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実例で解説!部下を深く理解するための質問力

作成者: 長山 晴美 (ながやま はるみ)|2024-08-20

本記事では、トレノケート株式会社で配信しているVoicy番組 田中淳子の「人材育成」応援ラジオ から、好評をいただいた放送をピックアップして文字としてお届けします。

田中淳子の「人材育成」応援ラジオ とは
自社の人材育成を考える上でヒントとなるようなちょっとした知識やスキル、具体例など、人材育成にご興味・関心がある方向けに役立つヒントを毎日約15分でお話しする音声配信番組です。パーソナリティは、人材育成に携わって39年、人材教育シニアコンサルタントの田中淳子が務めます。

今回は、「質問力」について、以下の放送を取り上げます。
#053 信頼される管理職リーダーは「質問」力が高い!部下を深く理解するために曖昧ワードを掘り下げるポイント。
※読みやすさを意図して、内容をある程度抄訳・編集しています。より具体的なエピソードなども合わせて知りたい場合は、Voicyの放送をお聴きください。


実際の研修であったケースを紹介しますので、「自分がこういうふうに部下に言われたら、どんなふうに切り返すか?」と、ご自身であればどう答えるか想像しながらお読みください。

 

ケース1: テレワークの悩み

まず、ケース1です。上司が「今の仕事、どう?」と聞いたとき、部下が次のように答えました。

「テレワークで通勤がなくなった点は楽になって良かったです。悪い点は、しいて言うのであれば、オンオフが切り替えられないことかな、と思います」

実際のロールプレイでは、上司役の方が次のように返しました。

「オンオフって大事だよね。何か趣味はないの?もし趣味があるなら、それをやる、と決めたらいいんじゃないかな。例えば18時になったらジョギングに行くとか。今だったら涼しいし、夕方から走りに行くのはいいと思うよ。運動不足はよくないって言われているじゃない?」

 

ケース2: キャリアの悩み

次に、ケース2です。上司が「キャリアの話をしたいんだけど、仕事、どうかな?今は楽しくやっている?」と聞いたとき、部下が次のように答えました。

「仕事は今とてもやりがいがあるし、楽しいです。あと体調もいいし、モチベーション的には全然問題ないんですよね。でも、そろそろ35歳だし、これからのことを考えると、ちょっともやもやすることもあるんですけど、まあ、でも、元気です。」

実際のロールプレイでは、上司役の方が次のように返しました。

「そうか。でも、すごく期待してるし、実際よくやってくれているから、君なら大丈夫だよ。」

 

 

これらのケースからわかるように、上司やリーダーは部下の話を聞く際に、相手の話をただ傾聴するのではなく、自分なりの答えを出して、話してしまうことが多いものです。これはよい答え(アドバイスなど)を渡してあげたいという想いからくる場合もあるのですが、理想としては、部下の本音や悩みを引き出すことが重要ですから、質問を通じてそれを聴く力が必要です。

例えば、ケース1の「オンオフの切り替えがうまくいかない」という部下には、「それは具体的にどういうことか教えて」と質問することで、より具体的な悩みを引き出すことができます。同様に、ケース2の「35歳でこれからのことがもやもやする」という部下には、「35歳だし、と言うけれど、その年齢は、あなたにとってどんな意味があるの?」などと質問することで、深い話を引き出すことができます。

 

聴くことのプロであるカウンセラーのような方でも、訓練を繰り返さないと聴く力が落ちてしまいます。自分の意見やアドバイスを言うのではなく、相手を理解するために、「質問して掘り下げる」。1on1や部下との面談の際には、ぜひそれを注意してみてください。

より詳細な解説など、放送をお聴きになりたい方はこちら
#053 信頼される管理職リーダーは「質問」力が高い!部下を深く理解するために曖昧ワードを掘り下げるポイント。