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OCI Quest Challenge 2026 を開催しました!CTF形式で学ぶOCI実践イベント レポート

作成者: 久保玉井 純|2026-09-18

こんにちは!好きなラーメンは二郎系!
AWS & OCI 認定講師の久保玉井です。

2026年9月14日(月)に、Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)を実際に触りながら課題を解いて競い合うオンラインイベント「OCI Quest Challenge 2026」を開催しました。

日本オラクル株式会社の渋井さん、原田さんにもゲストとして参加いただき、参加者の皆さんと一緒にワイワイ盛り上がる3時間になりました。ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!

今回はその開催レポートとして、当日の様子と、CTFd(競技プラットフォーム)から吐き出したデータをもとに「どの問題が解けて、どこで皆さんつまずいたのか」を数字付きでお届けします。

「OCIのCTFって何をやるの?」「自分だったら何問解けそう?」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください♪

目次

 

OCI Quest Challenge 2026 とは?

一言でいうと、OCIを題材にしたCTF(Capture The Flag)形式の学習イベントです。

参加者ひとりひとりに専用のOCI環境(コンパートメント)を用意し、その中に「コンパートメントの階層を読み取ってください」「このロードバランサのバックエンドが異常なので直してください」といった課題を仕込んでおきます。参加者はOCIコンソールにログインし、環境を調べたり設定を直したりしてフラグ(答えの文字列)を見つけ、CTFdに提出して得点を積み上げていく、という流れです。

AWSでいうところの AWS Jam のOCI版、と言えばイメージしやすいかもしれません。実は今年4月に AWS 版の CTF イベントを個人的に開催していて、その設計をOCI向けに移植したのが今回の企画です。

イベント概要はこちらです。

項目 内容
開催日時 2026年9月14日(月)13:00〜16:00
形式 オンライン(Zoom)、個人戦
参加費 無料
ゲスト 日本オラクル株式会社
主催 トレノケート株式会社

イベント告知ページ:9月14日開催:OCI Quest Challenge 2026

問題は全34問。練習用のLv0からProfessional相当のLv4まで、5段階に分けて用意しました。

レベル 問題数 1問の配点 想定する資格レベル
Lv0(練習) 3問 10点 ログインとフラグ提出の練習
Lv1 8問 100点 OCI Foundation Associate
Lv2 6問 200点 OCI Architect Associate
Lv3 6問 300点 Associate 〜 Professional
Lv4 11問 400〜500点 OCI Architect Professional

配点合計は8,930点。配点の6割近くをLv4が占めているので、上位を狙うならLv4を避けて通れない設計になっています。

実際のCTFdの課題画面はこんな感じです。Lv0の「CTFdへのログイン・フラグ提出」から始まって、上のレベルに進んでいきます。

当日の流れと競技環境

当日のタイムテーブルはこんな流れでした。

  • 13:00 オープニング・ルール説明(この時点ではLv0の練習問題のみ公開)
  • 13:30 Lv1〜Lv4の31問を一斉公開、競技スタート
  • 15:00 結果発表・表彰
  • その後 問題解説、オラクル社ゲストからのコメント、OCIスキルアップガイド、クロージング

最初の30分でCTFdへのログインとOCIコンソールへのログインを済ませてもらい、13:30に残りの問題をまとめて公開する方式にしました。

競技環境は、OCI の Container Instance + Load Balancer + File Storage で動かし、Cloudflare 経由でHTTPS配信しています。

また参加者用のOCI環境は45名分のコンパートメントを Terraform で当日朝までに自動構築しました。人数分を手作業で作っていたら確実に間に合っていないので、Infrastructure as Code さまさまです。

結果発表!上位2名は最後まで大接戦

まずは最終スコアボードのトップ10です。

順位 得点 備考
1位 7,030点 29問正答(最多)、ヒント未使用
2位 6,730点 27問正答、ヒント未使用
3位 4,555点 22問正答
4位 4,130点 Lv4-03(Functions/API Gateway)唯一の正答者
5位 4,030点  
6位 3,525点  
7位 3,320点 Lv4-02(OKE Secret)唯一の正答者
8位 2,930点  
9位 2,730点  
10位 2,715点  

1位と2位は300点差。しかもお二人ともヒントを一切使わずに走り切っています。満点8,930点に対して1位が7,030点(78.7%)なので、Lv4を全問解いた方はいませんでした。ここは出題側としてちょっとホッとしています(笑)。

スコアの推移を見ると、この接戦ぶりがよく分かります。

青い線の2位の方は、13:32から13:45までの13分間でLv1-02からLv2-02までの9問を連続で「初回正答」しています。1問あたり約1.5分。Lv1〜Lv4の34問中22問で最初にフラグを通したのもこの方で、序盤から中盤まではずっと先頭を走っていました。

一方のオレンジ色の1位の方は、14:30以降にLv3〜Lv4の高配点問題をまとめて解いて追い上げ、14:56の最終正答で逆転。締切4分前です。運営側もZoomの向こうで「おおっ」と声が出ていました。

