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DX検定の勉強方法は何がおすすめ?ケースごとに解説

ICTやIoTをはじめとしたイノベーションが起こる昨今、個人・企業問わず学びなおしでさまざまな知識を蓄えたり情報をアップデートしたりする動きが見られます。働きながら資格勉強を行ったり企業の研修に参加したりする方も多いでしょう。その中で、DX検定は比較的勉強しやすく、かつ自分のDXやITスキルを把握するためにおすすめの検定の1つです

本記事ではDX検定の受験を検討する方向けに、試験の概要や勉強方法、申込みから合格までの流れを紹介します。働きながらの勉強は時間の確保や学ぶツールの厳選が大切です。

※今回ご紹介するDX検定の情報は2023年11月時点のものです。受検時は DX検定 の公式情報を確認してください。

DX検定の要項を確認 

ここではDX検定の要項を解説します。効率的な勉強を行うには「何が問われるのか」「何のために試験があるのか」など検定の本質を把握すると理解が深まります。

DX検定で問われる内容

DX検定ではIT先端技術への知識とビジネスシーンでIT技術を活用する際に必要な知識が問われます。試験自体は2018年にスタートした新しいものですが、多くの企業がDX検定に取り組んでおり、従業員のITリテラシー向上に役立てています。

試験では、「ビジネス」「技術」の2分野に対する知識を問われ、ビジネスではイノベーション戦略に関する知識や、DXを活用したサービスなどビジネスシーンを意識した設問があります。技術についてはAIやIoTなど、最新技術への知見を問われます。そのため、「どのような技術があり、それらがどのようにビジネスで役立っているのか」を意識しながら勉強していくと理解を深めやすくなります。

受験要項

DX検定は受験条件が定められていないため誰でも受験可能です。なお、試験は60分で120問の回答を行います。回答方法は多肢選択式です。受験はWEB受験のため、自宅や会社のPCまたはタブレットから回答します。

なお、試験範囲は協会が発表するシラバスからの出題のため、協会の各種資料を読み込んだ上で書籍やeラーニングで問題に慣れていくと無理なく進められます。

DX検定の難易度   

DX検定の難易度は目指すレベルにより異なります。DX検定では合否だけを問うのではなく、下記3つのいずれかを目指す形になります。

*スコア800以上:DXプロフェッショナル

*スコア700以上:DXエキスパートレベル

*スコア600以上:DXスタンダードレベル


しかし、どのレベルも難易度は高いとされており、2021年に行われた検定結果では平均点数が513点との結果が出ています。また、2023年に行われた試験では平均点が495点と下がっています。いずれも平均点数がスタンダードレベルにおよばないことから、難しい検定といえるでしょう。なお、各レベルの認定率は下記のとおりです。

 

*スコア800以上:DXプロフェッショナル:4.1%

*スコア700以上:DXエキスパートレベル:9.4%

*スコア600以上:DXスタンダードレベル:14.5%

*未達:72.0%


認定の括りで見ると、合格率は30%程度のため適切な学習が求められます。ただし、難易度が高い試験であることから、実際に認定を受けるとアピールポイントとして活用できるでしょう。

DX検定の勉強方法は3パターン

ここからはDX検定の勉強方法を3パターン紹介します。勉強方法は人それぞれのため、自分に適した方法で認定を目指しましょう。

書籍や過去問を使って独学

1つ目の方法はDX検定の推薦書籍を使ったり過去問を確認したりする方法です。DX検定の主催団体である「一般社団法人日本イノベーション融合学会」が推薦する書籍は公式ホームページに10冊紹介されており、下記のとおりです。


【初心者向け書籍】

  • いちばんやさしいDXの教本
  • 人気講師が教えるビジネスを変革する攻めのIT戦略
  • 図解コレ1枚でわかる最新ITトレンド新装改訂4版
  • イラスト&図解でわかるDX
  • 日経テクノロジー展望2024
  • 世界を変える100の技術

【中・上級者向け書籍】

  • インターネット白書2023
  • この一冊で全部わかるビジネスモデル基本・成功パターン・作り方が一気に学べる
  • AI白書2023
  • DX実行戦略デジタルで稼ぐ組織をつくる
  • 業界別!AI活用地図8業界36業種の導入事例が一目でわかる!
  • DX白書2023

書籍はスタンダードレベルを目指す初心者向けと、エキスパートやプロフェッショナルを目指す中上級者向けで紹介されています。インターネット白書2023やAI白書2023などは文章やデータを読み解く力も求められるため、独学だけでなく外部の研修を検討する方法もおすすめです。

過去問についてはDX検定専用のホームページでは数問程度しか公開されていないため、どのような問題の雰囲気かを判断する材料として役立てましょう。

eラーニングの活用

書籍での勉強が苦手な場合はeラーニングの活用がおすすめです。eラーニングはオンラインで講義を聴いたり、動画を見たりして勉強を進めます。ツールによっては過去問の回答までできるものもあるため、計画的に進めたい場合や成果を可視化できるとモチベーションアップする方におすすめです。なお、eラーニングは企業規模で取り組むパッケージもあるため個人・法人問わず活用できます。

企業規模での勉強会開催や研修を取り入れて参加する

DX検定を企業主体で受ける場合、従業員に一人で勉強を進めてもらうのではなく、企業が勉強会を開催したり出題される用語を理解するための研修を取り入れたりする方法があります。人材育成教材を扱う会社の研修では、DX検定の内容と重複するテーマを扱っているパッケージもあるため、研修の延長線上にDX検定を見据える方法もおすすめです。

