現在、国内外・社内外を問わず、国籍や価値観の異なる人々と協働する機会が増えています。異文化における問題の多くは、お互いの文化に潜む価値観の違いを無視して、自分の常識を相手に押しつけてしまうことが原因です。
異文化の方々と協働していく際には、文化の違いに気づき、その知識を身につけておくことが重要です。
いくつかの例をご紹介します。
コンテクストは「文脈・背景」などと訳されます。
文脈や背景、共通の価値観に頼る傾向が強く、言葉で説明しなくても理解しあえる文化。
代表的な国:日本、韓国、中国
文脈や背景、共通の価値観に頼る傾向が弱く、言葉で具体的に表現・説明が必要な文化。
代表的な国:ドイツ、アメリカ、オーストラリア
日本人のコミュニケーションの特徴として、例えば「以心伝心」、「一を聞いて十を知る」などが挙げられます。ハイコンテクスト文化の日本人が、ローコンテクスト文化の人とコミュニケーションをとる際に陥りがちなことは、「これは、言わなくてもわかる」ことを相手に期待しがちです。
グローバルコミュニケーションにおいて、英語が話せるだけでなく、文化の違いを意識してコミュニケーションをとることも重要です。
グローバルコミュニケーションの例はこちらのブログで紹介しています。
時間の概念も国によって異なります。
時間通りに物事が進むことに重きが置かれる。
代表的な国:ドイツ、日本、スイス
時間通りに進むことよりも順応性に重きが置かれる。
代表的な国:サウジアラビア、インド、中国
日本では、公共交通機関が時間通りに運行されていることが当たり前ですが、海外に行くと、そうでない場合が多く戸惑った経験をもった方もいらっしゃると思います。ビジネスにおいても、会議の開始時間になっても、なかなか集まらないといったことが起こります。
不確実性の回避傾向が強い文化において人々は安心を求め、ルールや規律を重んじます。
代表的な国:ギリシャ、フランス、日本
不確実性の回避傾向が弱い文化においては、未知の状況や、結果が予測困難な状況にもうまく対応します。
代表的な国:シンガポール、デンマーク、インド
不確実性の回避傾向が強い日本では、手順やルールに沿って仕事を着実に進めていきます。反面、未知のリスクをとることに躊躇し、チャンスがあっても果敢に取り組むことできない傾向にあります。
異文化の知識を身につけることで、文化に潜む価値観の違いを尊重して文化や国籍問わず協働していくことができます。
まずは、私の常識はあなたの非常識と思ってみてください。