【PMBOK®ガイド第6版の変更点】では、2017年9月にリリースされたPMBOK®ガイド第6版と第5版との主な変更点を数回にわたり紹介していきます。
第5回の第6版で追加になったプロセスとして「資源のコントロール」を紹介した際にも書きましたが、第6版では、「人的資源マネジメント知識エリア」が「資源マネジメント知識エリア」に変更になりました。
【PMBOK®ガイド第6版の変更点】第5回:追加されたプロセス、削除されたプロセス
人的資源に加えて物的資源もマネジメント対象になったというわけです。これに伴い、第5版のタイム・マネジメント知識エリアにあった「アクティビティ資源の見積り」は、資源マネジメント知識エリアに移動しました。
(ついでに、補足しておくと、第5版のタイム・マネジメント知識エリアは第6版ではスケジュール・マネジメント知識エリアに名称変更されました。「プロジェクト・マネジャーは、スケジュールはマネジメントできるが、タイムはマネジメントできない」というのが名称変更理由だそうです。)
(もうひとつついでに、第5版では「アクティビティ資源見積り」だったプロセスが第6版では「アクティビティ資源の見積り」と「の」がはいった名称に変更になっています。これは、日本語名称の変更で、英語の名称は変更されていません。これはこのプロセスだけではなく、今まで「の」のはいっていなかったプロセスのほとんどに「の」が入っています。)
物的資源もマネジメント対象にいれた結果、いくつかのプロセスやドキュメントの名称と内容に変更がはいっています。一例をあげると、第5版の「人的資源マネジメント計画」は第6版では「資源マネジメントの計画」に変更になり、物的資源についての計画も作成することになります。ということですが、プロジェクト・マネジャーの方々からすれば物的資源のマネジメントが必要なのは当然であり、「今に始まったことではない」という感想をお持ちでしょう。
実は、「ISO21500:2012 プロジェクトマネジメントの手引き」というISOの規格が2012年にでき、PMBOK®ガイドはこれを意識しています。ISO21500は最初から「人的資源」ではなく「資源」になっています。PMBOK®ガイドもこれにあわせたということでしょう。
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