人工知能(AI)が急速に発展する現代社会において、AIには真似できない「人間らしさ」が改めて注目されています。その中核を担うのが「非認知能力」です。子どもの教育でよく耳にするこの能力は、実は大人になってからも伸ばすことができ、社会人としての成長・活躍に大きく影響します。
この記事では、社会人にとっての非認知能力の重要性から、大人でも実践できる効果的なトレーニング方法、さらには企業研修を活用した能力開発まで詳しく解説します。
非認知能力向上セミナーのご紹介
「AIに代替されない力=非認知能力を身につける」をテーマに無料セミナーを開催いたします。非認知能力の重要性と実践的な高め方を知り、今後の育成計画や学習プログラムの策定に役立てていただければ幸いです。
- セミナー名:成果を出す若手を育てる『非認知能力』開発法~AIが代替できない"見えない力"を高める育成戦略~
- 日時:2025年8月21日(木)13:00~14:00
- 場所:オンライン
- 参加費:無料
- 対象者
- 非認知能力を活用し、社員のポテンシャルを引き出したい人事・人材開発部門の責任者、担当者の方
- 新人・若手の早期戦力化を目指すマネジメント層(役員、マネジャー)の方
- 非認知能力を磨き、キャリアアップを目指す社会人の方
後日詳細ページを公開予定です。メルマガでもお知らせしますので、気になる方は事前登録をお願いいたします。
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非認知能力(ノンコグニティブスキル)とは、IQやテストで測れる学力などの「認知能力」とは異なる、人間の内面や対人関係に関わる幅広い能力の総称です。意欲、忍耐力、自制心、社交性、計画性、自己効力感などが含まれます。
重要なのは、能力 = 認知能力 × 非認知能力という考え方です。いくら認知能力(知識や技術)が高くても、それを活かす非認知能力が低ければ、総合的な能力は限定されてしまいます。逆に、非認知能力を高めることで、既存の認知能力を最大限に発揮することができるのです。
非認知能力の主な要素
非認知能力は多岐にわたりますが、社会人として特に重要な要素には以下のものがあります。
自分を見つめる力 |
他者と協働する力 |
前に進む力 |
成長する力 |
- 自己認識力:自分の感情や思考を理解する能力
- メタ認知力:自分の考え方や行動を客観的に観察する能力
- 自己制御力:感情や衝動をコントロールする能力
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- 共感力:他者の感情や状況を理解する能力
- 傾聴力:相手の話を真に理解しようとする姿勢
- チームワーク:多様な人々と協力して目標を達成する能力
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- 意欲・粘り強さ:困難に直面しても諦めず取り組む力
- レジリエンス:挫折から立ち直る回復力
- 主体性:自ら考え行動する力
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- 向上心:より良くなろうとする姿勢
- 柔軟性:変化に適応し新しいことを学ぶ能力
- 批判的思考:多角的に物事を考察する能力
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これらは相互に関連し合い、社会人としての総合的な人間力を形成します。どれか一つだけが突出していても十分ではなく、バランスよく発達させることが重要です。
大人の非認知能力に関する具体的な事例
非認知能力は、社会人においても重要な能力です。社員研修の場でも注目されてきています。そのような中、企業研修を提供しているトレノケート株式会社の講師が実際に教育現場で伺った非認知能力に関する具体的な事例について、紹介します。
ある若手エンジニアの現場対応
システムエンジニアのAさん(入社3年目・25歳)は、クライアント企業Z社で導入したシステムの運用・保守を担当していました。ある朝、Z社の担当者Xさんから「帳票出力機能が使えない」との連絡を受け、上司に相談のうえZ社を訪問することに。現地に到着するや否や、AさんはXさんに勢いよく対応を始めました。
「プリンタドライバが原因かもしれません。パソコンを見せてもらえますか?」
Xさんは13時からの会議資料作成中でしたが、Aさんの勢いに押され、やむなくPCを渡しました。
技術対応に集中するあまり、関係構築に失敗
Aさんは原因を探るため、同僚と電話をつなぎながら対応を続け、解消までに約4時間。Xさんは進捗確認を試みるも、Aさんが電話中で会話の余地なし。
最終的に対応は完了しましたが、Xさんは会議の資料を作れず、昼食も取れないまま13時の会議へ。Aさんは後ほど簡単な報告メールだけを送り、満足げに社へ帰社しました。
