人材開発に関する用語をトレノケートの講師がわかりやすく解説します。
仕事を通じて人を育てることをOJT(On the Job Training)と言う。
企業では、2000年代より、OJTが「制度化」されるようになってきた。特定のOJTトレーナーを若手に1対1でアサインし(割り当て)、一定期間、成長支援に当たらせるものである。新入社員の成長を目指してスタートしたこの制度、現場からは「新入社員の成長はさることながら、OJTトレーナーの成長も著しい」との声がある。
人を育てることによって、自らも成長していくという意味では、「共育」の制度と呼ばれることもある。
なお、OJTを担当する人を、ここでは、「OJTトレーナー」としたが、企業ごとに異なっており、以下のようなバリエーションがある。「OJT指導員」「OJT担当者」「OJTコーチ」「OJTアドバイザー」「ブラザー/シスター」など。
2003年に企業のOJT制度立ち上げのお手伝いをしたことから、OJTトレーナー研修などを通じて、OJTの現場に触れてきました。
「OJTトレーナー、荷が重いなぁ」「新人を育てるなんて面倒だなぁ」とおっしゃっていたような方も半年もすれば、「後輩を育てるのは楽しい」「それ以前に、自分のためになっている」「忍耐強くなった」「説明の仕方を工夫するようになった」「OJTをしているだけで、社内人脈が増えた」といった前向きなコメントを口にするようになります。
長年お手伝いしてくる中で実感しているのは、「OJTトレーナーを担当すること」は、「リーダーシップ開発の機会になっている」ということです。リーダーシップとは、「目標を達成するために他者に与える影響力を発揮すること」と定義するならば、右も左もわからない新入社員(や若手社員)を一人前に育てていく過程は、まさに自らのリーダーシップ開発につながる第一歩となります。もし、OJTトレーナーの機会が巡ってきたら、挑戦してみてはいかがでしょうか。
文責:田中淳子(国家資格キャリアコンサルタント)
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