2025年11月にPMBOK® Guide 第8版が公開されました。本記事では、公開された英語版の章構成の情報を基に、第7版からどのような変化が見られるのかを整理します。
内容の詳細には踏み込まず、構造面の違いや追加された章を中心に、改版の概要を確認することを目的としています。プロジェクトマネジメントに関わる方や、ガイドラインの動向を把握しておきたい方は必見の内容です。
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目次
第8版の公開について
2025年11月、PMBOK® Guide 第8版(英語版のみ)が正式に公開されました。
本記事では、公開された英語版の章構成の情報を基に、第7版との違いを整理しています。
第7版から続く大枠構成について
第7版が出版されたのが、2021年7月ですので、4年ぶりの改版ということになります。さらにその前の第6版が出版されたのが2017年ですので、ここのところは4年周期で改版されているということになります。
その中身ですが、大きな構成は第7版と変わっていません。
すなわち” The Standard for Project Management(プロジェクトマネジメント標準)”および” A Guide to the Project Management Body of Knowledge(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)”の二部構成になっています。
全体のボリューム感(トータルのページ数)としては、約400ページ規模の構成になっています。
“The Standard for Project Management” の章構成
まず、” The Standard for Project Management(プロジェクトマネジメント標準)”ですが、以下のような章構成になっています。
Preface
1.Introduction
2.A System for Value Delivery
3.Project Management Principles
4.Project Life Cycles
第7版との章構成比較
一方、第7版の章構成は以下の通りでした。
1.Introduction
2.A System for Value Delivery
3.Project Management Principles
第8版では、最初の“Preface”と最後の”Project Life Cycles”が追加されていることになります。
“Preface”には”Summary of Changes”が含まれていることから、今回の改版の要約が掲載されています。従って、大きな変更としては”Project Life Cycles”が加えられたことになるでしょう。
“Project Life Cycles” に見られる観点
”Project Life Cycles”には、大方予想された通り”Project Development Approaches”に関する説明があり、”Predictive Approaches” ”Adaptive Approaches” ”Hybrid Approaches”といった言葉が並びます。
これも、「予測型」「適応型」「ハイブリッド型」に言及していると考えられ、そう目新しいものではありません。注目すべきは” Project Management Focus Areas“という記述がある点です。この中身は以下の通りです。
- Initiating Focus Area
- Planning Focus Area
- Executing Focus Area
- Monitoring and Controlling Focus Area
- Closing Focus Area
- Focus Areas as a Whole
もうお気づきの通り、若干の違いはあるものの、第6版以前の「開始」「計画」「実行」「監視・コントロール」「終結」というプロセス群の考え方が、フォーカス・エリアと名前を変えて、復活しています。この点は、第7版との大きな違いとして、着目すべき事項ではないでしょうか。
まとめ
本記事では、公開された英語版の” The Standard for Project Management(プロジェクトマネジメント標準)”の章構成の情報を基に、第8版で追加された要素や第7版との違いを簡潔に整理しました。改版を機に、プロジェクトマネジメントの基本的な考え方をあらためて見直す場面も増えるかもしれません。
必要に応じて、トレノケートが提供するプロジェクトマネジメント関連の研修も参考にしていただければ幸いです。
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