クレームの発生とAさんの反応
1週間後、Z社との別件商談中に、XさんからAさんの対応に関するクレームが。
「状況が分からず不安だったし、パソコンも使えず困りました」
この話を受けた上司がAさんに伝えると、Aさんは納得できず、「自分は頑張ったのに」「Xさんがレベル低い」と不満を漏らし、翌日には欠勤。その後の勤務態度にも悪影響が出始めました。
この事例から学べる「非認知能力」の重要性
このケースでは、Aさんの技術スキル(認知能力)は十分であった一方で、
- 相手の立場を思いやる「共感力」
- 状況を冷静にふり返る「自己認識力」
- 感情をコントロールする「自制心」
- 失敗を糧にする「回復力(レジリエンス)」
といった非認知能力の不足が、信頼関係の構築を妨げ、ビジネスチャンスの損失にもつながってしまいました。
大人も高めるべき非認知能力とは
非認知能力は、子ども時代だけでなく、社会人になってからも鍛えることが重要です。学校教育でも注目され始めた非認知能力ですが、職場では上司や組織の働きかけも、育成の大きなカギになります。
非認知能力がなぜ今注目されているのか、その理由について解説していきます。
最近の学校教育においても、非認知能力を養うことに力が入れられるようになってきています。新しい学習指導要領では「生きる力」の育成が重視され、単なる知識の習得だけでなく、課題解決能力や主体性、協働性などの非認知能力の育成が強調されています。
企業においても、新入社員や若手社員に対して「ソフトスキル」や「ビジネススキル」という表現よりも「非認知能力」という言葉を使用することで、その必要性をより正確に認識してもらいやすくなっています。
非認知能力が広く注目されるきっかけとなったのは、2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授による研究です。ヘックマン教授は、幼少期からの非認知能力の発達が、学業成績だけでなく、将来の就労状況や健康、犯罪率などの社会的成果に強く関連することを実証しました。
この研究は、教育において非認知能力の発達を促すことの経済的・社会的リターンが非常に高いことを示し、教育政策から企業の人材育成まで幅広い分野に影響を与えています。
AIの発展と変化する社会
AI技術の急速な発展により、従来は人間にしかできないと思われていた業務の多くが自動化されつつあります。特に、情報処理や分析、定型業務などの認知能力を活用する仕事は、AIによる代替が進んでいます。
一方で、創造性、共感力、リーダーシップ、チームワークなどの非認知能力を必要とする領域では、人間が依然として優位性を保っています。このため、AIと共存する未来の職場では、非認知能力がより重要な差別化要因となると予測されています。
VUCA時代と人生100年時代
現代はVUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代と言われ、1つの専門スキルだけでは生き残ることが難しくなっています。周囲の状況をよく観察し、臨機応変に対応できる能力が求められています。
また、平均寿命の延伸により「人生100年時代」と呼ばれる長寿社会が到来しています。従来の「教育→仕事→引退」という単線型のライフコースは変化し、複数のキャリアを経験する「マルチステージ」の人生が一般的になりつつあります。
このような環境では、変化に適応し、自らのキャリアを主体的に設計・再設計する能力が求められます。非認知能力は、この「キャリア自律」の基盤となり、長い職業人生を通じた成長と変化を支える重要な要素です。
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大人こそ知ってほしい非認知能力に関する誤解
非認知能力についてはいくつかの誤解が存在します。これらを正しく理解することで、より効果的に能力開発に取り組むことができます。
よくある誤解の一つは、「非認知能力は幼少期にのみ発達するもので、大人になってからでは遅い」というものです。確かに発達心理学の観点からは、早期からの非認知能力の育成が理想的ですが、大人になってからでも十分に伸ばすことが可能です。
脳の可塑性(変化する能力)は生涯にわたって存在し、適切なトレーニングと環境によって、大人の非認知能力も大きく向上させることができます。むしろ、自己認識が高まっている大人だからこそ、効果的に非認知能力を伸ばせる部分も多いのです。
もう一つの誤解は、「非認知能力は性格の一部なので変えられない」というものです。しかし、心理学的には気質(生まれつきの傾向)、人格(育った環境の影響)、性格(習慣化された行動パターン)は異なるものです。
