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社外で学ぶ

作成者: 田中淳子(たなかじゅんこ)|2020-02-04

社外で学ぶことを「越境学習」と言います。自分のバウンダリー(壁)を超えてどこかで学習することです。この越境学習は、成長実感や組織コミットメントに関係があるようです。

 

資格更新の講習に参加して得たもの

国家資格キャリアコンサルタントは、5年ごとに所定の時間、講座を受講し、資格維持をしなければなりません。私は国家資格化された初年度の2016年に資格を取得したので、更新期限は2021年。早めに資格更新の要件を満たそうと、次々と指定講座を受け、やっと必要時間数を満たすことができました。

講座の参加者(つまり、私にとってのクラスメイト)は、当然全員が「国家資格キャリアコンサルタント」なわけですが、職業自体は実にまちまちです。学校で学生向けに就労支援をしている方。ハローワークの職員。シニアの再就職支援を専門にしている方。企業内で人事として社員のキャリア相談に応じている方。同じ資格を持っていても活用場面が異なるため、経験の種類も深さも多様です。多くのクラスメイトと関わる中で、私自身、多くの視点を得、視野を広げることもできました。資格更新要件を満たすだけでなく、そこでの刺激がそのまま実業務にも生かせるものとなりました。

 

社外に越境して学習する人の特徴

『職場学習の探求』(中原淳編著、生産性出版、2012)に『職場を越境するビジネスパーソンに関する研究~社外の勉強会に参加しているビジネスパーソンはどのような人なのか~』という論文が載っています。立教大学の舘野泰一さんの研究です。興味深いポイントを要約すると以下のようなことが書いてあります。

「人は、社内の学習機会に参加するだけではなく、社外の学習にも積極的に参加していくことで、成長実感も組織へのコミットメントも高まる。それには、当然、明確な参加目的があったほうがよい。単に、誰かに誘われたから行ってみるとか、タダだったから参加してみるとか、ではなく、『これが得たい』『これを目的にしよう』と目的を持っているほうがより多く学べる。」

 

意識的に社外に出てみる

今回、私は国家資格の維持が第一の参加目的ではありましたが、それによってキャリアコンサルティングの新しい知見を得るだけでなく、他者の経験を聴きたいとも思っていました。せっかくなので、そこでの学びを「キャリア開発支援」の研修開発や実施にも役立てるつもりもありました。結果的には、第一の目的である資格維持にとどまらない大きなメリットを感じることができました。

インターネット上には、様々な学習機会が見つかりますし、セミナーなどを探しやすいアプリもたくさんあります。「目的を持って社外に出て学習する」ことがとてもたやすくなりました。仕事上で抱えるモヤモヤに関係しそうなもの、自分の興味関心アンテナにひっかっかるものに参加してみるのもよいと思います。

 

トレノケート人材開発塾

2020年2月26日に弊社新宿LCにおいて、第7回人材開発塾を開催します。

トレノケート人材開発塾 第7回「社員のキャリア開発を支える仕組み ~個人がイキイキ働き、組織も元気になる~」

人事部や人材開発部門の方向けの学びの場です。今回のテーマは、「キャリア開発支援」です。企業内で「キャリア開発支援室」「キャリア相談室」を立ちあげ、社内でキャリア開発の支援をするケースが増えてきました。キャリア開発支援の様々な事例を共有する予定です。