新たに担当するプロジェクトのメンバー選定をしていた際のこと、必要なリソースをどうしても確保することができず、上司に相談をしました。
上司からは、「新人でよければアサインできるけど、どうかな?どうせ新人だから、大したことできないだろうけど、それでもよければ、メンバーに加えてもらっていいよ」と言われました。
入社して3か月足らずの、右も左も分からないような新入社員でした。
このような状況の時、皆さんならどうしますか?
新入社員を任せられると困るという声をよく耳にします。
「忙しいのに余計な仕事が増える」、「面倒を見るのが大変だ」、「どうせ新人だから雑用くらいしかできないでしょ」など理由は様々です。
日々多くの業務をこなしている先輩社員や上司の気持ちは痛いほどわかります。
しかし、新入社員の立場に立って考えてみるとどうでしょうか。
期待されていないと感じた新入社員がモチベーションを高く保つのは非常に難しいはずです。また、人は教育しなければいつまで経っても、戦力になることはできません。
そこで知っておきたい考え方が、『ピグマリオン効果』です。
これは、米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱されました。
「人は期待された通りの成果を出す傾向がある」という考え方です。
この効果を新入社員にあてはめて考えてみます。
例えば、
といった具合です。
逆に、もし「どうせ新人だから…」という考え方でい続けた場合には、失敗しても、理解できなくても、「どうせ新人だから仕方ないよね」となってしまうでしょう。その結果、新入社員が成長できないばかりか、その原因を新入社員自身に求め、指導者である自分に課題があるとは全く思わない可能性があります。
一方、「新入社員だからこそ…」という考え方に変えてみると、仮に失敗しても、理解できなくても、「自分の教え方が悪かったのじゃないか?」と自分の内省を促進することにもつながります。また、「やり方を変えたらうまくいくかもしれない」と捉え、新入社員の成長につながる指導ができる可能性も高くなります。
新入社員ですから、先輩たちが期待しているような成果をすぐには上げられないかもしれません。だからと言って、まったく期待をしないようでは成果を望むことすら叶いません。
先ずは、「どうせ新人だから…」ではなく「新入社員だからこそ…」と見方を変えることが大事です。
さて、入社 3か月の新入社員を進められた私はどうしたか?
「是非とも、お願いします。」即答です。
入社3か月の彼女は確かに指示したことをこなすのが精一杯でしたが、 期待し教えることで、半年後には期待以上の成果を出してくれました。