新型コロナウィルス感染症の流行をきっかけに導入企業が増えている「テレワーク」ですが、実施していく中で新たなお悩みも出てきているようです。
そこで今回は、特にご相談の多い「オンライン会議・商談(プレゼンテーション)」について、効果的に進めるためのコツを少しだけお伝えしたいと思います。
皆様の中にも、2020年4⽉に発動された緊急事態宣⾔を受け、急遽テレワークに突⼊した、あるいは、第三波に向けてテレワークを検討中という企業も多いので はないでしょうか?
トレノケートも4月からオンライン研修を導入して今日に至るのですが、ここにきて様々な「現場の声」を頂戴しています。
4月から5・6月にかけて多かったのが、「(テレワーク導入に関する)現場のとまどいへのフォロー」と「オンラインでのコミュニケーション」、その後、「オンラインでの業務の進め方・指導の仕方」ときて、今、多くの声をいただいているのが、「オンラインでの会議・商談の効果的な進め方」に関する問い合わせです。
「テレワーク」がニューノーマルとなり、「テレワークの中でも成果を出す」から、「テレワークならではの成果の出し方」へとシフトチェンジしているようにも見えます。
従来の「集合会議」と比較して、「オンライン会議」は、「関係構築がしづらい」「意見が出づらい」など、ネガティブな側面で見られることが多いように感じます。
ですが、はたして、「オンライン会議」はそんなに不便なものでしょうか?
平成初期に就職した私は、会議と言えば「面倒な準備が必要」なものでした。
資料を全員から出していただき、それを人数分+αの部数で印刷、会議室を押さえて、集合の依頼をかけ、議事録をとり・・・などなど、本当に本当に手間がかかりました。
ですが、「オンライン会議」では、参加者の会議参加可能日時さえ押さえれば、あとはオンライン会議ツールで案内を出し、そこに必要な持参物を書いて、目を通してほしい資料を添付してしまえば、あとは当日を迎えるだけです。
議事録も、「録画」してしまえば、参加できなかった方への共有も可能です。
なんて便利なのでしょうか。
「オンライン会議」の便利さを痛感したところで、更に、「課題解決」に踏み込んでみましょう。
「関係構築がしづらい」「意見が出づらい」を問題とした場合、その解決には「関係構築のための対処」「意見を出しやすくするための設計」が必要になります。
そのために、ファシリテーター(会議の促進者/一般的には進行役)は、会議の「場づくり」「流れ」「ルール」をしっかり設計しておきます。
つまり、関係構築のためのアクションや、発言していただくためのルールを事前に決めて、周知・実行してしまうのです。
例えば、「関係構築」のためにできることとして、「ブレークアウトルーム」「チャット」「投票(Zoomの機能)」を活用してみてはいかがでしょうか?
ここでは、私が講師として行っている「場づくり」を、「会議の場づくり」に活用していただければと思い、一例を挙げてみたいと思います。
いかがでしょうか?
いずれも、その場で簡単にできることですが、「何のために行うのか?」を考えて活用すれば、関係構築や発言促進につなげることができます。
その他、「流れ」や「ルール」を示しておくことも会議参加者の意識を高めたり、発言を促進したりすることに繋がります。
これらの「事前設計」ができていると、「オンライン会議」は「集合会議」に負けず劣らずの成果に繋げることができるはずです。
では、「オンラインプレゼンテーション」はどうでしょうか?
「オンライン会議」のコツを取り入れつつも、是非、心掛けていただきたいのは、「わかりやすさ」です。
「そもそも、なぜ、オンラインだとプレゼンテーションが難しいと感じるのか?」
とお聞きすると、よく挙がるのが、「熱意が伝わらない」「相手の気持ちが分からない」等の「わかりづらさ・伝わりづらさ」です。
本当に、オンラインでは、「熱意が伝わらず」「相手の気持ちがわからない」のでしょうか?
私たちがプレゼンテーションする際、資料を除くと、プレゼンタの「話し方」「表現力」「立ち居振る舞い」が成否に影響を与えます。
オンラインでは、これらがうまく伝わりにくいと言われます。
また、対面と異なり、聞き手の表情や小さなため息、手元の様子が見えないこともオンラインプレゼンテーションへのやりづらさに拍車をかけているのではないでしょうか。
「わかりやすさ」を意識したプレゼンテーションを行う為に、是非行っていただきたいのが、「対面より、ちょっと大げさに・ちょっと丁寧に」を心掛けることです。
通常でも棒読みのプレゼンテーションは聞く気を失わせます。
それがオンラインだと、対面以上に声の抑揚が届きにくく、淡々とした印象に捉えられてしまいます。
そのため、オンラインでは、対面よりも「ちょっと大げさ」に抑揚を入れる・表情を変える・ジェスチャーを入れる、などの対策をすることが求められます。
講義の中でもみなさんにアドバイスするのですが、「自分が思っているよりも、抑揚は入っていない、ということを意識する」のは大切です。
実際に録画してご自身の話すのをご覧になると、「あれ?こんな淡々としてるの?」と驚かれる方が多いのですが、オンラインでも同様です。
ご自身の話すところを録画してご覧になられると、「もっと抑揚を入れたほうが熱意が伝わるだろうな」と感じられるはずです。
また、「ちょっと丁寧」に言葉を伝えることも意識してみましょう。
対面でも早口で一方的に話されたり、だらだらと説明されたりすると嫌ですよね?
オンラインだとそれがより誇張されてしまう為、プレゼンタは、対面よりもゆっくり、丁寧に、語尾まで言い切り、簡潔に伝えることを意識してください。
また、投影資料に手元の資料のページを書き入れるなどの丁寧な配慮も効果に繋がります。
その他にも、対面以上に「ちょっと大げさ・丁寧」を心掛けるだけで、できる配慮はたくさんあります。
「対面よりもオンラインの方が伝わりにくい」ということを受け止めることで、何に対して配慮すべきかは、意外と簡単に見つかるかもしれません。
今後もテレワークは継続される可能性が高く、「オンライン」をベースとして、いかに成果を出すかを問われる時代になっています。
その変化を受け入れることができれば、「ピンチ」を「チャンス」に変えることもできるはずです。
オンライン会議・プレゼンテーションが当たり前になっていく中で、より大きな成果を出せるよう、変化を受け止め、その特性への対処を行うことが、この時代を乗り切るためのコツなのではないでしょうか。