仕様の取りまとめや進捗管理、顧客との日常的なやり取りはできる。しかし、要件を固める段階やコスト、リスクの管理まで任せようとすると、なかなか次の段階へ進めない。
こうした「もう一皮むけてほしい」プロジェクト・マネジャー候補の伸び悩みは、本人の能力や意欲だけが原因とは限りません。目標までの道筋や、育成する側の関わり方が曖昧になっている可能性もあります。
本記事では、中堅プロジェクト・マネジャーの成長を支えるために意識したい、小刻みな目標設定とサーバント・リーダーシップの考え方を紹介します。
伸び悩んでいる中堅プロジェクト・マネジャーを、次の段階へ育てる方法を聞いてみる
目次
「もう一皮むけてほしい」プロジェクト・マネジャー候補に期待する次の役割
唐突ですが、皆様の周りに「もう一皮むけてほしい」「もう少しXXもできるようになってくれるとありがたいのだが」という人材はいませんか。
プロジェクト・マネジャー候補や、プロジェクト・リーダーで言うと、以下はこなせる状態です。
-
システム仕様の取りまとめはできる。
-
委託先やメンバーの進捗管理はできる。
-
顧客との日常的なやり取りはできる。
入社後数年で、上記がこなせるようになっていれば「初期段階の育成はうまくいっている」としてよいのではないでしょうか。でも「さらにその上をできるようになってほしい」と期待を寄せている人材はいませんか。
たとえば「顧客との要件を固める段階からできるようになってほしい」「コスト面にも目を向けられるようになってほしい」「課題になる前に、リスクの段階で摘み取れるようになってほしい」と期待を寄せている人材です。
プロジェクトを取り巻く状況によって願いはまちまちでしょうが、このような人材が皆様の周りにも多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしそこで伸び悩んでしまったり、若いのに「静かな退職」に近い状態になってしまって自分の守備範囲を積極的に広げようとしなかったり、という事態に直面することも多くあるのではないかと考えます。
プロジェクト・マネジャー候補の成長を支える、小刻みな目標設定
プロジェクト・マネジャー候補に期待する役割が明確になっても、それだけで次の成長段階へ進めるとは限りません。成長の道筋を具体化するためには、到達目標を小刻みに設定することが重要です。
もちろん相手が「人間」である以上、どのような状況にでも適用できる万能な正解はありませんが、少し意識して頂きたいのが「目標管理制度を形骸化させない」ということです。
皆様の会社の多くは、目標管理制度もしくはそれに類する制度を導入されているものと認識しております。そして、「育成対象の人材が半年後もしくは1年後に到達すべき目標を設定する」というやり方を採用することが多いかと考えます。
この「半年後もしくは1年後に達成すべき目標」を設定することはもちろん重要なのですが、それを受けて「1か月後にはここまでできるようになろう」「3か月後には……」「半年後には……」と小刻みな目標設定をして頂きたいのです。
そうすることで、「どこまでできるようになったのか」「何が足りていないのか」がより明確になり、育成をする側も、育成をされる側も、同じ視点を持つことができるようになり、目標に向かって着実に前進することができます。
第6回のコラムでもお伝えしましたが、あまりに高すぎる目標は人を委縮させてしまい、モチベーションを喚起することもありません。また、適切なマイルストーンを設定せず、とてつもなく遠くに目標が設定されているようでは、やはりモチベーションは喚起されません。
こういった点もぜひ念頭に置いて頂きたいのです。
サーバント・リーダーシップで、安心して成長できる環境をつくる
目標を細分化するだけでなく、育成対象者が安心して挑戦できるよう、育成する側の関わり方を見直すことも重要です。できれば「サーバント・リーダーシップ」の姿勢も保持して頂けると良いかと考えます。
サーバント・リーダーシップは自己組織化チームとセットで語られることが多く、「プロジェクト・マネジャーやリーダーがサーバント・リーダーシップを発揮することで、チームの自己組織化が促され、上位者の指示待ちではなく、チームが主体的に動けるようになる」といったコンテキストで使われます。
このように、チームの育成で使われることが多いサーバント・リーダーシップを、プロジェクト・マネジャーの育成にも大いに活用して頂きたいのです。
サーバント(servant)という単語を英語の辞書で引くと、恐らく「使用人」「召使」という訳語が最初に出てくると思います。
召使のように育成対象とつかず離れずの「丁度良い距離感」を保ち、本当に当人だけでは解決が困難な課題に直面したり、大ピンチに陥りそうになったりしたときにはそっと手を差し伸べてあげる……そんな人が周囲にいたら、人は安心して自分の仕事に打ち込むことができ、結果として自ずと成長していけるのではないでしょうか。
中堅プロジェクト・マネジャーの成長段階に合わせた一社向けカスタマイズ研修
中堅プロジェクト・マネジャーの伸び悩みを乗り越えるには、最終的な到達目標を掲げるだけでなく、現在地から逆算して、小刻みなマイルストーンと実践機会を設計することが重要です。
トレノケートでは、企業ごとのプロジェクトの特性や、プロジェクト・マネジャー候補者に任せたい役割を踏まえ、一社向けのカスタマイズ研修をご提供しています。
中堅プロジェクト・マネジャーの現在地に合った、段階的な育成方法を聞いてみる