気質は確かに変えにくい部分がありますが、人格や性格は意識的な取り組みによって変化させることが可能です。多くの研究が、意図的な実践と振り返りによって、大人の性格特性や行動パターンが変わることを示しています。
非認知能力が低い大人の特徴と影響
大人になっても非認知能力は高めることが可能です。しかしながら、その重要性に気づかずにいると生じる課題も存在します。ここでは非認知能力が低いと生じる課題 、仕事や人間関係への影響について紹介します。
非認知能力が低いと生じる課題
非認知能力が十分に発達していない大人には、主に以下のような特徴が見られることがあります。
- 感情のコントロールが難しい:ストレス下で感情的になりやすく、冷静な判断ができない
- 計画性の欠如:長期的な目標設定や計画的な行動が苦手
- 変化への抵抗:新しい状況や予期せぬ変化に対応することが難しい
- 自己効力感の低さ:自分の能力を過小評価し、挑戦を避ける傾向がある
- 対人関係の構築が苦手:他者との効果的なコミュニケーションや信頼関係の構築に課題がある
これらの特徴を一概に良い悪いで評価するのではなく、もし心当たりがある場合は「非認知能力を適切に 伸ばすことで、ポジティブな変化がみられる」という可能性を念頭に置いておきましょう。
仕事や人間関係への影響
非認知能力の不足は、職場や私生活において様々な影響をもたらします。
仕事への影響
大人の非認知能力の不足は、職場・仕事環境において下記のような影響をもたすことがあります。
- プロジェクトの長期的な取り組みが困難になる
- チームワークの質が低下する
- ストレスに弱く、バーンアウトのリスクが高まる
- キャリア発達の停滞や機会損失につながる
仕事の場において上記のような現状に自分自身が心当たりがある、もしくは身の回りにそうした新入社員がいるといった場合、非認知能力を高める研修やトレーニングを実施することで、解決の方向へグッと歩を進めることができます。
人間関係への影響
大人の非認知能力の不足は、私生活・人間関係へも下記のような影響を与えることがあります。
- コミュニケーション上の誤解や対立が増える
- 信頼関係の構築が難しくなる
- ネットワーキングの機会が限られる
- サポートを受けにくい環境になりやすい
こうした特徴がみられる場合であっても、日ごろのトレーニングや大人向けの研修を適宜取り入れることで、足りていない非認知能力を高め、私生活・人間関係を好転させていくことが可能です。
大人の非認知能力を高める5つのポイント
大人の非認知能力を高めるためには、職場や私生活に限らず、 日ごろから押さえておきたい5つのポイントがあります。
- 内省を深める
- 具体的な目標を設定する
- 周囲のサポートを活用する
- 非認知能力の測定と評価の難しさを理解する
- バランスの取れた発達を意識する
それぞれについて詳しく解説します。
内省を深める
内省(リフレクション)は、経験から学び、自己認識を深めるために不可欠なプロセスです。日ごろから自分自身と向き合い、内省を深めることは、非認知能力向上へ寄与します。
具体的な目標を設定する
漠然とした願望ではなく、具体的で測定可能な目標を設定することが重要です。また、目標設定の際は、頭の中だけで思い描くだけでなく、紙に書いたり、声に出したりすることも大切といえます。
周囲のサポートを活用する
非認知能力の向上は、一人で取り組むより、サポートを受けながら進める方が効果的です。職場であれば、研修の受講や上司からの協力を得るという選択肢もあります。
非認知能力の測定と評価の難しさを理解する
非認知能力の向上における大きな課題の一つは、その成長を客観的に測定することの難しさです。点数化しにくいため、向上したかどうかを実感しづらいという特徴があります。
バランスの取れた発達を意識する
非認知能力は一つだけを伸ばせば良いというものではありません。むしろ、複数の能力がバランスよく、相互に補完し合うことが重要です。時には相反するように見える能力(例:自己主張と傾聴力)も、状況に応じて適切に発揮できることが理想的です。
日ごろからできる大人のための非認知力トレーニング
非認知能力は、適切な取り組みによって大人になってからも伸ばすことができます。以下では、普段から個人でも取り組める具体的なトレーニング方法を紹介します。
自己認識を高める方法
非認知能力を伸ばすためには、まず自己認識を高めることが重要です。自己認識とは、自分自身を理解すること、自分が置かれている状況や精神状態に気づいていることを指します。
メタ認知を活用した自己分析
メタ認知とは「自分の思考について考える能力」です。これを高めるには、下記のような方法が有効です。
- 定期的に「なぜそう考えたのか」「別の見方はないか」と自問する習慣をつける
- 重要な意思決定の前後に、自分の思考プロセスを振り返る時間を設ける