ケースごとに解説!自分に適したDX検定の勉強方法を知ろう

ここから働きながらDX検定の認定を目指す方向けに、さまざまなシーンを想定しておすすめの勉強方法を紹介します。

働きながら夜に時間を設けて勉強する場合

働きながら夜間に数時間勉強時間を設ける場合はeラーニングがおすすめです。
書籍の場合、読み進めるうちに集中力が切れたり眠くなったり学習が進まないこともあるでしょう。eラーニングであればパソコンを使って回答するため、手を動かしながら勉強が進みます。ただし、長時間設定すると集中力が切れたり睡眠不足に陥ったりするため「21時から23時まで」など時間を決めて学習を進めましょう。

企業規模で取り組む場合

企業規模で取り組む場合は従業員が学習時間を統一する方法がおすすめです。各従業員に帰宅後に勉強に取り組むようにと伝えても、それぞれの事情があったり業務が終わらず勉強時間を確保できなかったりします。そのため、始業から30分を学習やインプットの時間に当てたり、週に数回勉強会の時間を設けたり意図的に時間を設けましょう。

その際に疑問点を解消できるようアドバイザーを用意したり外部の研修ツールを導入したりすると不安を抱えず受験までの日程を乗り切れます。

企業規模でのDX検定のおすすめ活用方法

ここからは企業がDX検定を取り入れる際におすすめのタイミングを4つ紹介します。既存従業員のITリテラシー向上だけでなく、今後入社する人材を育成する効果も見込めます。

新入社員研修

DX検定は新入社員が入社した際のカリキュラムに組み込む方法もおすすめです。新入社員研修では社会人としてのあり方や業務の進め方を学びますが、それに加えてDXの研修を取り入れると現代にあった人材育成ができるでしょう。とくに20代はある程度デジタルデバイスを使いこなしているため、ビジネスとしてデジタルデバイスを使うマナーや法律について理解を促すことが大切です。

DX人材育成のきっかけ

多くの企業がDX人材の育成や採用に乗り出しています。そのため、社内でDX人材を育成したいと考えた際にDX検定を活用するのもおすすめです。複数の従業員に対してDX検定を受験してもらい、その中からスコアが高かった人をDX人材として登用する方法もあります。

従業員の勉強習慣定着

DX検定を従業員の勉強習慣定着に役立てる方法もあります。近年は政府主体でリスキリングやリカレント教育を働きかけるなど、働きながら学ぶ必要性が問われています。そのため、普段の仕事だけでなく新しいスキルを学ぶことが従業員に求められつつあります。
とはいえ、学習習慣がない場合は新しいことへの学びに抵抗を感じたり頓挫したりする可能性があります。

しかし、DX検定をきっかけに社内で勉強会の開催や勉強時間の確保を行うと、「意外にできたし次も資格を取ってみようかな」と勉強を習慣化する従業員も現れるでしょう。


一度目標を達成すると自信がつき、さらに学びたい意欲が高まる可能性もあるため、DX検定を機に社内に学びの習慣を広げることもおすすめです。

熟練社員のITリテラシー向上

DX検定は若手従業員だけでなく熟練社員や役職者への働きかけもおすすめです。DXを経営陣主体で進めるには、経営陣がDXに理解を深める必要があります。そのため、役職者や各部署のリーダーがDX検定を受け、知見を深めると企業全体のDXが促進されます。
ただし、熟練社員の場合は責務が大きく勉強時間の確保が難しい傾向があります。受験の場合は学習時間の確保が課題です。

 

企業でDX検定 を受験する場合の流れを解説

ここからは企業がDX検定を受験する際の流れを解説します。DX検定はメールで申し込みを行い、必要書類は郵送されるためすべてオンラインで完結します。流れを把握し申し込みをスムーズに行いましょう。

メールで申し込み

法人の場合は申し込みフォームからエクセル形式の申込書をダウンロードし、必要事項を入力します。必要事項は法人の情報や受験者の情報などです。必要事項を入力したら資料に記載されているメールアドレスに送付します。法人の場合受験費用等見積もりが必要なケースがありますが、その場合はメール時に合わせて連絡しましょう。

なお、受験人数が50名以上の場合は別途企業単位で受験日を決められます。

受験情報の交付

メールを送付してから数日後に受験情報がメールで送付されます。申込時にリストに記載した各従業員のメールアドレスに個別の受験用IDパスワードが連絡されます。複数の従業員で受ける場合、各従業員にIDやパスワードの管理を周知することが大切です。

受験・結果発表

申し込みが済んだら受験です。受験開始時刻が決まっているため時間を確認し、遅刻のないようにしましょう。試験は60分の制限時間が設けられているため、対象従業員でまとめて受験することがおすすめです。人事担当者がタイムキーパーとなり統括すると試験がスムーズに進みます。

なお、結果は受験から1カ月後に開示されます。登録したメールアドレス宛に結果が公表された旨の連絡が来るため、個人ページにログインして結果を確認しましょう。そのタイミングで結果(スコア)のダウンロードが可能になります。なお、各レベルをクリアした場合は学会の認定委員会承認の「スコア認定証」が発行されます。

 

まとめ

DX検定はITリテラシー向上のきっかけになるため、個人・企業問わず需要が高まっています。しかし、難易度が高いことから踏み出せないということもあるでしょう。その場合は人材育成会社パッケージを活用し、DXの知識を深めながらDX検定の認定を目標に学ぶことがおすすめです。

DXの検定のみを目的に勉強をしても検定が終わると知識を活かせなかったり、実践に基づいた勉強ができなかったりします。DXに関する人材育成研修を受けて、より実務に近い形で学びを深めると検定のその先で役立たせることができるでしょう。DX人材の育成や知識習得を目指す場合はぜひトレノケートをご検討ください。

 

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