ジョブ・クラフティングとは、ビジネスパーソンが自分の仕事にひと匙を加える(自ら創意工夫して変化させる)ことです。
ジョブ・クラフティングで変化させる要素は3つあります。
①仕事の内容・やり方を変える業務(仕事)クラフティング
②仕事の目的や意義を認識して仕事への捉え方を変える認知クラフティング
③まわりとの関係性や自分の役割の認識を変える関係性クラフティング
ジョブ・クラフティングすることによって、仕事の効率化や品質向上につながるとともに、仕事を自分事として捉えることにより働きがいの向上にも大きく寄与します。
ここで、ジョブ・クラフティングを行ったビジネスパーソンの話をご紹介します。
その方は新卒入社した会社で営業本部の一部門の事務・経理担当を10年程続けていました。
日々営業担当者から依頼される見積書などの作成、毎月月末に行う請求書の作成や発送、毎月月初に行う部門の収支計算や報告書作成など、入社から数年は覚えることも多く、忙しい日々を過ごしていたそうです。
しかし、2、3年程経つと作業にも慣れて忙しさを感じることはなくなり、淡々と同じような作業をこなしている毎日に物足りなさを感じるようになりました。また、自分が成長できている感覚も持てなくなったようです。
そのような毎日が5年近く続いたある日、その方は「何か変えないといけない」と思いつきます。
何か自分ができることはないかと考えた時、毎月月初に行っている部門の収支計算業務の作業時間を測定することにしました。最初はほぼ同じくらいの作業時間でしたが、3ヶ月後に「何か工夫することで作業時間を短縮できないか」と考え、マクロを作ったり、自動化ソフトウェアを活用したりして時間短縮を図り続けました。
すると、毎月作業時間の“自己新記録”を達成することが楽しくなり、さらなる工夫を重ねることで1年後には大幅な時間短縮につながりました。また削減できた時間は、ソフトウェアやプログラミングの勉強に充てたり、他の人の作業改善を手伝うなど、有効に時間を活用することができました。
またその活動を続けていると、活動を聞きつけた他部門の事務・経理担当の人たちが教えてもらいに来るようになり、会社全体で事務・経理関連業務の効率化やコミュニケーションの活性化につながったようです。
さらに、その1年後に各部門の事務・経理関連業務を1つのチームに統合して行うこととなり、その方はチームリーダーに抜擢されました。今はまわりのチームメンバーも“ひと匙を加える”ことを活発に行うようになったそうです。
ジョブ・クラフティングは、最初は小さなことでも前向きに続けることで、影響力が大きくなったり、人の成長や関係性の向上にも寄与したりする可能性を秘めている活動といえます。
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作成者:トレノケート株式会社 都川信和