- 「認知バイアスチェックリスト」を作成し、定期的に自分の思考パターンをチェックする
自身の思考の癖を知ることは、非認知能力向上のために大切です。ただ知るだけではなく、良い部分は伸ばし、そうでない部分は改善を図ることも意識しましょう。
日記や振り返り習慣の重要性
自己認識を深めるための効果的な方法として、日記や振り返りの習慣があります。
- 1日の終わりに「今日の出来事」「感じたこと」「学んだこと」を5分間書き出す
- 週末に「今週の成功と失敗」「来週に活かせること」をまとめる
- 「感情日記」をつけて、強い感情を感じた瞬間とその理由を記録する
このような習慣は、自分の感情や行動パターンへの理解を深め、より意識的な選択ができるようになります。普段の生活にも取り入れやすいため、参考にしてみてください。
コミュニケーションスキルを鍛える
非認知能力を伸ばすためには、コミュニケーションスキルを鍛えるのも大切です。
傾聴力を向上させるトレーニング
真に相手の話を「聴く」能力は、非認知能力の重要な要素です。
- 3分間傾聴練習:会話の中で3分間、相手の話を遮らず、質問だけで会話を続ける
- アクティブリスニング:相手の言葉を要約して返す練習をする
- 非言語コミュニケーション観察:相手の表情やジェスチャーに意識的に注意を払う
上記のような取り組みは、傾聴力を伸ばすには適切なトレーニングになります。
フィードバックを受ける習慣をつける
成長のためには、他者からのフィードバックを積極的に求めることが重要です。
- 信頼できる同僚や上司に定期的なフィードバックを依頼する
- 「何が良かったか」と「何を改善できるか」の両面からのコメントを求める
- フィードバックを防衛的にならずに受け止める練習をする
今の時代は、インターネットやSNSで様々な人々とつながることができます。そうしたオフライン上のつながりも活かし、フィードバックを得る機会を増やしていくのも一つの手です。
レジリエンスを強化する
レジリエンスとは、「逆境や困難を乗り越え、立ち直る力」です。困難な状況から回復し、より強く成長していく心の力は、非認知能力を伸ばす一つのカギになります。
感情マネジメントを学ぶ
感情をコントロールする能力は、ストレス状況下でも冷静さを保つために不可欠です。
- 感情の命名:感じている感情を具体的に言語化する(「イライラする」ではなく「焦りを感じている」など)
- 感情の一時停止:強い感情を感じたら、6秒間深呼吸してから反応する
- 認知的再評価:状況の解釈を変えることで、感情の質を変える練習をする
自身の感情を認識し、コントロールする力を身に着けるためには、上記のようなトレーニングを日ごろから心がけると良いでしょう。
ストレス対処法を習得する
ストレスに効果的に対処するスキルを身につけることで、レジリエンスが高まります。
- マインドフルネス瞑想:1日5-10分の瞑想習慣を取り入れる
- 身体活動:定期的な運動でストレスホルモンを減らす
- サポートネットワーク:困難な時に頼れる人間関係を意識的に構築する
上記以外にも「自分なりのストレス対処法を見つける」ことが重要です。自身のストレスを認識し、解決する。その一連のストレス解消の流れを身に着けるだけで、レジリエンスはグッと高まるでしょう。
目標設定と行動習慣の確立
目標設定と行動習慣の確立は、非認知能力を伸ばすために、仕事の場面だけではなく私生活においても重要な取り組みです。
SMART目標の活用
効果的な目標設定は、モチベーションの維持と成長に不可欠です。
- Specific(具体的)
- Measurable(測定可能)
- Achievable(達成可能)
- Relevant(関連性がある)
- Time-bound(期限がある)
例えば「コミュニケーション能力を高める」という漠然とした目標ではなく、「3ヶ月間、週1回のコミュニケーション向上に関するセミナー・研修に参加し、5分間のスピーチを3回行う」というSMART目標に設定します。
定期的な振り返りと調整
目標達成のプロセスでは、定期的な振り返りと軌道修正が重要です。
- 週次・月次の進捗確認の時間を設定する
- 達成できなかった場合の原因を分析し、計画を調整する
- 小さな成功を認識し、自己効力感を高める
上記のような取り組みにより、日常的に「目標に対する進んでいる感覚」を持てるようになれば、非認知能力向上だけでなく、日常生活の幸福度・充実度を高めることにもつながります。
非認知能力を鍛える大人・社会人向けの研修
主に企業の人材育成担当の方や人事部門の方は、非認知能力に関する具体的な企業研修やトレーニングもチェックし、適切に導入していくことが求められます。
効果的な学習方法と研修の選び方
まずは組織として、非認知能力を伸ばすための効果的な学習方法と研修の選び方をきちんと押さえましょう。
