OJT制度を導入し、配属前後に説明会やOJTトレーナー研修を実施していても、それだけで現場のOJTが順調に進み続けるとは限りません。
OJTトレーナーは通常業務を抱えながら、新入社員の成長を支援しています。指導計画書や面談記録を提出していても、人事からの反応が見えなければ、「これでいいのだろうか」と不安を抱えたまま伴走を続けることもあります。
本記事では、OJT制度が定着した組織で起こりやすい課題をもとに、OJTトレーナーをフォローする場の意義と、人事がOJTをより充実させるための関わり方を紹介します。
OJT制度・OJT支援の進め方についてまずは話を聞いてみる
目次
OJT制度は定着しても、安心はできない
多くの企業では、OJTを「制度」として運営しています。
ここでいう制度化とは、新入社員(あるいは若手社員)に対して1人のOJTトレーナーを割り当て、一定期間、成長支援のために伴走してもらう仕組みを、人事主導で運営することを指します。
現場任せのOJTから人事主導のOJTへ。部署ごとに異なるOJTから、一定の枠組みの中で運営するシステマティックなOJTへ。
こうした取り組みが広がってから四半世紀ほどが経過し、多くの企業でOJT制度そのものは定着しています。
一方で、制度というものは、時間の経過とともに形骸化する危険があるものです。
制度導入当初は、「誰をOJTトレーナーにすればよいのか」「適任者がいない」といった声が人事にも数多く寄せられますが、ひとたび、浸透すると、そうした声は聞こえにくくなります。人事も「OJT制度は順調に運営されているのだろう」と安心しがちです。
でも、現場で運営されているOJTには少なからずばらつきが生じていることがあります。
だからこそ人事は、新入社員の配属前後に説明会やOJTトレーナー研修を実施するだけでなく、その後のOJTが問題なく進行しているかを見守っていく必要があります。
OJTトレーナーの声は人事に届いているか
OJTトレーナーからは、次のような声を聞くことがあります。
- 「人事から、指導計画書に実績を反映して毎月提出するよう言われているので出しているが、それに対するフィードバックがない」
- 「上司とOJTトレーナーと新入社員の3者面談を実施し、記録も提出しているが、人事が見ているのかどうかもわからない」
OJTトレーナーの多くは、初めてその役割を担います。
「これでよいのだろうか」
そんな不安や迷いを抱えながら、新入社員の成長を支援しています。
しかも、OJTトレーナーになったからといって、自分の業務が大きく軽減されるわけではありません。多忙な中で、右も左もわからない新入社員に寄り添い続けることは決して容易ではないのです。
そのような中で、人事へ提出する書類や面談記録に対して、
「何かアドバイスがもらえるかもしれない」
「ねぎらいの言葉くらいはあるだろう」
と期待していても、実際には、人事から特に反応がない。そうしたケースは意外と多いようです。
人事にも事情がある。それでもフォローは必要になる
もちろん、人事側にも事情があります。
例えば新入社員の数だけ上がってくる報告すべてに個別フィードバックを行うのは容易ではありません。
「提出された内容には目を通しています。問題がありそうな場合は、OJTトレーナーや上司に連絡し、必要な介入もしています」
「順調そうな場合は、現場に任せる方がよいと考えています」
そう話される人事担当者もいらっしゃいます。それもよくわかります。
しかし、OJTが人事主導で運営される制度である以上、OJTトレーナー自身のモチベーション維持や向上もまた、人事が取り組む課題の一つです。
OJTトレーナーのフォローアップ研修という選択肢
個別のフィードバックが難しいのであれば、OJTトレーナー同士が集まり、情報交換できる場を設けるのはおススメです。
例えば、秋や冬にOJTトレーナー向けの中間振り返り研修やフォローアップ研修を開催するのです。そこに人事も同席し、日頃の感謝やねぎらいを伝える。
そうした場であれば、人事からのメッセージやフィードバックも一度に届けることができます。
また、人事にとっても現場で起こっていることを直接知る貴重な機会になります。
フォローアップ研修で共有できること
OJTトレーナー向けのフォローアップ研修では、次のようなテーマについて対話を行います。
- 新入社員の成長度合い
- OJTトレーナーとしての自身の成長
- 効果があった取り組みとその理由
- 困った事象やうまくいかなかった取り組みとその原因や対処
- 残りのOJT期間に向けた取り組み計画
こうした対話を通じて、OJTトレーナー同士が経験を共有し、学び合うことができます。
人事も、OJTの現場でうまくいっていることや、課題になりそうなことを直接把握することもできます。場合によっては、現場に入って解消すべき事象を察知する機会にもなりえます。
OJTトレーナーからすれば、「この機会に、人事に相談してみよう」と思い、わざわざ連絡をとるほどではないが、ちょっと聞いてみたいことを尋ねる場にも使えます。
OJTトレーナーを支えることが、OJT制度を支える
OJTトレーナーは、周囲を巻き込みながら新入社員の成長を支援しています。
しかし、一番責任を感じているのは、やはりOJTトレーナー本人です。
だからこそ、「これでいいんだ」と自信を持ったり、「もう少しこんな工夫をしてみよう」と前向きになれたりする機会は重要です。
OJTトレーナーのフォローアップは、OJTトレーナーのふりかえりの支援とねぎらいを伝える場になるだけでなく、人事がOJTの取り組みをより充実したものにするための現場とのつながりを持つ場としても重要なのです。
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OJT制度が定着していても、現場での進め方やOJTトレーナーの不安、フォローの必要性は企業によって異なります。OJTトレーナーを支えながら制度をより充実させるには、自社の育成方針や現場の状況に合わせて、振り返りや情報交換の機会を設計することが大切です。
トレノケートでは、企業ごとの課題や人材育成の目的に応じて、一社向けのカスタマイズ研修をご提供しています。ご相談内容によっては、本記事で取り上げたようなOJTトレーナー向けのフォローアップ研修や、OJT制度の運用支援に関連する内容を研修に取り入れられる場合もあります。
OJTトレーナーを支えながら、新入社員育成をより充実させたい方は、以下よりご相談ください。
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