OJTがうまくいかないとき、原因は新入社員本人の姿勢や、OJTトレーナー個人の力量だけにあるとは限りません。実際には、「教える側」と「学ぶ側」の認識がずれたまま進むことで、担当者ごとにOJTの質や進め方がばらついてしまうことがあります。
では、OJTが“人によって違う”状態は、どこから是正すべきなのでしょうか。本記事では、OJTトレーナーと新入社員の双方が同じテーマをそれぞれの立場から学ぶ「両輪支援」という考え方をもとに、OJTの進め方と、うまくいかない状態を防ぐポイントを解説します。
▼OJTの進め方を専門家に相談する
早いところでは5月頃には新入社員が現場に配属され、本格的にOJTが始まります。
多くの企業では、新入社員一人ひとりにOJTトレーナーがつき、一定期間、仕事を覚え、自走できるようになるまで伴走します。
OJTトレーナーを担うのは、20~40代の先輩社員が中心です。同じ業務に携わっていること、そして「人の成長に関心があること」などを条件に、上司や人事から任命されることが一般的でしょう。
OJTは「新入社員を育てる仕組み」と捉えられがちです。しかし実は、OJTは新入社員だけでなく、OJTトレーナーにとっても大きな成長機会となります。そのため、OJTは「共に育つ」、いわば「共育」の取り組みだとも言えます。
OJTトレーナーに対して、任期を終える頃にアンケートをとると、次のような声がよく聞かれます。
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後輩のためのつもりで教えていたが、説明する中で自分の理解が曖昧だった点に気づき、業務理解を深めることができた
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教え方やフィードバックの仕方を見直すことで、自分のコミュニケーションの癖にも気づき、成長を感じた
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新人時代を思い出し、気持ちがリフレッシュされ、仕事へのモチベーションが高まった
「後輩のために、自分の時間を割くのは大変そうだ」と感じていたけれど、終わってみれば、自分自身の学びと成長につながる経験だった。そう振り返る人は少なくありません。
ただし、OJTトレーナーに任命されたからといって、最初からうまくできるわけではありません。「OJTトレーナー」研修を通じて、トレーナーとしての役割や心構え、教え方や関わり方の基本を事前に学んでおくことはとても重要です。
OJT開始前に十分な準備をすることで、必要以上に構えすぎることなく、自信と余裕をもって新入社員に向き合うことができます。
OJTでは、新入社員、すなわちトレーニー側がどのように学ぶかも重要です。
OJTトレーナーが伴走してくれるとはいえ、成長の主体はあくまでも新入社員本人です。
学び方やOJTの活用の仕方を知らないままだと、せっかくの支援を十分に活かせず、受け身のままOJT期間を終えてしまうことも考えられます。
そこで重要になるのが、新入社員向けの「OJT受け方研修」です。
OJTという仕組みの中で、自分は何を考え、どう振る舞い、どのように学び成長していくのかを、自分事として考える時間を持つことが、成長の質を大きく左右します。
OJTトレーナーは、効果的に支援するための知識・スキル・マインドを学び、新入社員は、支援を受けながらも「自分が成長の主体である」という前提に立ち、学び方そのものを身につけていく。
このように、教える側と学ぶ側の双方がOJTについて学ぶことを、私たちは「両輪支援」と呼んでいます。
両輪支援では、OJTトレーナーと新入社員といった関係において、双方が同じテーマを自分の立場の視点から学びます。
「コーチング」も同様に、両輪支援を具体化するテーマの一つです。
OJTトレーナーは、傾聴や問いかけを通じて、新入社員の考えや学びを引き出そうとします。新入社員側は、「なぜすぐに答えを教えてくれないのか」「なぜ問いを投げかけられるのか」を理解しておくことで、コーチングが意味のある支援として機能し始めます。
このように、同じテーマを“鏡合わせ”のように学ぶこと。それが、両輪支援の大きなポイントです。
双方がOJTについて学ぶことで、新入社員の成長は、より一層加速していくはずです。
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