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16進数の笑い

新入社員研修といえば、16進数である。今回は、多くのIT中年が言ってしまう16進数ジョークの話をしたい。

16進数の学習

新入社員研修といえば、といってもIT系に限られるのだが、印象深いのは16進数である。最近は、主に10進数と16進数の変換規則の習得を目標としており、加減算や補数の説明は最小限に留めている。


10進数が9の次に桁上がりをするように、16進数では15の次に桁上がりをする。15までを1桁で表現する必要があるので、9から先はABCDEFと続く。つまり16進数のAは10進数の10になる。


10進数15(16進数F)の次に桁上がりをするということは、16進数の10は、10進数の16になる。また、16進数の23は、10進数の35となる(16の位が2=32に、1の位が3なので、合計32+3=35)。

 

IT中年定番ジョーク

さて、ここからが本題である。

16進数を教えたあと「私の年齢はニジュウサン(23)歳です」みたいに言う人がいる。新入社員研修を23歳の若者が担当することはほとんどない。戸惑っている受講者に対して「16進数でね」とオチを付ける。これを読んでいる人の中にも、何度か言ったことがあるのではないだろうか。私は何度も聞いた。

 

16進数の正しい使い方

しかし、私が新人研修をするときは「この使い方は間違っている」とはっきり説明することにしている。


そもそも、10進数で35は、10の位が3で「サンジュウ(3×10)」、それに1の位の5を足したものだから「サンジュウゴ」と読むのである。16進数の2桁目は10の位ではなく16の位だから20を「ニジュウ」と読むべきではない。かといって「ニ・ジュウロク」と読んだのでは何だか分からない。そこで20は「ニ・ゼロ」、23は「ニ・サン」と読むことに決まっている。


もうお分かりだろう。「私の年齢はニジュウサンです」と言った時点で、それは10進数のことであり、16進数ではあり得ない。文字で「23」ならよいのだが、「ニジュウサン」と言っては駄目、明確に誤った言い方であり、試験だったら減点になる。

IT中年の正しい扱い方

新入社員研修では、ここまで説明したあと、こう続けることにしている。

みなさんも、歓迎会などで「私の年齢は23歳なんだ、16進数でね」みたいなことを言う先輩社員が必ずいます。その時は「それは間違った使い方ですよ」と否定するのは人間関係を損なうので、愛想笑いをして上げてください。

IT中年がここにいた

いつだったか、この話をした翌週、同じクラスでネットワーク系のコースを担当した講師が私に尋ねてきた。

「いやあ、なんか自分の年齢を16進数で言ったらクラス全員に爆笑されてしまって、いったいどうしたんでしょう?」

 

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