近年、関心が高まっているVR。
トレノケートもVR開発会社と協力して、2019年4月にVR研修をリリースしています。
先日、このVRを活用したトレーニングに関するイベント「VRトレーニング・VR研修 丸わかり講座~当事者企業が語る 導入前・後の効果とは~」が開催され、トレノケートVRプロジェクト責任者の山内が、VR導入企業としてパネルディスカッションに参加し、VR導入に関する様々な疑問にお答えしました。
【イベント概要】
・タイトル:
【展示あり】VRトレーニング・VR研修 丸わかり講座 当事者企業が語る 導入前・後の効果とは・日時:2019/09/19 (木)
・主催:株式会社Mogura
・プログラム
第一部「開発企業によるパネルディスカッション」
第二部「導入企業によるパネルディスカッション」
質疑応答※イベント告知ページはこちら(外部リンク)
目次[非表示]
イベントでは、実際にVRトレーニングを導入した企業と開発した企業で、導入する前の問題点と、それをどうやって解決したか、解決後どうなったかなどをパネルディスカッション形式で聞くことができました。
これからVRトレーニングの導⼊を考えている企業の⽅や提案される代理店の⽅にとってはVRトレーニング導⼊のヒントになったり、開発企業の⽅にとっては開発する上でのヒントになったりと終始議論が⾶び交う活気のあるイベントでした。
参加者アンケートでは8割以上の方から満足との回答があり、多くの企業のVRトレーニングへの関心と期待を強く感じることができる時間となりました。
パネルディスカッションでは、トレノケートの山内がVR導入企業として下記のようなご質問にお答えしました。
A:
主に3つありました。
1.コスト
2.品質
3.ナレッジ
コストは、VR開発における妥当性が判断しづらい点です。
今回弊社のVRビジネスマナー研修は請負契約であったため、安心できましたが、委任契約では今回のようにはいかなかった可能性があります。
品質は、VRというものが動画やCGでつくられていることもあり、完成の基準が曖昧になりやすい点です。
ある動作を学習するとなると、その動作の正しい状態を発注側・受注側が共通認識を持つことは非常に難しく、納品時には繰り返しレビューをすることで改善を行いました。
ナレッジは、発注側にVRに関する知識がない点です。コストにも影響がありますが、どのような技術を使って、どのようなことができるのか、などを発注側が理解できていないと受注側としっかりとしたコミュニケーションがとれなくなり、認識齟齬が発生しやすくなります。
A:
実際にVRの研修を受講した人と研修自体を導入した人事の方と2つの観点で効果がありました。
前者はこれまでに比べて学習効果が高かった点です。
VRで実際のビジネスシーンを自分の目線で事前にイメージすることができるため、学習時に実務との関連付けがスムーズに行われていました。結果、学習者が主体的な学びを行っていました。
また、VRそのものへの目新しさ、楽しさが学習意欲を掻き立てる効果を上げていました。
後者では、人事の方々のVRに関する関心や評価が想定外に高かったです。
VRを体験する機会がないようなので、学習効果そのものより学習ツールとしての面白さを感じて頂きました。
関連して、対外的なPRの材料にもなるため、本年の新入社員にてVR導入を決めたお客様もいらっしゃいました。VRを使用した研修を実施することで、先端的な取り組みをしている会社だと採用時にPRするためです。
A:
弊社の場合には4段階でVR酔いへの対策を行いました。
1.もともと酔いやすい人によるレビューすること
2.1本の動画の長さを最大2分半程度に収めること
3.受講者が観る予定の動画を事前にスライドで流すこと
4.VRで酔う可能性があることを、利用前に予めしっかりとアナウンスすること
A:
何を行ったらいくらになりそうかが、分かりやすい料金形態にして欲しいと思います。
最終的な費用が分からないというのは発注側にとっては大きな負担になります。このため、レストランのメニューのようにある程度何がいくらか分かると発注しやすいです。この点から標準機能はパッケージ化してあるのは、発注側としては安心できます。
A:
教育ができるものは専門的には3つと言われています。
この3つは「知識、行動、態度」です。
VRにおいては、「行動※」を教育することに向いていると考えます。
それは、実際に体験を通して学ぶことを主眼に置いているためです。
「行動」の結果として、「態度」に関しても学ぶことになりえますが、前提は体験という「行動」を通して何を学ぶのかが重要ではないでしょうか。
※「行動」はインストラクショナル・デザインにおいて正式には「技能」と呼ばれ「知的技能・運動技能」の2つに分類される
A:
VRを導入するにあたって以下の2点を考慮する必要があると考えています。
1.特殊性
2.効果性
特殊性とは、学習してもらいたい内容がどの程度特殊な状況にあるかです。例えば、「再現性が高い」、「簡単に教えることができる」ものであれば、VR化する必要性はあまりありません。
一方で、学習させたい内容が「その状況を容易に再現することができない非日常なケース」、「特殊な技術や機材を使用するため環境の用意が困難なケース」、さらに学習者が多数で、学習環境の準備の負荷が高い場合などは、VRの活用が有効であると考えています。
効果性とは、VRの特徴である繰り返し学習による効果を得ることができるかです。
例えば、ケアレスミスを減らすためだったり、基本的な動作を憶えるためだったり、定常業務の1つ1つの品質を向上することにつなげることができます。
パネルディスカッションの他にも、各企業が自社ブースを出展し、実機に触れながら来場者の皆様がVRトレーニングを体験している様子を伺うことができました。
トレノケートのブースでは、新入社員研修で実際に利用している名刺交換とコンプライアンスのコンテンツを体験頂き、体験者の方から「分かりやすい」「実践的だと思う」等の多くの前向きな声を頂きました。
通常の研修の場では経験が難しいシチュエーションを、VRを活用することにより、自らが体験しているかのように学ぶことができます。学んだことをより定着させ、現実でのビジネスシーンの前に、「実践力」を強化します。