上位2名だけでなく、10位でも2,715点。1問以上正答した28名のうち12名がLv4の問題まで到達していて、中位の皆さんも十分に楽しんでいただけた点数分布になったと思います。

数字で見る難易度カーブ

出題側として一番気になっていたのが「難易度設計は意図どおりに機能したか」です。
レベル別に集計してみました。

レベル 問題数 1問あたり平均正答者数 平均正答率(発行アカウント45件に対して)
Lv0(練習) 3問 27.3名 60.7%
Lv1 8問 24.5名 54.4%
Lv2 6問 17.8名 39.6%
Lv3 6問 7.2名 15.9%
Lv4 11問 3.5名 7.7%

54% → 40% → 16% → 8%と、レベルが上がるごとに正答率がきれいに落ちていきました。出題した本人が言うのもなんですが、ここまできれいに階段になるとは思っていませんでした。

面白いのは落差の場所です。Lv0からLv1への落差はほとんどなく(60.7%→54.4%)、Lv0で環境に入れた人はLv1もほぼ解けています。Lv1は「コンパートメントの階層を読む」「ポリシー文を読む」「セキュリティリストを読む」といった、コンソールで設定を読み取れれば答えが出る問題が中心なので、これは狙いどおりです。

一番大きな壁になったのはLv2からLv3(39.6%→15.9%)でした。Lv3からは「複数のNSGを重ねて評価する」「複数のポリシーを組み合わせて評価する」「動的グループのマッチングルールを読む」といった、ひとつの画面を読むだけでは答えが出ない問題になります。「読めば分かる」から「考えて試す」への切り替わりが、ちょうどここだったわけです。

これは時間帯別の提出数にも表れていて、13:30〜13:45は正答106件に対して誤答41件だったのが、14:00〜14:15には正答72件・誤答72件と同数になりました。Lv1〜2を解き終えた皆さんが、一斉にLv3〜4の壁に当たり始めた時間帯です。

解けなかった問題、解けすぎた問題

全34問ほとんどに正答者がいたので、ちょっとホッとしました(唯一面倒臭い問題は誰からも回答がありませんでしたが💦)
その中で印象に残った問題をいくつか。

正答者1〜2名の難問

Lv3-02「NFSエクスポートオプションの読解」は正答者2名。同じLv3のLv3-01(ボリュームグループのクロスリージョンレプリケーション)やLv3-03(複数NSGの重畳評価)が15名解けているのに対して、ここだけガクッと落ちました。

ヒントの取得回数も9回で最多クラス。File Storage のエクスポートオプション(どのクライアントにどの権限を許可するか)は、普段 File Storage を使い込んでいないと読み解きにくい部分なので、Lv3の中で難易度が浮いていたかもしれません。次回に向けての反省点です。

Lv3-06「ブロックボリュームのアタッチとマウントによるフラグ取得」は正答者0名。今回の問題の中で、インスタンスにボリュームをアタッチしてOS側でマウントするところまで手を動かす必要がある、いわば実技試験のような問題でした。

ちなみにここは誰も正答者がいなかったので最後の解説時に私が実際に操作しながら説明したところです。ちょっと難易度調整ミスってますね。これは次回に向けての反省です。

また、Lv4では、Lv4-02「OKE Secretの読み取り」とLv4-03「Functions/API Gateway構成の読解」がそれぞれ正答者1名。Lv4-11「Autonomous AI Database(Always Free)の設定確認」も2名で、2人目は競技終了後の16:32の延長時間帯でした。Lv4で比較的解かれたのはLv4-01「OCIRイメージ/マニフェストの読み取り」の8名、Lv4-06「ZPRポリシーの読解」とLv4-10「VPN構成の読解」の各5名です。

「読むだけじゃない」問題の例

参考までに、Lv2-03「ロードバランサのバックエンド確認」の問題文を載せておきます。

バックエンドセットがCriticalになっている原因(ヘルスチェック設定のズレ)を直して、正常化してからリスナーのポート経由でアクセスすると、そこにフラグがある、という問題です。正答者は10名で、Lv2の中では一番正解者が少なかった問題でした。

「異常の原因を見つける」「設定を直す」「結果を確認する」という、実務のトラブルシューティングそのままの流れが求められます。

誤答が集中した問題

逆に「解けすぎた」というより「誤答が多すぎた」のがLv1-02「ポリシーステートメントの読解」です。正答者26名に対して誤答が67件。全体の誤答310件のうち2割以上がこの1問に集中しました。

正答者数自体は多いので問題が難しかったわけではなく、フラグの表記ゆれ(空白や大文字小文字)で弾かれていた可能性が高いと見ています。

これは出題者側のミスですね💧
今後は提出されたフラグ文字列を見直して、次回はフラグ形式の案内を改善する予定です。

同じ意味で、練習問題のLv0-02「OCIコンソールへのログイン確認」でも誤答が19件ありました。練習問題でつまずくと最初から気持ちが折れてしまうので、ここは回答形式の例示をもっと丁寧にしないといけないですね。

