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デジタル教育の今 生成AIの教育での活用

2023年に生成AIが世界的に大きく広がりました。この生成AIは、教育にどのように影響を与えているのでしょうか。この記事では、教育のデジタル化の状況と合わせて、生成AIの教育における活用状況についてまとめています。

 

GIGAスクール構想

GIGAスクール構想のGIGAとは、Global and Innovation Gateway for Allの略称です。

直訳すると、「すべての人のためのグローバル(包括的な)でイノベーション(革新的な)へ向かうゲートウェイ(道)」となります。

つまり、「児童生徒向けに1人1台端末を利用できるようにし、学校においては高速大容量の通信ネットワークを整備するという、一体的な取り組み・構想」 であり、その目的は「多様な子どもたちを誰一人取り残すことのなく、公正に個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる」ことです。

児童生徒・学校の教育がデジタル化されるということは、生成AIを活用できる環境が整うことも意味しています。GIGAスクール構想がターゲットにしているのは、児童生徒・学校ではありますが、このような環境で教育を受けた方が今後は社会に出て活躍していくことになります。これを前提に考えるとすでに社会人になっている方も、必然的に生成AIなどのデジタルへの理解やスキルの習得が必要とされてくるのではないでしょうか。

<参考・引用>

新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ) (文部科学省)

令和元年度補正予算(GIGAスクール構想の実現)の概要 (文部科学省)

【徹底解説】今さら聞けないGIGAスクール構想とは?基本から実施スケジュール、文部科学省の支援まで解説(MASTER EDUCATION)

 

背景にある「 Society 5.0」とは

GIGAスクール構想の前提の1つになっているのが、「Society 5.0」という社会の到来です。

内閣府によると、「我が国が目指すべき未来社会の姿であり、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会」が、Society 5.0です。

サイバー空間とフィジカル空間(現実社会)が⾼度に融合した「超スマート社会」としており、この超スマート社会では、「必要なもの・サービスを、必要な⼈に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる⼈が質の⾼いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、⾔語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」であり、⼈々に豊かさをもたらすことが期待されています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の広がりに伴い、確実に社会はSociety 5.0に近づいているのではないでしょうか。

身近なところでは、生成AIによって、文章の作成が容易になりました。生成AIは文章の作成だけでなく、音声・画像・動画などの生成やアイデアの創出など、幅広く活用ができます。もちろん、生成AIを利用する際には、そのリスクについての理解も必要にはなりますが、生成AIが私たちの生活に大きな影響を与えました。

このように急速に発展していくデジタル社会において、働き、生活していくために、児童生徒の頃より学習環境を整え、時代にあった学習を推進しているのが、GIGAスクール構想です。

 

<参考URL

Society 5.0 - 科学技術政策 - 内閣府 (cao.go.jp)

第5期科学技術基本計画の概要 (cao.go.jp)

 

「情報」授業の導入・高等学校での必修化

GIGAスクール構想による学習環境の整備だけでなく、学習内容に関してもデジタル教育の変化が訪れています。

新しい学習指導要領がスタートし、「情報」授業が必修化されました。

情報科は、小・中・高等学校の各教科等の指導を通じて行われる情報教育の中核として位置付けられる教科です。高等学校では、全員が履修する必修科目となりました。2022年度から実施された情報科の内容は、2025年から大学入学共通テストへの出題されることになりました。

 

小・中・高等学校ごとの情報の授業のポイントは下記になります。

  • 小学校:文字入力など基本的な操作を習得、プログラミング教育を必修化
  • 中学校:技術・家庭科(技術分野)においてプログラミング、情報セキュリティに関する内容を充実
  • 高等学校:情報科において共通必履修科目「情報Ⅰ」を新設し、全ての生徒がプログラミングのほか、ネットワーク(情報セキュリティを含む)やデータベースの基礎等について学習

 

高等学校で学習する「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」では下記を学習します。

<情報Ⅰ>

  1. 情報社会の問題解決
  2. コミュニケーションと情報デザイン
  3. コンピュータとプログラミング
  4. 情報通信ネットワークとデータの活用

<情報Ⅱ>

  1. 情報社会の進展と情報技術
  2. コミュニケーションとコンテンツン
  3. 情報とデータサイエンス
  4. 情報システムとプログラミング教育
  5. 情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探求

 

【情報編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 (文部科学省) を確認する限りは、平成30年に告示されたこともあり生成AIについての記載は見られませんでしたが、今後、生成AIについても触れられるのではないかと思われます。

生成AIに関しての記載がなくとも、デジタル教育が進んでいることは、明らかです。
2022年4月に高校生だった方は、早い方ですと20254月には社会にて出て働いている可能性もあります。
デジタル教育を当たり前に受けた方々がこれから続々と社会人になっていくという時代が目の前に迫っています。

 

<参照URL

「情報I」2022年4月スタート、目的・学ぶ内容は?(教育業界ニュース「ReseEd(リシード)」)

新しい情報科「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」を教える準備を(学校とICT|Sky株式会社)

2025年度共通テストから「情報」が新しく追加!傾向と対策を知ろう(四谷学院大学受験合格ブログ)

 

生成AIの教育での活用  

GIGAスクール構想や情報の授業により、教育そのものがデジタル化されていく中、生成AIを導入している例も増えてきています。

英会話学習のために生成AIのアプリの導入

学生が英語学習を進めるにあたって、実戦経験が少ないことを課題に感じた先生が、生成AIの組み込まれた英語学習アプリを導入しました。相手が人間ではないため、気兼ねなく間違えることができるということが、学生のモチベーションにつながっているそうです。

家庭教師としての生成AI活用

宿題で分からないことがあった時に、「中一の英語の家庭教師をしてください」と生成AIに指示をし、問題文とともに自分の回答を打ち込むことで、間違ったところは解説を添えて返してくれます。利用している方は、「人間に質問する時は気を使ったり、聞き方を工夫したりしなきゃいけないけれど、ChatGPTは何分でも待ってくれるし、自分のペースで話せます」とコメントしています。

 

生成AIを活用した社会科の授業

社会の授業のテーマは、「江戸時代に水路が引かれたことで地域の暮らしはどう変わったか」。子どもたちは先生から人口が増えた江戸の町のために玉川上水が引かれたという歴史について学び、そのあとに問いの答えを考えて、それぞれのタブレットに打ち込みます。
集まった意見は、先生のタブレットに送られ、先生は100個以上の集まった意見の一覧を生成AIに読み込ませ、特に多かった意見をまとめるよう指示します。すると、情報が整理されて表示されます。これにより、先生は学習を効率よく進めることができ、これまでよりも一段と深い議論をすることができるようになったそうです。

 

<参照URL

小学校でも大学でも活用 生成AIがもたらす学びの革命(NHK)

 

まとめ

社会のデジタル化に合わせて、世代に関わらずデジタルスキルを身に付ける必要性が高まり、また実際にデジタルスキルを身に付けるための取り組みが進められています。今後、さらに社会がデジタル化していくことが予想されるため、先ずは生成AIの基本やデジタルスキルの基本をしっかりと身に付けておくことが大切なのではないでしょうか。

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