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Microsoft AzureとLinux

 

Microsoft Azureの歴史

マイクロソフトがクラウド事業を正式に開始したのは2010年、その時の名称は「Windows Azure」で、Microsoft .NETをサポートするPaaS(Platform as a Service)でした。

定評ある開発環境「Visual Studio」との連携もよくできていて、Windowsの開発者には最初から広く受け入れられたようです。

ただ、当時のWindows Azureは、(.NET以外の)既存のプログラムをそのまま移行するのは少々難しく、「単純な仮想マシンが欲しい」という声も多く聞かれました。

そこで、マイクロソフトは「VM(仮想マシン)ロール」の提供を開始します。 

もっとも、VMロールは、開発者にはともかく、IT基盤担当者には少々使いにくかったようです。

それが2014年に仮想マシンサービスを一新し「Azure仮想マシン」が提供されてから、非常に使いやすくなりました。

そして、この時Windowsと同じレベルでLinuxもサポートすることが決まり「Windows Azure」から「Microsoft Azure」に改称されました。

 

Microsoft Azureの今

 

Azureの仮想マシンインフラは、Hyper-Vをベースにしています。

Hyper-Vを最初に搭載したWindows Server 2008当時のLinuxは、Hyper-Vのサポートが十分ではなくドライバーの入手などに苦労したものですが、現在は全く心配ありません。マイクロソフトがLinuxコミュニティに対してHyper-Vサポートコードを提供(contribute)しており、Linuxカーネルに最初から組み込まれているからです。

おかげで、手元で動作しているLinux仮想マシンをAzureにアップロードして実行することも簡単にできます。この場合、Azureにアップロードする前に補助プログラム(waagent)をインストールする必要はありますが、これも多くのLinuxディストリビューションに最初からパッケージとして組み込まれており、簡単に構成できます。 

古くからマイクロソフトを知っている人間にとって、マイクロソフトがこれほど強力にLinuxをサポートしていることはちょっと不思議な気がします。  

2001年、当時のマイクロソフトCEOだったスティーブ・バルマー氏はLinuxを激しく非難しました。しかし、2010年頃から徐々に態度が変化し、CEOがサティア・ナデラ氏に交代した2014年には「Microsoft LOVES Linux」という発言も出ています。Windowsの内部構造に密接に関わっていると考えられているSQL Serverですら、Linux版が発表されているくらいです。 

 

「Microsoft Loves Linux」のブログ

 

https://cloudblogs.microsoft.com/windowsserver/2015/05/06/microsoft-loves-linux/

画像の保存先はAzureを使っています。

 

マルチベンダー時代がやってくる


現在、マイクロソフトがLinuxを含むオープンソース製品との共存を目指し、積極的なサポートすらしているのは「CEOが変わったから」だと思っている人が多いようです。

確かに、CEO交代は世間の印象を変える大きなきっかけにはなったと思いますが、実際にはCEO交代以前からの方針が引き継がれただけです(「CEO交代で加速した」ということはあるでしょうけど)。

この流れはこれからも続くでしょう。そういえば、マイクロソフト社内でMacintoshを見ることも増えました。他社製品を積極的に取り込むことには抵抗がなくなったようです。

現在、Microsoft Azureで動作する仮想マシンの半数以上がLinuxマシンだそうです。そして、Linuxを主に使っている方のクライアントはたいていMacintoshです。

私たちのトレーニングにも、「実はWindowsはあまり知らなくて」という方がAzureの教育コースにいらっしゃいますし、お持ちになったPCがMacintoshのこともよくあります。これから、本格的なマルチベンダー時代がやってくるようです。

 

LinuxユーザーのためのMicrosoft Azure

 

LinuxユーザーのためのMicrosoft Azureコースを3つご紹介します。

いずれも、演習環境はAzure側がRed Hat Enterprise Linux、受講者用はWindows 10の「Bash on Ubuntu on Windows Subsystem for Linux」を利用します。Linux環境は、ビジネス向けLinuxとして評価が高いRed Hat Enterprise Linux(RHEL)を利用する予定です。

Azure上のRHELは、Red Hat社のサポートが含まれるため、マイクロソフトが提供する各種の無料枠では利用できませんが、研修中は自由に使っていただけるはずです。どうぞご期待ください。

 

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Microsoft AzureによるLinux仮想マシン展開: 基礎編

Microsoft AzureによるITインフラの拡張のテキストをそのまま使い、演習だけをLinuxに変更したものです。コース詳細はこちら

 

Microsoft AzureによるLinux仮想マシン展開: 実践編

Microsoft Azureによるサイト間ネットワークの構築からWindowsに特化した章を取り除き、代わりにMicrosoft Azureによる災害復旧手法の仮想マシンバックアップの部分と、Azureが持つ監視機能の説明を新たに追加したものです。コース詳細はこちら

 

Microsoft AzureによるLAMP環境のホスティング

タイトル通り、AzureのLinux仮想マシンを使ってLAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP)環境を構築する体験型のコースです。コース詳細はこちら



トレノケートのMicrosoft Azure研修

トレノケートは2002年に、マイクロソフトのラーニングソリューション分野において
日本で初めてゴールドパートナーとなりました。以降、幅広い分野で多数のトレーニングを提供し続けています。
Microsoft Azure エンジニアの育成はトレノケートにお任せください。

 

Microsoft Azure研修はこちらから

 

横山 哲也(よこやま てつや)

トレノケート株式会社 講師。Microsoft Certified Trainer/Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert/Microsoft Certified: Azure Administrator Associate/ Microsoft Certified: Azure Fundamentals/Microsoft MVP: Cloud and Datacenter Management(2003年-2018年)/EXIN Cloud Computing Foundation/ AWS 認定クラウドプラクティショナー。1994年から現在まで、Windows Serverの全てのバージョンでコースを担当。2005年からはサーバー仮想化、2014年からMicrosoft Azure関連コースを担当。現在は、AzureとWindows Server 2016を中心に教育コースを実施しているほか、新規コースの企画・開発も担当している。趣味は写真、好きなサービスは「Active Directoryドメインサービス」、好きなアイドルは「まなみのりさ」。

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