トレノケートでプロジェクトマネジメント系のコースを中心に、研修講師をしている横山昇と申します。
今回から、概ね月に1回のペースで、プロジェクトやプロジェクトマネジメントに関するコラムを執筆して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回は初回ということで、「プロジェクト・マネジャーの育成に当たって、最初に整理すべきことは何か」について、お伝えしていきたいと考えています。
話は変わりますが、映画「国宝」の中で、非常に印象に残ったシーンがあります。歌舞伎の大名跡である渡辺謙さん演じる父親が、初舞台を前にしてガチガチに緊張している息子二人に声をかけるシーンです。
横浜流星さん演じる実子には「生まれついての歌舞伎役者で、歌舞伎役者の血を受け継いでいるのだから大丈夫だ」という旨の言葉をかけて送り出し、吉沢亮さん演じる実子ではない(歌舞伎役者にスカウトしてきた)息子には「これまで誰よりも稽古をしてきたのだから大丈夫だ」という旨の言葉をかけて送り出します。
これから全く同じ舞台に立つ二人であっても、それぞれにかけるべき言葉は違うのです。
私事で恐縮ですが、私がまだ若手だったころ、徐々に上位者から権限を委譲され、お客様との要件定義を任されるようになっていった時期がありました。
私はお客様の前に出ると、どうしても「あれもお伝えしたい、これもお伝えしたい」と口数が多くなってしまう癖がありました。
そのような状況の中、お客様との打合せに同席していた上司から、「お客様だって考える時間が必要なのだから、矢継ぎ早にあれこれ話してはダメだ、相手にも考える時間を与えなさい」とフィードバックを頂きました。
恐らく私は「沈黙」が怖かったのだと思います。その上司からは他にも有益なフィードバックをいくつも頂き、結果的に次の案件では、私が中心となって要件を取りまとめることができるようになりました。
くり返しになりますが、誰一人として同じ人物はいません。また、組織によって抱えている課題は千差万別です。従いまして、まず、「何ができるようになってほしいのか」をできるだけ具体的に見据えて頂きたいのです。
そして相手をしっかりと見て、「どうすれば効果的に育成できるのか」を見極めて頂きたいのです。上記の例で申せば、私の上司は「次回案件で要件定義を一人で取り廻せるようにする」という目標を明確に設定していたわけです。
そして「横山は顧客の前に出ると話しすぎるし、ほかにも修正すべき点がある」ということを見抜いており、「それを段階的に修正していく」という明確な戦略を持っていたからこそ、効果的に育成してもらえたのだと考えており、今でもその上司には敬服の念を抱いています。
プロジェクト・マネジャー育成の進め方は、組織の状況や対象人材によって最適解が異なります。
自社に合った育成の進め方を整理したい場合は、トレノケートの専門スタッフが現状を伺いながらご支援することも可能です。
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