マーケティング部のこやまです。今日もひっそり活動しています。
以前、G検定の合格体験記を書きました。掲載当初からとても多くの方に読んでいただいて、嬉しいです。ありがとうございます。
あれから2年たった2021年冬、娘のイヤイヤ期もだいぶ和らいだところで今度は統計検定2級に挑戦しました。
結果、なんとか合格できましたのでその経緯をしたためたいと思います
(タイトルにノンITをつけましたが、今回IT知識は殆ど関係ないかと思います)。
※情報は2022年6月時点のものです。
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統計検定とは、一般社団法人日本統計学会が認定する、統計に関する知識や活用力を評価する試験です。
統計検定1級、準1級、2級、3級、4級、その他に統計調査士、データサイエンス基礎などがあります。
今回ご紹介する統計検定2級は、大学基礎科目レベルの統計学の知識と習得度、活用のための理解度を評価する検定です。
■試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
全国のCBT会場でコンピュータを使って受験
※1級以外の紙媒体を利用した従来の試験(PBT方式試験)は2021年をもって終了している
参考:1級以外の種別の紙媒体を利用した従来の試験(PBT方式試験)の終了について
■出題範囲の例:
- 1変数データ(中心傾向の指標、散らばりの指標、中心と散らばりの活用、時系列データの処理)
- 2変数以上のデータ(散布図と相関、カテゴリカルデータの解析、単回帰と予測)
- 推測のためのデータ収集法(観察研究と実験研究、各種の標本調査法、フィッシャーの3原則)
- 確率(統計的推測の基礎となる確率、ベイズの定理)
- 確率分布(各種の確率分布とその平均・分散)
- 標本分布(標本平均・標本比率の分布、二項分布の正規近似、t分布・カイ二乗分布、F分布)
- 推定(推定量の一致性・不偏性、区間推定、母平均・母比率・母分散の区間推定)
- 仮説検定(p値、2種類の過誤、母平均・母比率・母分散の検定[1標本、2標本])
- カイ二乗検定(適合度検定、独立性の検定)
- 線形モデル(回帰分析、実験計画)
※統計検定公式サイトより引用(2022年6月時点)。
詳細・最新情報は下記公式サイトをご確認ください。
一般財団法人 統計質保証推進協会の統計検定公式Webサイト
統計検定とは
統計検定2級
私は大学・大学院で教育心理学を専攻していたので、統計学の基本は学んでいました。なので卒論・修論にあたり調査・実験から統計ソフトを使った分析と考察まで一通り経験しています。
また、苦手な数学に関してはG検定の対策の際に基礎をしっかり復習していたので、記憶の彼方……という状態ではありませんでした。
正直、「試験結果をキャリアに活かそう!」といった後先はあまり考えていませんでした。そこに統計学があったからとでも言いましょうか。純粋に「統計学をきちんと勉強したかったから」ですね。(ただ、マーケティング職という仕事柄、データ分析のスキルは高めたいと思っていたので、その役に立てばという思いはありました。)
とはいえ、せっかく学生時代に学んでいたので今までも何度か教科書を読み返したりはしていたものの、明確な目標がないとやっぱりすぐに飽きてしまうんですよね。そんな時に統計検定の存在を知り、合格を目標に置いて勉強へのモチベーションを上げようと思いました。
2級を選んだ理由は、試験範囲とレベル感がちょうど良かったからです。頑張れば手が届きそうで、無理なく程よい知識が身につきそうな印象がありました。
私が試験を受けたのは2021年の12月でした。
試験勉強の期間は、およそ1年間位だったかと思います。
というのも統計検定2級はCBT方式でいつでも受験が可能だったため、「しっかり対策できてから受けよう」とつい先延ばしにしてしまいました。
2021年の春~夏頃は書籍やWebサイトを見て知識をインプットし、秋~冬にかけて過去問を解くなどのアウトプットに注力しました。
特に試験を予約してからおよそ1か月程度は一気に集中しましたね。朝は業務前に過去問を解き、休日も育児の合間に過去問を解き、お風呂でも参考書や過去問を読む日々が続きました。
なお今回、仕事や育児のスキマ時間での勉強だけでは過去問に全く歯が立ちませんでした。
