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【人材開発用語集】トランジション

人材開発に関する用語をトレノケートの講師がわかりやすく解説します。

 

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トランジション

トランジションとは、キャリア開発の分野で使われる言葉で、「転機」「移行期」「節目」を指す。キャリアは安定した時期とトランジションの繰り返しで、トランジションを乗り越えるプロセスを経て形成されていくといわれる。

例えば、会社に入社した、異動になった、役職が変わった、ということもひとつのトランジションである。これまでと異なる能力を身につけて発揮する必要があり、それに対応しようとするプロセスがキャリアを作り上げている。

また、表面的には何も変わらなくても、自分の中で心持ちや行動を変えるきっかけがあればそれもまたトランジションである。

神戸大学の金井壽宏教授は、トランジションに対して「節目」という言葉を使用し、「節目と節目の間は多少流れに身を任せてもよい(これを「キャリアドリフト」と言う)が、節目の際には自分の歩みを振り返り、今後のキャリアを考える『節目のデザイン』が重要である」と述べている。

 

(参考文献)金井壽宏『働くひとのためのキャリア・デザイン』PHP新書

 

コラム

メジャーリーガー・大谷翔平選手の活躍が注目されています。漫画の世界から飛び出たような「二刀流」の活躍は、私のような野球ファンのみならず、注目している人が多いのではないでしょうか?

大谷選手には高校3年生の冬に大きなトランジションがありました。彼は当時、卒業後は日本のプロ野球ではなく、投手としてすぐにメジャーリーグに挑戦することを考えていました。

しかし、日本ハムファイターズはドラフト会議で大谷選手を強行指名しました。そして、「日本のプロ野球を経験してからメジャーリーグに挑戦するほうが成功する確率が高い」という調査結果を説明し、大谷選手に投手と野手の二刀流へ挑戦するための戦略と支援を提案しました。

大谷選手は熟考の上、投手として卒業後すぐにメジャーリーグに挑戦する考えをやめ、球団関係者とともに二刀流への取り組みと数年後にメジャーリーグに挑戦するための戦略をデザインしたのです。

今の大谷選手の活躍は、本人の日々の努力はもちろん、その時の節目のデザインが功を奏した結果でもあると思います。

 

文責:都川 信和/国家資格キャリアコンサルタント

 

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