ヒントは「気軽に開く」設計にしてみた

今回、各問題には最大3段階のヒントを用意しました。減点はレベルに比例していて、Lv1なら1つ目が5点、2つ目が10点、3つ目が15点。Lv4の後半になると25点・50点・75点です。どのレベルでも3つ全部開いて解いても、配点の7割は残ります。
 
 
「減点が怖くてヒントを開けない」よりも「分からなかったが進んでほしい」、でも「ヒントなしで解いた人がちゃんと報われる」という2つを両立させたかった、というのが設計意図です。
 
結果としてヒントの取得は合計157回。正答者28名のうち16名が利用し、減点の合計は3,495点でした。
 
ただ、使い方はかなり偏っていて、2名の方だけで全体の69%(74回と34回)を占めていました。残りの14名は1〜8回です。上位2名はヒント未使用、3位の方も2回だけだったので、上位争いにはヒントはほとんど絡みませんでした。
 
一方で、74回使った方は減点合計が2,175点。ヒントを多用した方にはしっかり効いています。「気軽に開ける」けれど「ノーヒントを続ければちゃんと差がつく」という点では、狙いどおりに機能したと思っています。
 
面白かったのは、ヒントが最も開かれた問題(各9回)がLv1の3問とLv2の2問、そしてLv3-02だったことです。Lv1は1つ目が5点と安いので「とりあえず開く」が起きやすく、一方のLv3-02は減点合計が270点と重いですが、こちらは純粋に問題が難しかったことの表れだと見ています。

運営してみての振り返り

正直に言うと、開催前は「45名分のOCI環境が当日朝に全部立ち上がるのか」が一番の心配でした。参加者ごとにコンパートメント、VCN、インスタンス、ロードバランサ、File Storage、OKE、Functions……とLv4の問題まで含めると仕込むリソースの数が結構な量になります。

これを Terraform で完全自動化して当日朝までに構築し、イベント終了後にまとめて destroy する、という運用にしたのですが、結果としてトラブルなく走り切れました。本当にIaC最高です!

当日の運営面で細かい話をすると、CTFdへのアクセス経路を前夜は運営者IPのみに絞っておいて、当日朝に Cloudflare 経由のアクセスを開放。競技中に参加者側でアクセスが不安定になる可能性に備えて、途中で Load Balancer のIngressを全開放に緩和しています。このあたりの「本番当日の設定変更」は、まさにOCIの Security List や Load Balancer の実運用そのものでした。

数字を見返して次回に活かしたいのはこのあたりです。

  • Lv1-02の誤答67件の原因分析と、フラグ形式の案内改善
  • Lv3-02(NFSエクスポート)の難易度をLv4相当に見直すか、問題文で前提知識を補う
  • 発行45アカウントのうち17件が未使用だったので、当日の参加見込みに合わせた環境数の調整
  • ヒントの利用が2名に集中していたので、ヒントを開いた人向けに解説へ誘導するなど「ヒントの先」のフォローの検討

手応えとしては、正答率がレベル順にきれいに下がる難易度カーブが実現できたこと、ほとんどの問題に正答者がいたこと、そして上位2名が最後の数分まで競り合う展開になったことの3つが大きかったです。

参加者の皆さん、ゲストの渋井さん・原田さん、そして裏方を支えてくれた社内メンバーに改めて感謝です。

次回もぜひ開催したいと思っていますので、続報をお楽しみに!

OCIを本格的に学ぶならトレノケートのOCI研修で

今回のイベントで「Lv1やLv2は解けたのに、Lv3から急に難しくなった……」と感じた方も多かったのではないでしょうか。

実際、Lv3以降の問題はOCI Architect AssociateからProfessionalレベルで求められる知識や考え方をベースに作成しています。裏を返せば、これらは体系的に学習することで十分に身につけられる領域でもあります。

OCIの設計・構築・運用スキルを実践的に学びたい方は、ぜひトレノケートのOCI研修もご活用ください。

 

▼OCI初級編:まずは基礎から
Oracle Cloud Infrastructure Foundation Associate: Hands-on Workshop | IT研修のトレノケート

▼OCI中級編:設計・実装スキルを実践的に
Oracle Cloud Infrastructure Architect Associate: Hands-on Workshop | IT研修のトレノケート

▼OCI上級編:今回のLv3〜Lv4相当の領域はこちら
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Professional 資格そのものの勉強法については、こちらの記事もあわせてどうぞ。
一発合格!Oracle Cloud Infrastructure Architect Professional(1Z0-997-25)攻略|3ステップ勉強法

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今後も定期的にイベントやウェビナーを企画いたしますので、今回参加出来なかった方で OCI でも AWS でも興味がある方はフィードバックを是非お願いいたします♪