研修の受講前後での変化を測定する
非認知能力の成長を可視化するためには、客観的な測定が重要です。
- 研修前に自己評価や360度評価を実施する
- 具体的な行動指標を設定し、変化を追跡する
- 研修後3ヶ月、6ヶ月時点での定点観測を行う
一から研修計画を設計・実施するのリソースがない・プロにお任せしたいという場合は、企業研修専門の会社へ相談するのも一つの手です。
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継続的な学習の仕組みを作る
一度の研修だけで非認知能力が劇的に向上することはありません。継続的な学習環境の構築が必要です。
- 学習コミュニティやピアグループ(年齢、性別、地位、能力などが同じまたは近い人々で形成されるグループ)に参加する
- マイクロラーニング(短時間の学習)を日常に取り入れる
- コーチングやメンタリングを活用する
対面だけではなく、インターネット・Webを活用した継続的な学習環境の構築も選択肢の一つです。場所の制約を受けず、社員の業務量に応じた柔軟な学習環境を提供できます。
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上司・リーダーができる非認知能力向上の働きかけ
組織において、非認知能力の向上は個人の取り組みだけでなく、上司やリーダーからの適切な働きかけが大きな影響を与えます。
メタ認知のサポート
上司・リーダーは、以下のようなことを心掛けることで部下や新入社員のメタ認知をサポートすることができます。
- 部下が自分自身を客観視できるよう、鏡の役割を果たす
- 適切なタイミングでフィードバックを提供する
- 「なぜそう考えたのか」「別の視点はないか」と問いかける
問いかけの際に大切なのは、高圧的・威圧的にならないことです。しっかりと部下の意見を引き出しやすい穏やかさをもってサポートするのが理想です。
経験の振り返りを支援する
上司・リーダーは、部下の「経験の振り返り」をサポートすることも重要です。
- 成功体験だけでなく、失敗からも学べる内省の場を設ける
- 承認できているところと課題の両方を明確にする
- 振り返りを次の行動に結びつけるサポートをする
このようにサポートすることで、部下の非認知能力を向上させることができます。
コミュニケーション機会の質と量を増やす
上司と部下のコミュニケーション機会の質と量は、部下の非認知能力向上に大きな影響をもたらします。
- 単なる業務連絡(道具的コミュニケーション)だけでなく、感情や価値観を共有する情緒的コミュニケーションの機会も設ける
- 多様な人々との対話の場を意図的に創出する
- フォーマル・インフォーマル両方のコミュニケーションを促進する
上記のようなサポートに上司・リーダーが取り組むことで、部下一人ひとりの非認知能力の向上につながり、チーム全体の活性化にも好影響を与えることがあります。
非認知能力向上に役立つ企業研修
社員の非認知能力向上のために、ビジネススキル・ヒューマンスキルの専門性を持った講師による企業研修を導入するのも価値ある選択です。
世界で最も優れたIT研修企業20社に選出されたトレノケート株式会社では、お客様のビジネスの成長を支援するため、社員の非認知能力向上に直結する豊富なトレーニングプログラムを提供しています。
他者と協働する力、共感力、傾聴力を高める研修
「【PDU対象】効果的コミュニケーション・スキル ~より良い対人関係を構築するための聴き方、話し方~」は、コミュニケーション・スキルの再点検とスキルアップを図る2日間のコースです。
分かりやすい演習で体験しながら学べるのが本コースの特徴でもあります。ビジネスの基礎となるコミュニケーションの取り方を、ロールプレイやディスカッションで学習するだけではなく、受講者同士や講師からのフィードバックによって、 “自分自身のコミュニケーションの再点検”が可能です。
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自制心、回復力を高める研修
「【PDU対象】【1Day REAL】「感情マネジメント」のコツ ~マネージャとしてイキイキと働くために~」では、マネージャが自身の感情を理解するとともに、感情をセルフマネジメントすることで、チームに良い影響を与えるための方法を1日間で効率よく学習します。
演習やフィードバックで得た「学び」を自分専用の「感情マネジメント・チェックリスト」としてまとめ、実務で活用していくことができます。自身の感情を理解するとともに、感情をセルフマネジメントすることで、チームに良い影響を与えるマネージャへと大きく前進できる研修です。
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主体性、向上心を高める研修
