昔、「年末に1泊2日の一人合宿をしている」という同僚がいた。20代の彼は、毎年年末にひなびた温泉宿を予約し、そこまで旅して、その場所で温泉につかりながら、夜から次の昼までを使って、「1年間の振り返り」と「翌年の目標設定と計画策定」を行うという。
まず、1年前に立てた計画の達成度を全部洗い出し、何ができて何ができなくて、何が得られて、どういう成長が実感できるか。できなかったのはなぜか。そのことは翌年どうしたいのか。とても緻密な振り返り表を作って、一人で1年間をじっくり内省しいている。さらに、その振り返りを踏まえて、「翌年の目標」を立て、「具体的な計画を策定する」ところまで行う。
ある時見せてもらったその目標は、4つの軸が設けられていた。頭脳、肉体、精神、関係。たしか、こんな4つだ。
こうやって目標を設定し、計画を立て、振り返りもしていた彼は、様々な資格も取得し、ぐんぐん成長していった。
すごいなぁとは思うが、こんな風に自分を律して1年を送るなんて、なかなかできることではないと感嘆した。
いろんな場所でこの話をすると、たいていの方が、「ああ、無理」「そりゃ凄い」とおっしゃる。もちろん、多少「私も似たようなこと、やっていますよ」という声も挙がるが、ほとんどの方は、「立ち止まって振り返る」「今後を考える」時間を特別は設けていないようである。
入社して、会社側が準備した新入社員研修を受講し、基本を学ぶ(Off-JT)。配属先では、上司やOJTトレーナーが立ててくれた育成計画に沿って仕事をしながら力をつけていく(OJT)。時に、プライベートな時間を使って外部セミナーを受けたり、仕事に関連する書籍を読んだりもする(自己啓発)。Off-JT、自己啓発、そして、メインはOJT。
上司やOJTトレーナーと定期的に振り返りはしているだろうが、それは、おそらく週次の振り返りや業務の具体的な振り返りのほうが中心となっているだろう。
新社会人として、キャリア形成の1年目をどんな風に過ごし、今後、どういう風にさらにキャリアを築いていくか、そのために能力開発をしていくかといった大きな視点での振り返りは、日々の業務の中ではあまりできないのではないかと思う。
手前みそで恐縮だが、例えば私たちが実施している「新入社員フォローアップ研修」というのは、そういう機会を新入社員に提供するものである。入社半年くらいを経た、秋から冬にかけて実施することが多い。
この研修では、
と言った内容で進めることが多いが、これを個人で行うのではなく、同期全員が集まって行うことに意義がある(集まる、とは、集合研修に限らず、オンラインでも同じである)。
同期が集まって振り返る効果には、こんなことが考えられる。
新入社員研修は手厚く行っていても、振り返りは、個々人に任せている場合も多い。しかし、振り返りは他者ともに行う方が得られる刺激も多いし、楽しい。そして、ここで口にしたことは、多くの同期が聴いているので、個々人のコミットメント(やるぞ!という気持ち)にも大きく影響するはずである。
多くの人は、毎年定期的に一人合宿で振り返るということはなかなかできないものだ。
新入社員研修を企画するのと同じように、振り返りの機会も会社として提供することで、新入社員の成長を加速する一助となるはずだ。
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