最近のマイクロソフトは、Linuxを重視しており、昔を知っているものからすると隔世の感があります。マイクロソフトが提供するクラウドサービス「Microsoft Azure」でもLinuxが強力にサポートされています。
トレノケートでも、Azure上でLinux仮想マシンを構築する教育コースをそれぞれ1日で提供しています。
Microsoft AzureによるLinux仮想マシン展開: 基礎編
Microsoft AzureによるLinux仮想マシン展開: 実践編
今回は、Azureの管理ツールを紹介しましょう。
現在Azureでは、3種類の管理ツールが利用できます。
Webベースの管理ツール (http://portal.azure.com)
Windows 10の場合、PowerShell上で「Install-Module AzureRM」を実行すればインストールできます。
Linuxの場合は、パッケージ管理システムyumやaptを使ってインストールできます。MacOSではHomebrew パッケージマネージャーを使うのが最も簡単です。
また、Windows用にはMSIパッケージが公開されています。詳しくはマイクロソフトのドキュメント「Azure CLI 2.0 のインストール」を参照してください。
※マイクロソフト社のWebへ移動します。
Azureポータルは、以下のWebブラウザーを正式にサポートしています。LinuxやMacintoshを使っている方も安心です。
・ Microsoft Edge (最新バージョン)
・ Internet Explorer 11
・ Safari (最新バージョン、Mac のみ)
・ Chrome (最新バージョン)
・ Firefox (最新バージョン)
出典: Azure Portal でサポートされるブラウザーとデバイス
※マイクロソフト社のWebへ移動します。
Azureポータルは手軽ですが、Azureのすべての機能が使えるわけではありません。そのため、どうしてもコマンドに頼る必要があります。
では、PowerShellとAzure CLIのどちらを使ったらいいでしょうか。
「マイクロソフトのサービスだから、Windowsの方が優先されるだろう、
そうするとPowerShellの方がいいに違いない。」
そう思った方は多いでしょうが、実は、必ずしもそうとは言えません。
現在、マイクロソフトは、少なくともAzure上のサービスに関しては「Windowsを優先する」という立場ではありません。むしろ、Linuxの方を優先しているようにすら見えます。
たとえば、Azureで作成した仮想マシンの管理者アカウントは、仮想マシン作成時にユーザー名とパスワードを指定します。Linux仮想マシンの場合はそれに加えて、Azure Active Directoryのアカウントを指定できます。
現在のところ、少なくとも一般に利用する範囲ではPowerShellとAzure CLIに違いはないようです。ただし、Windows版のAzure CLIは、コマンドオプションの補完機能が働きません(補完はシェルの機能なのでPowerShellやCMD.EXEでは利用できません)。そのため、普段Windows 10を使っている私はPowerShellで管理しています。
しかし、普段MacintoshやLinuxを使っているのであればAzure CLIを使う方が便利でしょう。機能的にもAzure CLIの方が使いやすいという人もいるため、WindowsユーザーでもAzure CLIを好む人はいるようです。
「AzureとMicrosoftとLinux (2)」に続きます。