「【PDU対象】【1Day REAL】ジョブ・クラフティングで働きがいを創り出す方法 ~若手社員の自律につなげるワークショップ~」では、ビジネス・パーソンが自分の仕事にひと匙を加える(創意工夫して変化させる)=ジョブ・クラフティングの手法を用い、さまざまなワークを通じて自律的な取り組み姿勢や考え方、行動を1日間で効率よく再構築します。最後には、働きがいのある仕事に変えるためのジョブ・クラフティング計画カードを作成し、職場での実践およびフォローアップ(継続的な見直し)につなげます。
サービスマネジメントやプロジェクトマネジメントの手法も取り入れて現在の業務でひと匙を加えられることを明確にし、あわせてワークショップ形式で自身の強みや持ち味、役割を明確にすることで今後のキャリア形成を考えるきっかけにもなります。
▼研修の詳細を確認する
自制心、向上心を高める研修
ハイブリッドワークなどが広がり、働き方が多様化する今、モチベーションの状態を見直し、いつでも自分のモチベーションをセルフコントロールできるようになると、より楽しく、生産性高く働くことができます。
「【PDU対象】変化の時代を生き抜く!モチベーション ~成果を出す”私”になるためのセルフ・マネジメント(簡易版MSQ付き)~」では、今すぐ使えるモチベーションに関する知識とノウハウを1日間で効率よく身につけることができます。
このコースでは、簡易版MSQ(やる気を数値化し『見える化』するアンケート調査システム)を使い、自己分析を行います。自分のやる気を牽引する要因と阻害する要因を見える化し、やる気の牽引や阻害に関連する経験(エピソード)の棚卸も行います。どのように自分のモチベーションを育てていくかを検討した上で、最終的には、モチベーション向上計画を作成します。
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自分を高める力を伸ばす研修
「【PDU対象】IT人材のためのセルフマネジメント術 ~自分のリソースを上手にマネジメントする~」では、自身のセルフマネジメントの課題を明確にし、感情マネジメント、タイムマネジメント、スキルマネジメントのポイントを演習を交えて1日間で効率よく学習し、今後どのようにセルフマネジメントし、行動していくかを考えます。
ITに関わる業務は、納期に追われることやトラブル対応、夜間・休日の対応等、精神的・肉体的に負担が大きい業務が多いのが実情です。そのような中、IT人材には自らのメンタル・感情、時間、スキルといったリソースを、自分自身で上手にマネジメントする力が重要となってきます。本コースはそうした「IT人材のためのセルフマネジメント術」に焦点を当て、着実に伸ばすための1日間研修です。
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目標を達成する力を高める研修
「若手社員のためのタイムマネジメント ~自己管理力を高め、チームに貢献する~」では、時間管理とPDCAサイクルを効果的に活用するための方法を学習し、自分の業務時間をふりかえります。「2日分のご自身の業務実績 」をふりかえることで、翌日から実践できる項目を設定し、実践につなげることができる1日間の研修です。
タイムマネジメントとは、自分自身の業務の進め方や時間の使い方を自分自身でコントロールすることです。例えば、日々の業務に優先順位をつけ、定常時間内に成果を出す、割り込み業務に対処するなど、自分の業務時間を自分でマネジメントすることができれば、より円滑な業務遂行や自己成長につながります。目標を達成する力を伸ばしたい、そんな若手社員には必見のコースです。
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大人こそ“AIが代替できない非認知能力”を高めよう
AI技術の急速な発展により、多くの業務が自動化される中、人間にしかない能力の価値が高まっています。非認知能力こそ、AIが真に代替することが難しい、人間ならではの強みです。
これからの時代、技術的なスキルだけでなく、自己認識、感情マネジメント、対人関係スキル、レジリエンスといった非認知能力が、個人のキャリア成功と幸福な人生の鍵を握るでしょう。
幸いなことに、非認知能力は大人になってからも継続的に伸ばすことができます。日々の小さな習慣の積み重ね、意識的な自己観察、そして適切な研修やトレーニングを通じて、これらの能力を高めていくことが可能です。
変化の激しい現代社会を生き抜くために、ぜひ非認知能力の開発に投資してみてください。それは、AIとの共存時代において、あなたの最も価値ある資産となるはずです。
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