWeb会議ツールを使用してオンラインで受講できるスタイルの研修です。ツールは、Zoom、Microsoft Teams等があります。なおトレノケートでは基本的にはZoomを利用しています。
もっともシンプルな実施方法では、講師がスライドを画面共有しながら、音声での解説や画面操作によるLive講義を行います。
一方的な講義ではなく双方向のやりとりも可能です。例えば質問等がある場合は挙手ボタンやチャットで講師に知らせることができます。後述するように、演習やグループワークを行うこともできます。
オンライン研修のメリット
研修会場に集合せず、どこからでも参加できる
Web会議ツールを使用できる機材とネットワーク環境があれば、自宅やオフィスなど場所を問わず参加が可能です。研修会場に集合する必要がないので、3密を避けられるという点においてCOVID-19などの感染症予防にも有効な研修スタイルです。
移動、宿泊などによる時間と費用が節約できる
自宅で受講する場合、移動の時間と費用がかかりません。遠方の研修参加のための出張・宿泊も、オンライン研修では不要です。会社にとっては交通費・宿泊費等の節約になりますし、受講者にとっては空いた移動時間を他のこと(予習復習・業務・家事・休息など)に使えるなどのメリットがあります。時間や費用の問題で集合研修の参加が難しい方も、オンライン研修なら参加しやすくなります。
オンラインならではのコミュニケーションのしやすさがある
質問したくても、大勢の前での挙手は気が引けてしまう……という場合も、オンライン研修であればボタンやチャットでコミュニケーションが取れるため、より気楽に質問等がしやすくなります。
【トレノケートオンライン研修受講者の声】
「物理的に移動しなくてすむというのはありがたいです。」
「通勤時間の分を復習や予習時間に使える。」
「いままでは参加できなかった遠方の研修を受講できるようになり、学びの機会が増えた。」
「育児で時間が限られているが、在宅受講ならなんとか参加できる。研修の機会が得られるようになり嬉しい。」
「大勢で研修を受講していると遠慮してしまうタイプだが、オンラインであればまわりを気にせずチャットで気軽に質問できる。」
オンライン研修のデメリット
一方でオンライン研修には下記のようなデメリット(集合研修と比べて注意したい点)もあります。
受講者の環境によって快適さが左右される
受講場所・機材・ネットワーク等は基本的に受講者が準備します。そのため、一人で集中できる部屋があるか、映像が見やすいディスプレイがあるかなど準備状況によって快適さが異なってきます。また、最低限の機材(Web会議に接続可能なデバイス、ネットワークなど)が無い、会社の規定でWeb会議ツールが使えないといった事情がある場合は受講自体が難しくなってしまうことも。
オンライン研修の主催会社の使用ツールや推奨機材をよく確認し、自分で準備が可能か、準備が難しい場合のフォローはあるか(レンタルサービス等)も含めて検討しましょう。
なお、トレノケートでは下記環境のご準備を推奨しています。
【必ずご準備いただきたいもの】
- Zoom等のWeb会議ツールを利用できるPC
- インターネット接続
【より快適な受講のためにご準備をオススメしているもの】
- ヘッドセットやイヤホン
- ディスプレイ(メインPCの他にサブディスプレイがあるとテキスト閲覧等に便利)
対面で行うこと前提の項目は修得しづらい
名刺交換や来客応対時の動作など対面が前提となっている項目については、オンラインだけで修得するのは難しいです。オフラインの研修も組み合わせて実施されることをおすすめします。
ただし、最近ではテレワークが浸透してきたことで「オンラインでの名刺交換」などの新たなマナーも出てきています。オンライン前提の動作についてはオンラインで学習されるとイメージがしやすくなります。
オンラインでの会話やプレゼンテーションにやりづらさを感じる方もいる
オンラインでは、相手の反応から得られる情報がオフラインより制限されるため、グループワーク等での会話やプレゼンテーションにやりづらさを感じる方もいらっしゃるようです。
発言する際には相手の反応を引き出しやすくするために「〇〇さんは、何か質問はありませんか?」など指名して呼びかけたり、他の方の発言を聞いている時には頷きや笑顔をいつもより大きめにしたりと、オフラインの時より意識的に行うと良いでしょう。
【トレノケートオンライン研修受講者の声】
「自宅での受講だったためモニターを複数接続したりするのが難しく、ラボにとまどいました。」
「オフィスの自席で参加したところ背後の視線が気になり途中で別室に移動した。」
「画面越しの会話だと相手が本当には何を考えているのかが分からない。とくに顔色が読みづらい。」
オンライン研修のセキュリティ上の注意点
オンライン研修で利用されるWeb会議ツールについては、一時期不正アクセス等の問題がニュースで取り上げられたことから、「脆弱性やプライバシーが心配」というご相談を受けることがありました。Web会議ツール提供各社はこうしたセキュリティ面での対策を随時行っていますが、ユーザー側も安全・安心に利用するために下記のような注意が必要です。
【主催者側】
- 会議IDは毎回変更する
- 待機室の機能を使う(入室を許可制にする)
- プライベートチャットは無効にする
【参加者側】
- 会議IDとパスワードを漏らさない
- 会議ツールのアプリケーションは、常に最新版を使う
オンライン研修での演習
スキルの確実な修得に向けて、演習はぜひ行いたいところですよね。
オンライン研修でも演習は可能です。
トレノケートでは、クラウド上やトレノケート社内にあるラボ環境に遠隔ログインし実際に操作しながら演習を行います。例えばAWSのコースでは、クイックラボ社のリモートラボを併用し、講座と演習を織り交ぜて実施しています。
【オンライン研修の実施例】リモートでも演習実施 AWSエンジニア育成
オンライン研修でのグループワーク
特にビジネス研修で取り入れることが多いグループワークも、オンライン研修で実施可能です。
Zoomでは、参加者を別々のグループ(ブレイクアウトルーム)に振り分けるブレイクアウトセッション機能を使います。これによりグループに分かれてのディスカッションや、グループごとに1つの成果物を作り上げるワークなどを、集合研修と同様に行うことができます。
グループワークをフル活用した事例として2020年の新入社員研修があります。この研修では集合研修と同様、研修全体の7割をグループ演習にあてることで学習効果を上げることに成功しました。
研修サービス事例:アイレット株式会社 オンライン研修
まとめ
以上、オンライン研修のしくみや特徴をご紹介しました。
予想以上にオンライン研修で実現できることがあるのだな、という印象を持たれた方もいらっしゃることと思います。一方で、デメリットに書いたようにオンライン研修での修得が限定的になるトピックもあります。研修を効率的、効果的に行うには、修得したいトピックに応じて、オンライン研修、集合研修をうまく使い分けるのがオススメです。