シカゴの古い高層ビルのエレベータホールは、エレベーターを待つ人でいっぱいでした。テナントからも待つ時間が長いとクレームがあり、早急に改善しなければなりませんでした。
ビルの管理会社として、どのような解決策が考えられますか。
問題解決のためのアイデアを出す場合、まず、何が問題なのかを明確にします。
エレベーターに関する問題として、以下のようなことが考えられます。どの問題にフォーカスするかによって、解決策は異なります。
1、2のエレベーターそのものにフォーカスすると、工事の必要があり、費用もかかり時間もかかります。3の乗る人の問題は、管理会社としては、なかなか手をつけにくい問題です。
4のエレベーターを待つ人がイライラするフォーカスしてみると、いかがでしょうか。
どのようなアイデアが浮かびますか。
この解決策として、エレベーターの横に大きな鏡を設置しました。そうすると、エレベーターを待っている人たちは、鏡をのぞきこんで身だしなみを整えたり、他の人の様子をみたりするようになりました。その後、クレームがなくなったそうです。*
*出典:問題解決のアート (1983年) ラッセル・L.エイコフ(著)「エレベーターの話」
鏡による解決策は、待ち時間が短くなったわけではありませんが、イライラを解消することができました。
問題をフォーカスする際、次の2つ考え方があります。
What(何):例えば、人、もの、場所、事象などにアイデアが必要なのか
エレベーターの例では、1~3に該当
How (どのように):達成すべき目的などにアイデアが必要なのか
エレベーターの例では、4に該当
いろいろなアイデアを引き出すには、ファシリテーションスキルが有効です。
また、アイデアを具現化しイノベーションを起こすには、アジャイルな組織体制やリーダーシップなどが必要となってきます。
次のコースは、創造性を高め、ユニークなアイデアを創出する様々な発想法を学習します。
【PDU対象】クリエイティビティ&イノベーション ~ 変革をもたらす創造性 ~
ファシリテーションスキルは次のコースで修得できます。
【PDU対象】ビジネス・ファシリテーション ~納得感のある会議、円滑なチーム活動のための話し合う技術~
グローバル環境でのファシリテーションスキルは次のコースをおすすめします。