人材開発に関する用語をトレノケートの講師がわかりやすく解説します。
説明をする際、最初に全体像を示してから、詳細に入り、最後に再び全体像を示す方法をWhole-Part-Wholeという。別名、SDS法(Summary-Details-Summary)
人は、話を聴く際、先に全体像を頭に思い描いてからのほうが詳細を理解しやすくなる。説明下手な人は、何の話かを伝えないまま、詳細を話してしまうことが多い。説明上手になるには、まず全体から話し、詳細に移るようにするとよい。Whole-Part-Wholeは、様々な場面で活用されている。
たとえば、テレビのニュース番組では、「本日のヘッドラインは」とその日報道する予定のニュース・ラインアップを先に示し、一つ一つのニュースの詳細報道を続ける。番組の最後には、「本日お伝えしたニュースは・・」と全体を再度示して、番組を終える。わかりやすい説明に重要なのは、Whole-Part-Wholeで話すことである。
人間ドックでの受診者への案内でも「Whole-Part-Whole」は有効です。受診者は、受付でまず、「本日の検査項目とその順番です」との説明を受けます(Whole)。それから一つ一つの検査が進み(Part)、最後に再度受付で、「これらの検査はすべて終わりましたね」と確認されます(Whole)。もし、最初のWholeがなければ、どのような検査をどういった順番で受けるのか不安になります。参加する側(話なら聴き手、人間ドックなら受診者)が心の準備をするためにも、最初のWholeは特に重要なのです。
文責:田中淳子/産業カウンセラー