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知られざる?!マイクロソフトスキル認定『Applied Skills』傾向と対策

好きなサービスはActive Directoryドメインサービス、推しているアイドルは皆本しいね(君のメインヒロイン)、マイクロソフト認定トレーナーの横山哲也です。

2023年10月に、マイクロソフトから新しい「認定技術者プログラム」として「Applied Skills」が登場しました。2年以上たつのに意外に知名度は低いようです。3月は、新しい環境に向けたスキルアップシーズンでもあるので、改めて紹介したいと思います。
 

目次

こんなことはありませんか?

たとえば、こんな相談を受けたことはないでしょうか。
 
「今度、Azureの仕事をするのですが、どんな勉強をしたらいいでしょう」
「一通りの内容を体系立てて学習するなら、最初に取得したいのが『マイクロソフト認定資格AZ-104: Microsoft Azure Administrator Associate』、さらに高度な設計まで行なうなら『AZ-305: Designing Microsoft Azure Infrastructure Solutions』ですね」
「いや、それは分かるんですが、内容が広すぎて大変です。たとえば監視だけとか、仮想ネットワーク管理だけとか、そこだけできればいいんです」
「なるほど、特定の状況に対処するスキルが身に付けられればいいということですね」
 
Applied Skillsはこういう状況で役に立ちます。
 

Applied Skillsの目的

Applied Skillsは、特定のIT状況に対処するスキルの修得を目標にしています。
MCPが特定の技術分野に関する広範囲な知識とスキルの修得を目標にしているのに対して、Applied Skillsはもっと限定された範囲を扱います。範囲が狭いので簡単そうに思うかもしれませんが、簡単には比較できません。

MCP試験にも操作手順の問題が含まれますが、必要な作業は限定的で、通常は1つの実行コマンドや、ダイアログボックスの意味が分かればだいたい答えられます。手順は多くても数ステップです。
それに対してApplied Skillsでは、決められたシナリオに従って実際にシステムを構築したり、問題を解決したりします。
必要な手順は少なくても数ステップ、全体では数十ステップを超えるかもしれません。
どちらかというと、「知っていること(知識)」よりも「できること(技能)」が重視されます。

英語の「Applied」の原形「Apply」は「適用する」「応用する」「手当てする」のような意味を持ちます。
派生語の「Application(アプリケーション)」は「現実の仕事に適用できる(applyできる)ソフトウェア」という意味ですね。
「Applied Skills」も「現実の仕事に適用できる技能(skill)」の意味を持ちます。
 

MCPはどこに行った?

マイクロソフトの認定資格についてはこちらの記事「【2025年6月版】Microsoft Azureの認定資格についてまとめました」をご覧ください。

ちなみに「MCP」という言葉は公式サイトからはほとんど消えています。
「Microsoft Certified Professional」の略として登場した「MCP」ですが、その後「Microsoft Certified Program」の略となり、資格ではなく資格制度の名前になりました。資格取得者は略称ではなく「Microsoft Certified」と呼ばれていますが、ここでは従来通り「MCP」と呼ぶことにします。

余談ですが、今は「MCP」というとAIモデルと外部ツールを接続する規格「Model Context Protocol」を思い浮かべる方の方が多いかもしれません。
マイクロソフトの公式学習サイト「Microsoft Learn」もMCPが利用可能なサーバー機能があるのでややこしくなってきました。興味のある方は「Microsoft Learn MCP Server の概要」などを参照してください。

なお、純粋なオンプレミス分野の認定資格は提供されていません。AZ-800およびAZ-801の2科目に合格すると「Windows Server Hybrid Administrator Associate」認定資格が得られますが、名前の通りオンプレミスとクラウドのハイブリッド環境について扱います。

一方、Applied Skillsでは「Active Directory Domain Servicesを管理する」というタイトルで、オンプレミスActive Directoryドメインサービスを扱っています。

 

Applied Skillsのスキル認定取得ステップ

実際にApplied Skillsのスキル認定を受ける手順は以下のとおりです。トレノケートでは、一部のApplied Skillsに対して1日の研修を提供しています。
  1. テキストで学習する
    公式サイト「Microsoft Learn」で、対応するドキュメントで学習します。トレノケートでは講師による講義を提供しています。

  2. 演習を行なう
    Microsoft Learnには自習ドキュメントの他、「ガイド付きプロジェクト」と呼ばれる演習問題が提供されています。ただし、提供されるのは課題だけで、実際に演習を行なうにはAzureのサブスクリプション契約などが必要です。トレノケートの研修ではWebブラウザーから利用できる演習環境を提供しており、Azureサブスクリプションは必要ありません。演習環境は研修終了後も利用できるので研修時間内に演習が終わらなくても後日ゆっくりと操作できます(期間と回数の制限はあります)。

  3. 評価を受ける
    最後のステップがスキル認定試験です。これに合格すればスキル認定が得られます。このステップはトレノケートでは提供していません(評価の詳細は後述します)。

Applied Skills対応教育コースはどれも1日です。MCP資格に対応した教育コースの多くが3日間から4日間で提供されているのと比べると、特定分野に絞っている分短くなっています。そのため、特定分野のスキルを最短時間で習得できます。

 

Applied Skillsのスキル認定試験(評価)

Applied Skillsのスキル認定試験は「評価」とも呼ばれ、無料で提供されます。

評価は自分のPCから行なうため、自宅でも職場でも好きなところで実行できます。
試験監督はいませんので、24時間いつでもチャレンジできます。試験中に資料を参照しても構いません。
Applied Skillsは「指示された作業ができればいい」という考え方に基づいているためです。実際の現場でも資料を見ながら操作することはありますよね。
操作はGUIでもコマンドでもどちらでも得点に差はありません。好きな方を使ってください。
 
合否にかかわらず、同じ試験を複数回受けることもできるため、試験に落ちたときの再受検の他、Azureの操作が大きく変わったときなどに自分のスキルを再確認する目的でも使えます。
ただし、前回の受検から72時間(3日間)空ける必要があります。
試験結果は全体の得点比率は表示されるものの、分野別の得点比率や、具体的にどの操作が間違っていたのかとか、そういう情報は含まれません。得点に納得がいかない場合は再受検できますが、再受検しても間違った箇所が分かるわけではありません。
 
試験が開始すると、最終目標が与えられ、それに向けて実際に操作をします。たとえば「ストレージアカウントを作成し、カスタマー定義キーを使った暗号化を行なうとともに、インターネットアクセスを制限しなさい」のような感じです(実際の出題はもっと複雑です)。
 
試験にかかる時間は2時間程度とされていますが、私はどの試験も1時間ほどで終わりました。じっくり見直すタイプの方は1時間半以上かかると思います。
採点はその場で行なわれます。採点には部分点があるため、要件を完全には満たしていなくても構いません。
 
 
実際の試験結果を示します。
これは「Deploy and configure Azure Monitor(Azure Monitorをデプロイして構成する)」を受検したときのスコアレポートです。

1つだけ不合格のセクションがありますが、全体としては94%で合格しているので部分的に間違えたのだと思います。私としては満点のつもりだったのですが、どこを間違えたのかは分かりませんし、無料とは言え受検にはそれなりの時間がかかるので、満点はあきらめました。どこかで問題の意図を取り違えたのかもしれません。
 

Applied Skills対応コース

トレノケートで提供しているApplied Skills対応コースは以下のとおりですが、今後も増やしていく予定です。
 
【AzureおよびWindows Server】
 
【Power Platform】
 
【アプリケーション開発】