これではマズイと思い、試験日を決めてからは周りの協力を得てまとまった時間を確保するようにしました。子どもがもうお昼寝をしないお年頃になったので、夫が積極的に公園に連れ出して遊んでくれたりしました。感謝です。
以前トレノケートの講師の皆さんに「おすすめの勉強法」を聞いたことがあるのですが、お話を聞いた方全員に共通していたのは「【知る→やってみる→人に伝える】の3点を意識しよう!」というアドバイスでした。
知識をインプットし、そのあと自分で手を動かして、さらに人に説明できるようになって初めて「理解した」と言えるとのこと。なので今回はそれを意識して対策を進めてみました。
合格した方のBlogなどで紹介されていたWebサイトや書籍を読んでいきました。
特に、「統計学の時間」「よくわかる心理統計」は繰り返し読み込んでいきました。「公式問題集」は3年間×2回分の合計6回分あるので、知識収集段階でまず2回分くらいを少しずつ解いてみて、総仕上げ段階ではきっちり時間を計って通しで解くという使い方をしました。
■Webサイト
■書籍
普段の業務で参照するデータを使って相関を出したり、重回帰分析を試したりしました。
後述するように結果を人に伝えるつもりで行っていたので、各指標の意味をしっかりと理解するいい機会になりました。
「人に伝える」に関しては、上記の分析結果の共有や、記述統計部分についての勉強会を行いました。また、人への説明ではありませんが書籍などで学習した内容を自分なりにノートに整理しました。これも一種のアウトプットかと思います。
人へ説明するにしてもノートへ書き出すにしても、理解を深めるうえでとても役に立ったと思っています。
インプットした情報の整理はもちろんのこと、書籍で軽く読み飛ばしていた点について
「あ、ここは説明できない。ということは理解が浅い。」
「この数値はどう解釈するのがいいのだろう。」
……と、立ち止まって復習し考えることになるので、おすすめです。
あとは、試験日が近づいたころには毎日のように繰り返し過去問を解いていました。 前述のとおり合計6回分の問題が収録されていましたが、1つあたり2~3回くらいは解いたかと思います。
私が受験した2021年までは紙媒体のPBT方式試験もあったのですが、都合の良い日程と場所が選べたので、近所のテストセンターでCBT方式試験の方を予約しました。
想定外だったのは、試験会場に用意されていた計算用紙と筆記用具です。
計算用紙はラミネート加工された紙で、そこにサインペンで記入する形でした。
これは試験会場によるかもしれません。普通の紙と鉛筆をイメージしていたので、少し戸惑いました。
また試験問題も、私が使っていた2017~2019年の過去問より大問の数が多い印象で、その分難しく感じました。後で気づいたことですが公式Webサイトには最新2021年の過去問が掲載されていたので、それも解くべきだったと反省しました……。
公式Webサイトに掲載されている過去の受験データによると、2021年6月の試験の合格率は34.1%とのこと(紙媒体によるPBT方式での試験)。
参考:受験データ
所感としては、かなり難しかったです。頭から煙が出るかと思いました……。単純に覚えれば良いというものではなく、「各トピックを深く理解し、覚えた知識を正しく使えるか」が求められている印象でした。私は計算が苦手でモタモタしてしまい(試験中は電卓を使えるのですがそれでも遅い……)、2問ほど解き終わらない問題がありました。
これは落ちたな……と思っていたので、合格だと分かった時には文字通り膝から崩れ落ちてしまいました。試験中に何度も心が折れそうになったものの時間切れになるまであきらめずに食らいついたのが良かったのかなと思っています。
ちなみに、統計検定は最年少合格者が公開されています。
2級はなんと小学生!驚きました……。
参考:統計検定の記録(最年少/年長者など)
以上、今回も長々と書きましたが、私の統計検定2級対策をまとめると下記のとおりです。
・自分が使いやすい参考書を繰り返し読む
・インプットだけでなくアウトプットを織り交ぜると理解が深まる
-何か分析をやってみる
-人に説明してみる
-ノートに整理する
・過去問を繰り返し解く(そのためにまとまった時間の確保が必要)
後先をあまり考えずに取得したものの、せっかく身につけた知識です。
いつの間にか忘れてしまわないように、そして実践に活かせるように今後も努力していこうと思います。
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