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AWS re:Invent 2022 で個人的に気になったアップデート

re:Invent 2022 が今年もラスベガスで開催され、初めて現地で生 re:Invent に参加してきた AWS 認定インストラクターのたかやまです。
現地でしか見ることや感じることの出来ない情熱を胸に re:Invent 2022 で発表された数々のアップデートや新サービスの中から気になったアップデートをまとめてみました。

複数のインスタンスタイプが追加

毎年、多くの新しいインスタンスタイプが追加されていますが、今年もご多分に漏れず増えています。傾向として n 付きのインスタンスタイプが増えている点から、ネットワーク強化が挙げられます。HPC や大量のデータをさばくために低レイテンシー・ハイパフォーマンスが求められているのかなと思いました。

一部はまだプレビューリリースですが、手の空いたときに既存のインスタンスとの比較をおこなっておくと良いですね。

参考: AWS 公式「Amazon EC2 C6in インスタンスのご紹介
参考: AWS 公式「Amazon EC2 C7gn インスタンスを発表 (プレビュー)
参考: AWS 公式「Amazon EC2 R7iz インスタンスを提供開始 (プレビュー)
参考: AWS 公式「Amazon EC2 のネットワーク最適化インスタンス M6in、M6idn、R6in、R6idn を発表
参考: AWS 公式「Announcing Amazon EC2 Hpc6id instances
参考: AWS 公式「AWS announces Amazon EC2 Inf2 instances (Preview)

AWS Supply Chain (Preview)

SCM アプリケーションという分野は昔からありますが、AWS でも出してきました。そして、ML-Powered とあるように機械学習を利用した分析やインサイトが実現できるとのことです。コラボレーションツールもあるということなので、生産者やカスタマーとの連携もできるような仕組みなんですね。今年の AWS Summit Japan でも Amazon のサプライチェーンの話をされていたのが繋がりました。

もちろん、すべてのケースで置き換えれば良いということではないと思うので、評価対象のひとつではありますが、需要予測など機械学習のモデル作りやアプリケーションを開発する手間を減らせるのではないでしょうか。

参考: AWS 公式「AWS Supply Chain をリリース (プレビュー)
参考: AWS 公式「AWS Supply Chain (Preview)

Amazon Elastic File System のレイテンシーの低減

元 CMS 屋さんとして、地味に嬉しいアップデートのひとつです。

EFS を利用してコンテンツ管理システムの出力データを共有するというユースケースは多いです。アプリケーションサーバーや Web サーバー間で共有するときに遅延が短くなるのは良いことですね。最大で読み取りが60%、書き込みが40%の低減だそうです。

参考: AWS 公式「AWS が Amazon Elastic File System のレイテンシー低減を発表

Amazon Aurora と Amazon Redshift のゼロ ETL 統合

今回のキーノートの中で最大のパワーワードがあるとすれば、「Zero-ETL」ではないかと思います。

通常、データウェエアハウス側でトランザクションデータを扱うような場合は、必要なデータを抽出・加工してデータウェアハウス側で読み込むパイプラインが必要になります。このプロセスの頭文字を取って ETL (Extract / Transform / Load) と呼ばれています。

こうしたパイプラインを構築するサービスとして AWS Glue や AWS Data Wrangler などが用意されていましたが、構築とメンテナンスのコストが掛かります。

今回のアップデートでは、Aurora に書き込まれたデータが数秒で Redshift から利用できるようになる。ということでした。具体的に、どのように実現しているのかが見えていないのですが、気になる方は限定プレビューにお申し込みされると良いです。


参考: AWS 公式「AWS が Amazon Aurora と Amazon Redshift のゼロ ETL 統合をリリース

AWS Wickr

企業内でのコラボレーションツールとして様々なチャットベースのサービスがありますが、AWS からも登場しました。

エンドツーエンドの暗号化、高度なセキュリティ、1 対 1 のチャット、グループメッセージング、コール、ファイル共有、画面共有などができます。Slack に似たサービスと言えますが、コンプライアンスやガバナンス要件で導入ができない企業などで重宝しそうです。

