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プロジェクトマネジャー育成で最初に整理すべきこととは?テーラリング思考の重要性

作成者: 横山 昇(よこやま のぼる)|2026-03-04
プロジェクトマネジャーの育成に取り組む中で、
  • 思ったように人材が育たない
  • 研修を実施しても現場で活躍につながらない
  • 自社に合った育成の進め方が分からない
といった課題を感じていないでしょうか。

PMBOK® Guideでも示されている通り、プロジェクトには必ず「テーラリング(個別最適化)」が求められます。これは人材育成においても同様です。

本コラムでは、プロジェクトマネジャー育成を進めるにあたり、最初に整理すべき重要な視点について解説します。

目次

はじめに

トレノケートでプロジェクトマネジメント系のコースを中心に、研修講師をしている横山昇と申します。 

今回から、概ね月に1回のペースで、プロジェクトやプロジェクトマネジメントに関するコラムを執筆して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。 

今回は初回ということで、「プロジェクト・マネジャーの育成に当たって、最初に整理すべきことは何か」について、お伝えしていきたいと考えています。 

プロジェクトマネジャー育成に絶対解はない

まず、申し上げておきたいこととして、「プロジェクト・マネジャーの育成に当たって、絶対的なルールや正解はない」ということです。PMBOK® Guideでも述べているように、プロジェクトにおいて「テーラリング(個別最適化)」は必須です。 その理由は、世の中に一つとして同じプロジェクトはないからです。

これと同様、一人として全く同じ人はいません。その人間を育成する以上、育成したい相手や、どこまで(どういったことができるようになるまで)育成したいのか、によって、やり方は千差万別です。 

最初に明確にすべき2つの視点

従ってまず整理すべきは「育成したい対象の人物がどういった人物で、どのように育成すればいいのか」「その人物にはどうなってほしいのか」を明確にすることです。

例えば「もともとリーダー気質が備わっていて、学生のころから学級委員を率先してやっていた」という人物と、「どちらかといえば引っ込み思案で、あまり人前には出たがらない」という人物とでは、自ずと接し方が違うはずです。

また「ウォーターフォールのプロジェクトで、どちらかといえばプロジェクト・マネジャーに権限が集約される」という場合と、「アジャイルのプロジェクトで、周囲のリーダーシップをうまく引き出しながらプロジェクトを進める必要がある」という場合とでは、身に付けてもらうスキルも異なります。

こういったことをあまり考えず、ただ「予算一億の案件を任せられるプロジェクト・マネジャーを育成するぞ!」と旗印を掲げただけでは、恐らく途中で脱落する人が出てきてしまうのではないでしょうか。

相手に合わせて育成するということ

話は変わりますが、映画「国宝」の中で、非常に印象に残ったシーンがあります。歌舞伎の大名跡である渡辺謙さん演じる父親が、初舞台を前にしてガチガチに緊張している息子二人に声をかけるシーンです。

横浜流星さん演じる実子には「生まれついての歌舞伎役者で、歌舞伎役者の血を受け継いでいるのだから大丈夫だ」という旨の言葉をかけて送り出し、吉沢亮さん演じる実子ではない(歌舞伎役者にスカウトしてきた)息子には「これまで誰よりも稽古をしてきたのだから大丈夫だ」という旨の言葉をかけて送り出します。

これから全く同じ舞台に立つ二人であっても、それぞれにかけるべき言葉は違うのです。

現場での育成フィードバックの実例

私事で恐縮ですが、私がまだ若手だったころ、徐々に上位者から権限を委譲され、お客様との要件定義を任されるようになっていった時期がありました。 

私はお客様の前に出ると、どうしても「あれもお伝えしたい、これもお伝えしたい」と口数が多くなってしまう癖がありました。 

そのような状況の中、お客様との打合せに同席していた上司から、「お客様だって考える時間が必要なのだから、矢継ぎ早にあれこれ話してはダメだ、相手にも考える時間を与えなさい」とフィードバックを頂きました。
 
恐らく私は「沈黙」が怖かったのだと思います。その上司からは他にも有益なフィードバックをいくつも頂き、結果的に次の案件では、私が中心となって要件を取りまとめることができるようになりました。

テーラリングされた育成が成果を生む

今考えてみると、上司は「次の案件では、他者のサポートなしで顧客との要件の取りまとめができるようにする」という明確な目標を持っていたのです。

そして「しゃべりすぎる」といった私の悪癖の数々を見抜いており、また「一度に色々なことを教えても、それを消化できるような器用さはまだ備わっていない」という私の状況を捉えていたからこそ、それを徐々に修正してくれたのだと理解できます。まさしく、「私向けにテーラリングをして育成をしてくれていた」ということになります。

まとめ:まず“到達点”を具体化する

くり返しになりますが、誰一人として同じ人物はいません。また、組織によって抱えている課題は千差万別です。従いまして、まず、「何ができるようになってほしいのか」をできるだけ具体的に見据えて頂きたいのです。 

そして相手をしっかりと見て、「どうすれば効果的に育成できるのか」を見極めて頂きたいのです。上記の例で申せば、私の上司は「次回案件で要件定義を一人で取り廻せるようにする」という目標を明確に設定していたわけです。 

そして「横山は顧客の前に出ると話しすぎるし、ほかにも修正すべき点がある」ということを見抜いており、「それを段階的に修正していく」という明確な戦略を持っていたからこそ、効果的に育成してもらえたのだと考えており、今でもその上司には敬服の念を抱いています。

プロジェクトマネジャー育成ならトレノケート

プロジェクト・マネジャー育成の進め方は、組織の状況や対象人材によって最適解が異なります。

自社に合った育成の進め方を整理したい場合は、トレノケートの専門スタッフが現状を伺いながらご支援することも可能です。

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