IAM によるアクセス制御や AD 連携、OIDC 連携も可能ということでちょっとおもしろそうです。

参考: AWS 公式「AWS Wickr が一般提供を開始
参考: AWS 公式「AWS Wickr
参考: AWS 公式「AWS Wickr – 監査および規制要件を持つエンタープライズ企業のためのエンドツーエンド暗号化が搭載されたセキュアなコミュニケーションサービス

Amazon Athena が Apache Spark に対応

今回の re:Invent の中では、SageMaker や Redshit 周りのアップデートが多かった印象ですが、Athena でも Apache Spark 対応のリリースが有りました。

メリットはなんだろう?と思って調べてみましたが Spark アプリケーションの実行を Athena 内のノートブックで行うことでサーバーレス Spark 環境を利用できるようです。

Athena で利用できるので、そのまま QuickSight などでも利用しやすいですね。

参考: AWS 公式「Amazon Athena now supports Apache Spark
参考: AWS 公式「New – Apache Spark 対応 Amazon Athena

Amazon Inspector で Lambda 関数のチェックが可能に

昨年末に世間を騒がせた log4j の脆弱性ですが、最高レベルに位置づけられていたこともあり、年末年始は眠れない日々を過ごされた方もいらっしゃったかもしれないですね。

Amazon Inspector はこれまで EC2 の脆弱性診断に利用されていましたが、AWS Lambda 関数にも対応したということで関連モジュールの脆弱性診断をおこなえるようになったようです。事前に、脆弱なコードを見つける。というものではありませんが、脆弱性が発見されてから比較的素早く脆弱性のある Lambda 関数を見つけられるのはいいことですね。


参考: AWS 公式「AWS が AWS Lambda 関数向け Amazon Inspector のサポートを発表

Lambda SnapStart

もう一つ Lambda 関連で嬉しいアップデートが Lambda SnapStart です。

Lambda を Java で実装されている場合、初期起動時のファーストタッチペナルティの影響は少なくないです。通常こうしたケースでは、ホットスタンバイさせておくことで対応しましたが、コストがかかります。

Lambda SnapStart を利用すると、初期起動後の状態をスナップショットとして保持することで次回起動時間を短くできる機能です。Java で Lambda を書かないといけないケースで、レイテンシーに敏感なときに役立ちますね。

参考: AWS 公式「Java 関数向け AWS Lambda SnapStart の発表

AWS CodeCatalyst

Code 兄弟に新しい仲間の登場です。

CodeStar よりも柔軟にソフトウェアチームが開発環境や CI/CD パイプラインを構築できる点が良いです。まだ、プレビューですが触ってみた感じでは使いやすそうでした。
例えば、GitHub や Jira といったコード管理と連携したり、外部のイシュー管理と連携させることができそうです。イシュー管理についても連携できそうなのは良いですね。

プレビューなので、興味の有る方は参加してみてはいかがでしょうか。

参考: AWS 公式「Announcing Amazon CodeCatalyst (Preview)

AWS Application Composer

SAM (Serverless Application Model) のテンプレートも結局は手で書かないといけないわけですが、AWS Application Composer なら、GUI のフローエディタを使ってパーツを追加、リンクする形で編集できます
結果は、SAM のテンプレートとして出力できるので、SAM のビジュアルエディタのような感じでした。
現在は限定的なサービスだけですが将来に渡ってできることを増やすということです。楽しみです。

こちらもプレビューなので、本番用ではまだ使わないほうが良さそうですが、興味の有る方は触ってみると良いです。

参考: AWS 公式「Introducing AWS Application Composer (Preview)

まとめ

ほかにもまだまだ紹介していないサービスや新機能がたくさんありますが、今日はこの辺で終わりです。

全体としてキーノートなどの印象としては、昨年同様データを中心としたメッセージが多かったですが、今年はより活用するフェーズに入っているのかなと感じました。

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